バス江ママを囲む会へいらっしゃい♡ 明美役・高橋李依さん、バス江ママ役・斉藤貴美子さん、天野小雨役・宮本侑芽さんが『スナックバス江』の魅力をゆるく熱く語り合いつつ人生相談? ママへの愛を叫ぶ
『週刊ヤングジャンプ』にて連載中のフォビドゥン澁川先生による異色のスナック・コメディがお茶の間へ。絶賛放送中のTVアニメ『スナックバス江』。
舞台となるのは、北海道最大の繁華街すすきの――から5駅離れた北24条の『スナックバス江』。バス江ママと、チーママの明美が自由気ままに、時にはエキセントリックに(!?)、珍客との会話を楽しんでいます。
アニメイトタイムズでは、「バス江ママを囲む会」と題した、明美役・高橋李依さん、バス江ママ役・斉藤貴美子さん、アルバイトスタッフである天野小雨役・宮本侑芽さんによる鼎談をお届けします。
アフレコ現場もスナックのような雰囲気で
──実はアフレコ現場にも私もお邪魔させてもらっていたんです。皆さんからあんなセリフ、こんなセリフが飛び出し、驚きつつも楽しませてもらっていました(笑)。
バス江ママ役・斉藤貴美子さん(以下、斉藤):ビックリなところがありましたよね。私はどんなセリフを言っても許されるキャラクターとして生きてきたところがあるんですけども(笑)。ふたりの場合は、ねえ。
明美役・高橋李依さん(以下、高橋):周りのほうがビックリしていたんですよ。「もしかして、私、今ヤバイことしてる……?」って(笑)。
斉藤:台本に忠実に表現しているだけなんですけどね。普段のふたりなら絶対に言わないであろうセリフが飛び出して、それが聞けるというのも見どころのひとつなのかなと。
高橋:大人ってこういうことかぁって。
天野小雨役・宮本侑芽さん(以下、宮本):階段を登りましたね(笑)。
高橋:役者って仕事は最高ですね……! こんなことも、あんなことも言えるんだと。
斉藤:あくまで台本のセリフだからね! 李依ちゃんはそれを忠実に再現しているだけ! それは伝えておきたいです(笑)。
──アフレコ現場の雰囲気作りもすごかったですね。アフレコブース前には神棚的なものがあって、お酒がまつられているっていう(笑)。
斉藤:そうそう!
宮本:入り口には『スナックバス江』のミニチュアもあって。
斉藤:そうそう。ちゃんと光るミニ看板のようなものがありました。
高橋:『スナックバス江』のアフレコを盛り上げるために、スタッフさんが個人で作ったものだそうです。それと、先生が第一話のアフレコのタイミングで持ってきてくださった、私たちキャストの似顔絵とキャラクターたちが一緒に飲んでる構図のイラストがあって。それを音響制作さんが額縁に入れてくださって、アフレコブースで飾っていました。
斉藤:個人的には実物よりも綺麗に描いてくださって感謝です(笑)。イラストを見たときは感動しましたね。自分と、自分が演じているキャラクターが隣同士で飲んでいるっていう。スタジオの入り口には、原作が並べられて、今は入手困難となっているジャパニーズウイスキーもありました。まさに神棚(笑)本当は夕方に収録して、そのあと「飲みに行っちゃう?」といった雰囲気で収録できたら良かったんですけど、今回の収録は午前中からだったので、朝から爽やかに、卑猥な……いや、違う! おバカちゃんな感じ……?
宮本:『スナックバス江』のあの雰囲気を言語化したいですよね!
斉藤:そうなの!
高橋:でもなんなんだろう? 下品とも違うし……。やっぱり“スナック”感?
──そうですね(笑)。
斉藤:そのスナック感を盛り上げるかのような差し入れもいただきました。ちょっと暑い時期には、冷えた果物だったり(笑)。「お店で買ってきたものを切ったからみんな食べる?」みたいな空気感。
──スナックっぽい……!
