秋アニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第11話放送後インタビュー:山根綺さん(山田冬夜役)|第1話の頃は想像もできなかった衝撃の展開! 印象に残っているのはコノハとマモルのあの名シーン【連載第12回】
印象に残っているのはコノハとマモルのあの名シーン
――実際に40代を演じてみていかがでしたか?
山根:最初にテストで出したものよりも、少し若くていいですっていうディレクションをいただいたので、自分が想像していたよりも若い社長なんだなって思いました。見た目にもすごく気を使っているし、新しいものや流行っているもの、次に流行りそうなものを考えて取り込んできたからこそ、若くいられるんだろうなって。視聴者さんも、46歳なんだ!って意外に思うと思います。
あと、この子は、お姉さま! お姉さま!って思いながら生きてきたので、つい感情的になってしまうんですけど、それを最初やりすぎてしまい、ちょっと抑えめにというディレクションもあり、そこから熱量をちょっとだけ落としてやるのが難しくて。これは表面ではわからない年齢の部分になるんですけど、やっぱり46歳だから、私くらいの年齢の人が言われて思うことと、スピードも熱量も違うと思うんです。そこがとても難しくて、やっぱり早くなってしまうんですよね。25歳くらいだったら普通のスピードなんですけど、いろんな経験をして大人になった46歳ではそうはならない、みたいな。そのスピード感はずっと大変でした。
――若いところでの年齢変化は自分が経験しているけど、40代の感覚は経験していない領域ですしね。
山根:そうなんですよ。40代をやったのは初めてだったので、それも含めてすごくいい経験になったし、勉強にもなりました。
――タイムリープものだからこそ、人生を一緒に演じることができたところはあるかもしれない。
山根:確かに、だいたいのアニメでは、年齢ってあまり変わらないですからね。
――ここまでで印象的だったシーンはありますか?
山根:自分のシーンじゃなくてもいいですか。あの第6話なんですけど、最後のマモルくんとコノハちゃんのやり取りが本当に好きで!!
――コノハが「みんな美少女の力を信じてるんだから!」って言って、マモルが「お前のやりたいこと、僕が何でも叶えてやる」って言うところですね。
山根:この回はアフレコに一緒に入っていたので、泣きそうになりました。古賀葵さんと阿部敦さんの熱量がすごすぎて、いいものを浴びたな〜って思いながら帰りました。めちゃくちゃカッコよかったし、めちゃくちゃ感動してしまったので、そこが一番印象に残っています。最高でした!
――そこから作ったゲームによって、まさかこんなことになるとは…。
山根:こんなことを招くとは!ですよね(笑)。誰もこうなることは予想していなかった。コノハちゃんも2023年に戻って、面白いゲームを作るぞ!ってなるのかと思ったら、人がプラグスーツに身を包んで、水の中を浮いてる?っていう。
――第11話は、本当にいろいろな展開がありましたからね。コノハが拉致されるなんて思わなかったですから。
山根:冬夜がコノハちゃんに電話していて、何で電話しているんだろうな〜って思っていたんです。台本では電話のところは冬夜と書いてあったので。でもそのあとにグレンとの会話のところで偽冬夜声と書いてあって、偽物だったんだ!ってなりました(笑)。そっか、もうAIに声を覚えさせて、偽物として会話することもできるんだなぁって。
――実際に、自分で話した声を別人にする技術はすでにありますしね。
山根:だからいろいろ便利になりすぎると、こういう世界になっちゃうのかもしれないですよね。
――だから、逆に90年代に戻りたい気もしますよね。
山根:私もスマホがない時代、ガラケーに戻りたいって思うことはあります。今は全部知ろうと思えば知れちゃうじゃないですか。私はもう、スマホを操作しているのではなく、操作させられているんだろうなって思うんです。Xとかインスタとかを開いて、ばーーっと見て、もう見たなって思って消したあとに、無意識にもう1回アプリのボタンを押しているんですよ。もうそのくらいSNSに操作されてしまっているから、それがない時代に戻りたい気持ちはあります。
――最初は美少女ゲームのあるあるネタが多かったんですけど、AIってどうなんだろうとか、第8話みたいに人間の想像力って何なんだろうとか、いろいろと考えさせられるアニメになっていますよね。
山根:そう思います。本当に大事なのは、何だと思う?っていう大きなテーマがあるかもしれない。私たちも演じていていろいろと考えさせられるところがあるので、皆さんもいろんなことを感じてくれたら嬉しいです。
――では最後に、クライマックスの見どころをお願いします。
山根:コノハちゃんがこのあとどうなってしまうのか、冬夜にとって本当に大切なものは何なのか、どんどん変わっていく心の動きに注目してほしいです。そして彼女達の行く末を一緒に見届けていただけたら嬉しいなと思っています。
[文/塚越淳一]
『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』作品情報
あらすじ
ある日、ひょんなことから過去の名作美少女ゲームをゲームショップの店主から譲ってもらうことに。美少女ゲーム黄金時代に思いを馳せ、『同級生』のパッケージを開くと突如まばゆい光に包まれ、気づくとコノハは過去にタイムリープをしていた!
行きついた先は1992年!世は美少女ゲーム黎明期!アルコールソフトという会社で働くことになったコノハは、美少女を想い、美少女を描き、美少女を創りあげていけるのか!?
圧倒的な美少女への愛でお送りする、ひとりの少女の物語――『じゃ、始めるね!』
キャスト
(C)若木民喜/みつみ美里・甘露樹(アクアプラス)/16bitセンセーションAL PROJECT