現役アイドルだからわかるリアリティ。夢を目指すゆうと自分を重ね合わせて──アニメ映画『トラペジウム』JO1 木全翔也さんインタビュー
真司を通して描きたかったこと。木全さんにとっての“真司”は?
──演じられる工藤真司の印象はいかがですか?
木全:THE青年という見た目で、個人的に親しみやすさを感じました。でもやるときはやる男なんですよね。どこか人間臭さを感じたりもして、本当に不思議な子だと思います。
──作中ではゆうのサポート役として要所要所で活躍を見せますね。
木全:彼のようにサポートしてくれる人って実際にいるんですよね。僕の場合は親や友達です。この人たちが「頑張って」と声をかけてくれたからこれまで頑張ってこられました。本作はそういう役回りの人がいることを真司を通して描いているんだろうなって。すごく良いなと思いました。
──ゆうとの会話が多いですが、お気に入りのセリフやシーンはありますか?
木全:真司がゆうに対して、もっと近道があったはずだと言うシーンです。きっと、近道があることはゆうもわかっているんですよね。でも彼女は自分の理想のアイドルになるためにあえて遠回りをしていて。そういう人と人のズレみたいなものがリアルに表現されている作品だと改めて思ったシーンです。
──主人公のゆうに対してはどんな印象を持っていますか?
木全:夢を目指すためにさまざまなことを徹底していますよね。空回りしちゃうときもありますが、どんなに難しいことでも自分の信念を曲げず、自分の勘を信じて突き進む。その努力は本物だなと思います。僕も、JO1に入るまで苦労したので、同じ目線になっちゃいました。
でも、僕は高校を卒業したあとにこのお仕事を始めましたが、ゆうは高校1年生の段階でアイドルになる決断をしたんですよね。その決断力はすごいなと思いました。そして、決断をしてからの行動力も素晴らしいです。周りに馬鹿にされようが、成功しようが失敗しまいが恐れずに行動する姿は憧れますし、やっぱり人はこういう経験を積まないと成長できないんじゃないかなって。彼女を見ていて、僕も見習うことばかりだなと思いました。
目指すはジブリ声優
──今作は夢を追う人の背中を押してくれるような作品です。木全さん自身、影響を受けたり、勇気をもらったアニメや映画はありますか?
木全:あります! 昔はピーマンが嫌いだったんですけど、『アンパンマン』に出てくるピーマントリオのおかげで食べられるようになったんですよ。ピーマントリオは、みんなにピーマンを配って食べさせてあげるんですけど、そのときの「ポリポリ」という音が気持ち良くて。そのおかげで美味しいとすら思うようになりました。
──それは大きな影響ですね。
木全:あのときピーマン嫌いを克服できていなかったら……。そう考えるとピーマントリオには背中を押してもらいました。
──大人になってからはいかがですか?
木全:『斉木楠雄のΨ難』には日々を明るくしてもらっています。頭をそんなに使わなくても面白いから何回も見ちゃうんですよね。ほかにも『ガンダム』や『コードギアス』シリーズも好きです。
──ロボット作品が好きなんですか?
木全:ロボットも好きなんですけど、どれもストーリーが良いんですよね。あ、でも最近、ガンプラ熱が再燃していて。家に作りかけのイージスガンダムとササビーがあります。
──新旧問わずお好きなんですね。
木全:中でも『ΖΖ』がすごく好きです。プルとプルツーのお話が良いんですよね。
──世代的には『00』ですよね?
木全:そうですね。『00』も好きなんですけど、シリーズを見始めたきっかけは『SEED』です。親におすすめしてもらったんですよね。
──ご両親もアニメがお好きなのですね。では今回の映画デビューもお祝いしてもらったり?
木全:知っているとは思うんですけど、そもそも仕事の話はあまりしないんですよね。健康に気を付けてねと言われるくらいで(笑)。でも、喜んでくれていると思います。
──今後も声優に挑戦していきたいとのことですが、憧れている声優やお好きな声優はいますか?
木全:たくさんいます! 中でも、宮野真守さんは『00』『イナズマイレブン』の影響ですごく好きです。あとジブリ作品も好きなので、神木隆之介さん、松田洋治さん、特に『もののけ姫』の美輪明宏さんの演技は今でも強く印象に残っています。僕もジブリの声優さんのナチュラルなお芝居を勉強して、いつか出演してみたいです。
──今回、その大きな足がかりになりましたね。
木全:そうですね。今後も僕のことを知っていただける機会を増やせたら嬉しいです。
取材・撮影:MoA ヘアメイク/西尾さゆり スタイリスト/ホカリキュウ
『トラペジウム』作品情報
あらすじ
1)SNSはやらない
2)彼氏は作らない
3)学校では目立たない
4)東西南北の美少女を仲間にする
半島地域「城州」の東に位置する城州東高校に通うゆうは、他の3つの方角の高校へと足を運び、かわいい女の子と友達になる計画を進める。その裏には、「東西南北の美少女を集めてアイドルグループを結成する」という野望があった。
西テクノ工業高等専門学校2年生で、高専ロボコン優勝を目指す“西の星”大河くるみ。
聖南テネリタス女学院2年生で、お蝶夫人に憧れる“南の星“華鳥蘭子。
城州北高校1年生で、ボランティア活動に勤しむ“北の星”亀井美嘉。
ゆうの計画を知り協力する男子高校生・工藤真司のサポートもあり、ゆうは3人の美少女と友達になる。
ロボコン大会や文化祭といった青春のイベントをこなしながら、ゆうは着々と「東西南北」4人の結束を固めていく。
そんな中、観光客のガイドボランティア・伊丹秀一を手伝う女子高校生たちの活動が注目され、ゆうたちにテレビ出演のチャンスが舞い込む。
さらに、番組制作会社のAD・古賀萌香との出会いをきっかけに、ゆうたち4人は徐々に仕事を得て、世の中に知られていく。
そしてついには、「東西南北」のアイドルデビュープロジェクトが始動することになる。
「私が選び抜いたメンバー。私の目に狂いはなかった。私たちが、東西南北が、本当のアイドルになるために。私がみんなを、もっともっと輝かせてみせる。」
しかし、夢への階段を登り続けていく中で、ゆうは〈大きな問題〉に直面することになる――
キャスト
(C)2024「トラペジウム」製作委員会