「大人になって、貴美子さんとスナックで共演するなんて!」(宮本)
──では改めて、役が決まるまでの経緯や、決まったときの心境などをお聞かせ下さい。
斉藤:私はオーディションがなかったんですよ。制作の方々のイメージと、これまでのつながりということから選んでいただいています。
高橋:私もです。
宮本:私はオーディションでした!
斉藤:(宮本さんに向かって)オーディションはどんな感じだったの?
宮本:テープオーディションだったんですが、当時からおふたりがすでにキャストとして決まっていることは聞いていて。
斉藤:そうだったんだ!
宮本:で、原作を読み進めていって……「このママを斉藤貴美子さんが??」と。
一同:(笑)
宮本:原作を読んで、ママのファンになってしまったんです。だからなんだか嬉しくなってしまって(笑)。
それに、貴美子さんとは、私が高校生の時に初めてご一緒させていただいていて。
斉藤:そうか。あの頃高校生だったもんね。
宮本:そこから大人になって、スナックが舞台の作品で共演するなんて、と感慨深いものがありましたね。しかも同じブースで、スナック感あるセリフを発せられることがなんだかエモいなと。しかも、斉藤さんは現場で本当にママでいてくださるんです。私はマイクワークが久しぶりだったのですが、困っていたら「こっち空いているよ!」って声をかけてくださって。
高橋:わかる! マイクを代わるときに、背中でそっと合図をくれて「マ、ママー!!!」ってなりました。
斉藤:やだ、今度ご馳走しちゃう。
一同:(笑)
斉藤:コロナ禍のときはひとり一本のマイクで移動がなくて、みんな久しぶりのマイクワークでしたから。いざマイクワークとなると、マイクの高さの問題もありますからね。私はどの高さでも比較的大丈夫なんですよ。だから「私が動くから、そこにいな!」って。
高橋&宮本:ママー!!!!
宮本:本当に久しぶりのマイクワークでしたし、最初は緊張もあったんです。でも現場に入ったら安心感がすごくありました。
斉藤:アフレコ中はずっと「侑芽ちゃんがこういう役をやる歳になったんだな」としみじみ思っていました。でも小雨ちゃんはね、わりと……。
宮本:まだ常識人っぽいところがあります。あくまで“っぽい”ですけども。
──(笑)。高橋さんは明美役のオファーが来たときは、どのようなお気持ちに?
高橋:実はこのオファーをいただく前に「事務所的に、こういう言葉は大丈夫……?」とヒアリングしてくれて、覚悟と決意を固めた感じでした。
明美ちゃんは言いたいことをハッキリ言ってくれるので、こちら側としても気持ちが良くて。一緒に飲んだら絶対楽しいだろうなと(笑)。潔いし、かと言って下品ではなく、華もある。文字だけで見ると「そこまで言って良いのか」ってくらい、あけすけなところもありますけども、そこは明美ちゃんの可愛らしいルックスや語感のようなもので……丸く包み込みつつ、でも最終的にはストレートな玉を投げるっていう(笑)。いろいろな魅力を持っている子なので、なかなか一言で片付けにくいキャラクターだなとは思います。
──高橋さんのお声によって、明美の独特なキャラが生きているように感じました。
高橋:嬉しいです! もっとお酒で枯れた声も考えられたとは思うんです。ただ、私自身もお酒をたくさん飲みますし、お酒を飲む声かどうかというところにあんまりプレッシャーはなかったです(笑)。強いて言うなら、プロのホステスとしての……何ていうんだろうな。“下品にしない”みたいな部分は、自分に向いているんじゃないかなと思っていて。その特性は明美ちゃんに付与できたんじゃないかなと。
斉藤:お話をいただいた時は、明美を誰が演じるかは知らなくて。後で李依ちゃんと聞いたときにはガッツポーズでした!
高橋:えーっ! そうだったんですか!? 嬉しい!
斉藤:担当してくれているデスクと「これは嬉しい! 幸せな予感しかない!」って、ふたりで手を取り合って喜びました。そのあと他のキャストさんを伺っていく度に「これはいいぞ〜、良い作品になるぞ〜!」と。