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冬アニメ『スナックバス江』玉袋筋太郎&芦名みのる対談

大人のSNS=スナックネットワークサービス? 冬アニメ『スナックバス江』放送開始記念! ナレーションで参加した玉袋筋太郎さん、芦名みのる監督、スナックをこよなく愛するふたりが語り合う

『スナックバス江は』スナックの流儀を守っている

──芦名さんは動物病院の獣医師として、アニメ監督として、玉袋さんは芸人として、そして全日本スナック連盟会長としてと二足のわらじを履かれています。おふたりがこの仕事を続けてきて良かったなと思うことはありますか。

芦名:実は両方とも、人を見る、人に伝えるという仕事なんですよね。だから自分はいろいろな話を聞く、ということを大切にしています。僕は今46歳ですけど、自分の人生だけだったら、その経験しか分からない。でも玉ちゃんの話をこうやって聞いたら、玉ちゃんの経験値を少し分けてもらえるわけじゃないですか。マンガでもアニメでもスナックでもそう。触れたもの全部が経験になっていくのが楽しいんです。やってて良かった、と感じるのはそういうことかな。

玉袋:本当に監督が言った通り。自分ひとりで居酒屋やスナックに行って喋らないこともあるけど、そこらへんにディスクジョッキーがいるから、それを聞いて楽しむこともあるわけですよ。それを聞くか聞かないかで、人生が変わってくると思う。どっか行かないと、別の人の話を聞ける機会なんて、なかなかないですから。

芦名:面白いですよね。いろいろな人の人生を聞けるっていうのは。聞かないのはもったいない。

玉袋:そう思う。それに気づかせてくれるのもまたスナックで。表面をクリアしても、裏面もありますからね。説教臭くなっちゃうのは嫌なんだけど、「なんでこんな面白い場所に行かねぇの?」って思っちゃうくらい。あの扉だって重そうに見えるかもしれないけど、何度も扉を開けていたら、いつか軽くなりますから。

芦名:『スナックバス江』のキャラクターたちって無茶苦茶なことをやっているように見えるんですけど、スナックの流儀を守っているところがあるんですよ。行き過ぎたところがあればスッと戻るし、ひとつの話題からみんなで盛り上がっていくこともある。会話が続くようにちゃんとパスを回してるんです。だから投げっぱなしのギャグってないんですよね。だからこのマンガが馴染んだ人って、スナックに向いてると思う。

玉袋:昔、梶原一騎が『空手バカ一代』を出して、一大ブームを巻き起こして、極真会館があんなに大きくなったわけだから。それと一緒ですよ。この作品に触れた人は、スナックに行き始めますよ、きっと。

芦名:それでどこに行っても、「スナックバス江ほどは頭はおかしくないんだ」ってなるんじゃないかなと(笑)。

玉袋:それはそうかもしれない。それで「思ったよりも楽しい」ってなれば良い。スナックはね、本当に面白い場所。自分はそこに携われて……なんていうんだろうな。「間違ってなかったんだな」と思いますね。それが続けてきて良かったことかな。スナックを続けて、自分を育ててくれてきた両親にも恩返ししたいしね。天職です。スナックで得たコミュニケーション術って、あらゆる場所でも役に立つんですよ。サバイバル術とも言えるかもしれませんね。すべてが詰まっています。

──ではアニメ放送がスタートとなる2024年に新たにチャレンジしたいことを教えてください。

玉袋:この状態をキープしつづけること。それと完璧なおじさんになりたい、っていう目標があるので、それは早く達成したいですね。だから、アンチ・アンチエイジングで生きてるんでね。年を取ってうれしくて仕方ないですよ。勃起角度もね、落ちてきましたけど、それもまた愛おしいわけよ。

芦名:あ、この勃起角度の話は、記事から削らないで下さい(笑)。

──分かりました(笑)。

玉袋:人間ずっとビンビンなわけがないんだから。そういうところに寄り添える、という心持ちになれたら、完璧なおじさんになれるよね。まだまだたどり着けないけどね。

芦名:その話を聞くと、自分もそうかも。何が特別な目標、ってことはないですね。僕は上野の立ち飲み屋でよく飲んでいるんですよ。好きなアニメを作って、好きな人たちと、知らん人たちと飲んで……あ、あとは痛風の発作を減らすことくらいかな……。もうね、家系なんですよ。

玉袋:それはね、坐薬を尻に刺しましょう(笑)。

芦名:ちゃんと持ち歩いてますよ坐薬(笑)。そう身体を気遣いながらもね、みんなで飲んで、みんなで話して。やっぱり楽しいんですね。

──ところで、アフレコ現場にはスナック玉ちゃんのオリジナルシャンパンと、角瓶が置かれています。角は監督のお好きなお酒なんですか?

玉袋:キンミヤと角は呑兵衛の御本尊ですよね。

芦名:そう。本当はもっとお酒を置きたいんですけどね。昼間から怒られるかなと思って、雰囲気だけでもと角を置いています。玉ちゃんのオリジナルシャンパンは、玉ちゃんの誕生日イベント専用で作られたやつで、僕がお店で入れたやつです(笑)。

玉袋:ありがとうございます(笑)。

芦名:まあ、本当はアフレコも飲みながらやりたかったんですけどね。

玉袋:それをやりはじめると「もう良いんじゃね?」と、人間的にはダメな人になるから(笑)。むしろね、そのタイプの人間が仕事をやってるっていうのが良いんですよ。

芦名:今日はノンアルコールの玉ちゃんが見事なナレーションを聞かせてくれました。スナックの何かが始まる感じがしましたね。

玉袋:ありがとうございます。『スナックバス江』は年明けの放送ということで、おとそ気分で楽しんでもらえたらと思っています。俺らは通年おとそ気分ですけどね(笑)。でも2024年の良いスタートを切れるんじゃないですか。『スナックバス江』の大ブレイクを期待しています。

芦名:今はね、配信でどの場所からでも見られる時代ですから。アニメを見たあとに、そのままスナックに行ってちょっと飲んでください。何も特別なことはありません。毎日おとそ気分で、ゆる〜く行きましょう。1月ですから、お湯割りで飲んでね。

玉袋:熱燗もいいよね。

芦名:ビールも……。

玉袋:ったく、1年通して、結局そんなことばっかり言ってんだよ。「秋だからビールがうまいなぁ」「夏はビールだなぁ」ってね。

──でも毎日がスペシャル!

玉袋:そう! なにかにこじつけてね。毎日がスペシャルってね。

[取材・文/逆井マリ]

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『スナックバス江』作品情報

放送情報

2024年1月放送開始
TOKYO MX、HTB北海道テレビ、BS朝日にて

キャスト

明美:高橋李依
バス江:斉藤貴美子
山田:阿座上洋平
タツ兄:落合福嗣
森田:岩崎諒太
風間:福島潤

スタッフ

原作:フォビドゥン澁川 『スナックバス江』(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督・脚本・シリーズ構成・美術監督:芦名みのる
キャラクターデザイン・作画総監督:富山。
撮影監督:大久保潤一
音響監督:郷 文裕貴
音響効果:古谷友二
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:小鷲翔太
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:スタジオぷYUKAI

アニメ公式サイト
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(C)フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同
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