<20年目の地球署>から当時の子どもたちへ――Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』さいねい龍二さん×林剛史さん×伊藤陽佑さん×菊地美香さん×吉田友一さん スペシャルポリス・座談会!
『デカレンジャー』は進化し続ける!?
ーー京都と高知で実施された地方ロケの感想も伺えればと思います。
さいねい:京都の「東映太秦映画村」は、『デカレンジャー』の第18話「サムライ・ゴーウエスト」の撮影でも行かせていただきましたし、美香と一緒に『超忍者隊イナズマ!』にも出演させていただきました。そういう意味では、勝手知ったるというか。
林:(伊藤さん&吉田さんへ)僕らも『義経と弁慶』でお世話になったしね。
菊地:私たちにとっては、第2のホームみたいな感覚があります。ただ、東映としてお邪魔することはあっても、太秦制作で特撮を撮るのは珍しいみたいです。メイクさんが「最初は時代劇って聞いてたんだよね」って(笑)。スタッフさんたちも、撮影を思いっきり楽しんでいる様子でした。
さいねい:太秦制作の作品数も減ってきているらしいので、業界的な地方創生に繋がればよいですね。
吉田:高知の方で言うと、協力してくれる企業や事業所の方々が概ね無償でロケ地を提供してくださったので、そこに還元したいという思いが強かったです。
林:すごいよね。
菊地:ちなみに、日曜市のシーンは、木曜市と日曜市を組み合わせて撮っているので、見る人が見たら分かるかもしれません。
伊藤:非常に特殊な例だと思うんですが、今回はロケーションの手配も友一が中心になって動いてくれています。地域が活性化するような作品に携われたことが嬉しかったし、僕自身もより高知が好きになりました。
吉田:劇中では困っている人を救うことがヒーローの役目ですが、今回は地域を活性化させることも我々の任務だと思っています。映画を観ていただきたいのはもちろん、ぜひ作品の舞台を訪れて世界観に浸っていただきたいなと。
ーー『デカレンジャー』はもともとスケールが大きく、懐が深い作品だと思うので、いきなり高知に行っても全然違和感がなかったです。
菊地:それは嬉しい!
伊藤:主題歌に「光よ 都会(まち)の天使たちに届け」というフレーズがあるので、都会のスーパー戦隊だと思っていました。でも言われてみれば、世界の広がりや作品の柔軟性、SFとしての懐の深さがありますね。
さいねい:宇宙って広すぎるので、本当に万能な設定だと思います。
菊地:宇宙から寄っていったら、まさかの高知という(笑)。
伊藤:あれはめちゃくちゃ笑ったな〜。高知が光り輝いてたよね。
さいねい:そのまま自治体のプロモーション映像に使えそう。
吉田:実は映像を抜粋したものを作って、高知の観光PR映像を作ってもらっています!
伊藤:これは中々のイノベーションなんじゃないかなと。「この面白さ伝われ!」って感じです。
ーーそして、遂に6月7日(金)から上映開始となります。最後に、今の心境をお聞かせいただけますか?
吉田:『デカレンジャー』という作品は、自分にとって明確な“帰ってこられる場所”になっています。実家のような安心感がある居場所を20周年までずっと持ち続けられたのは、本当に幸せです。みなさんからの期待を受け止めて、作品のプロモーションに尽力したいと思っています。
菊地:今回は大人になった当時の子たちに向けて仕掛けている部分もあって、高知市とのPR活動にチャレンジしたり、コラボパッケージの日本酒を出させていただいたり……。その中で、想定外のものを沢山得ることができたという感覚が既にあります。撮影も感謝の気持ちを持って取り組んできましたが、キャンペーンが始まるとなおさら感慨深い気持ちです。
伊藤:『ハリケンジャー』の山本康平くんから「10周年と20周年は違う」という話を聞いていたんですよ。当時の子どもたちは社会人になっているので、自分が稼いだお金で作品を観にきてくれる。
キャスト同士は普段から連絡を取りあっているので、あまり変わったような気がしないんです。でも、こうしてダイレクト世代の方とお話すると、20年経ったんだなという実感がようやく湧いてきます。心から嬉しい思いです。
林:これまで数え切れない作品に携わらせていただいてますが、原点である『デカレンジャー』をみんなで演じられるのは感無量です。本作を観てくれた方が、より特撮作品に興味を持ってもらえたらと思っています。
さいねい:20代で『デカレンジャー』に出演して、そこから更に20年経ってるわけですよね。冒頭の話にも繋がりますが、歳を重ねるのは良いことだと思っています。経験によって刻まれるシワもありますし、心の変化で表情も変わってきますから、それも含めて、作品を楽しんでいただきたいです。
菊地:そうだね。それを劣化ではなく、進化と呼びましょう!
ーー進化し続ける『デカレンジャー』の活躍をこれからも楽しみにしています!
[インタビュー・写真/小川いなり]
『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』作品情報
あらすじ
急行したウメコとセンは、現場にいたジウジッソ星人の子・マープルから怪しい女エイリアンがいたと目撃情報を得る。姿を現したエイリアンの確保を試みるデカレンジャーたちの前にプレミアデカレッドが登場するが、呼吸が合わずに取り逃がしてしまう。
プレミアデカレッドに変身していたのは、バンが指導するファイヤー・スクワッド所属の新人・江戸川塁。バンと塁は地球に落ちた未確認物体の調査に来たところだった。その後の捜査で容疑者となるアリエナイザーの正体は、銀河の麻薬王タレワラーネの妻・ラエンジョと判明。タレワラーネは塁にデリートされていて、その復讐でラエンジョが行動しているのでは?という捜査方針から、ラエンジョを追ってホージーとジャスミンはラエンジョの住んでいたチーマ星へ、バンとウメコと塁はエイリアン特区へ向かった。
一方、爆破現場一帯から発見された手掛かりの謎を追って、センとテツはあらゆる植物に精通した牧野植物園学芸員モクミスに会うために高知へ駆けつける。だがふたりを前にしたモクミスは、リドミハ星人の姿になっていきなり攻撃をしかけてきた!
デカレンジャーたちの捜査は果たして事件を解決に導けるのか!?
キャスト
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