1年間で焔先斗の“生き様”と“成長”を表現したい――『爆上戦隊ブンブンジャー』ブンバイオレット/焔先斗役・宮澤佑さんインタビュー|「このタイミングでヒーローを演じる意味が必ずあると思うんです」
ビュン・ディーゼルは「先斗のお兄ちゃん的存在」
ーーここからは 、第16話(バクアゲ16)より登場した焔先斗のお話を伺いたいと思います。まだまだ謎めいた部分も多いですが、宮澤さんは彼の人物像をどのように捉えていますか?
宮澤:彼にはある重い過去があって、10歳のときにその経験を踏まえたうえで地球を離れているんです。そういった辛いこと、悲しいことを経て、心の中に深い闇がある。僕自身はそう解釈しています。
第16話の「こいつはカオスだ」というセリフからも分かるように、彼は常に“楽しむこと”を選ぶんです。いつも楽しくいようとするのは、歪な生い立ちから人格形成が成されていったからではないかなと。あとは、人に対して上から目線だったり、距離感が近かったり、長く地球にいなかったからこその可愛げがあったり……。
ーー宇宙にいたからこそ、地球の一般常識に馴染みがないと。
宮澤:10歳で地球を離れているので、少し非常識な一面も、ある意味では仕方ないと思います。それが17話以降で可愛く見える場面もあると思うので、その辺りにも注目していただきたいです。
つらい過去を背負っているからこそ、他者を信じられない先斗がいて。ただ、一度信じたものや人に対する愛情は誰よりも強いので、そこが彼の格好良いところじゃないでしょうか。僕自身も彼の守りたいものに真っ直ぐなところが大好きですし、それを常に意識して演じています。
ーーちなみに、宮澤さん自身は、話題に挙がっていた焔先斗の過去を既に知らされているのでしょうか?
宮澤:ある程度は知っていますが、自分で想像を膨らませている部分も多いです。育ってきた環境が自分では経験したことのないものなので、過去を踏まえつつ、更にキャラクターを深堀りしていきたいなと。
ーーそういう意味では、宮澤さんのお芝居が先斗のバックボーンを紐解くうえでのヒントになりそうです。
宮澤:それはある程度、意識的にやっていますね。そうでないと、焔先斗という人物の生き様が伝わりづらくなると思います。飄々としているだけでも良いのかもしれませんが、自分は台本を読んだときに少し違うものを感じたんです。
ーー作品を通して、キャラクターの生き様を表現するという気持ちなんですね。
宮澤:そうですね。先ほども言った通り、彼には地球のことをあまり知らないという一面があるので、人間社会に溶け込むまでの成長も含め、焔先斗の生き様を伝えていけたらと思っています。
ーー範道大也をはじめとしたブンブンジャーの面々と、どのような関係性を築いていくかも気になります。
宮澤:焔先斗は、これまでの『ブンブンジャー』にはいなかったタイプのキャラクターです。誰かと話していると、「こういう考え方もあるんだ」と気付かされる瞬間がありますよね。先斗が5人から学ぶことも沢山あると思いますが、いつか焔先斗の勢いが5人のプラスに働くときが来るかもしれません。あるいは役だけでなく、例えば、宮澤佑が井内悠陽の新たな一面に気付く瞬間もあるはずです。そういう良い影響を互いに与えていきたいですね。
ーー先斗の相棒であるビュン・ディーゼルも『ブンブンジャー』の物語全体に影響を及ぼす存在になりそうです。
宮澤:ビュン・ディーゼルは、先斗のお兄ちゃん的存在だと思っています。先斗が信頼を寄せている存在をひとり挙げるとしたら、間違いなくビュンディー(ビュン・ディーゼル)です。今後は彼と先斗の関係性が深堀りされていくので、楽しみにしていてください。
ーー花江夏樹さんが声を担当すると知ったときは、驚かれたのではないでしょうか?
宮澤:『鬼滅の刃』で竈門炭治郎を演じられていますが、僕もアニメは全話観させていただいているので、「炭治郎とお芝居できるの!?」とびっくりました(笑)。嬉しさがありつつ、「どういうものが生まれるんだろう?」というワクワク感もあって。
先日花江さんにご挨拶させていただいたのですが、本当に物腰の柔らかい素敵な方でした。アフレコも見学させていただいて、改めて「声優さんってすごいな」と。先斗とは一緒に演じるシーンが多いので、感慨深い気持ちでした。トップ声優さんと1年通してお芝居ができることは、今後の自分にとっても大きなプラスになると思います。
ーー先斗とビュンディーの掛け合い、楽しみにしています! お話を伺っていて、先斗は物語が進んでいくごとに、視聴者から愛されるキャラクターになっていきそうだと感じました。
宮澤:そうなったら良いですね。これまでの自分は悪役を演じることが多くて、何度もオーディションを受ける中で、実は少し諦めかけていた部分もありました。だからこそ、このタイミングでヒーローを演じる意味が必ずあると思うんです。
ーーヒーローとして、子どもたちの声援を直接聞ける機会が楽しみですね。
宮澤:ふと思ったのですが、子どもたちにとっての先斗は、“友達”のような感覚でも良いんじゃないかなと。子どもたちに「先斗!」と呼ばれたら、「どうした、お前ら!」みたいな(笑)。一見怖そうに見えますが、意外と親しみやすい男なので、子どもたちのなかでも、そういう存在になってくれると嬉しいです。
[インタビュー・撮影/小川いなり]
『爆上戦隊ブンブンジャー』作品情報
あらすじ
ある日、大也は宇宙から飛来したクルマ型宇宙人の「ブンドリオ・ブンデラス」と出会う。
愛称を『ブンブン』として大也との奇妙な同居生活をしている中、様々な星を襲う、大宇宙侵略大走力団「ハシリヤン」に属するトリオ幹部がやってきた!
人間の悲鳴エネルギー「ギャーソリン」を集めるため地球をターゲットとして人々を襲い始めたのだ。
大也は、情報集めのプロフェッショナル鳴田 射士郎、運転のプロフェッショナル志布戸 未来と共にブンブンジャーを結成!
その後、阿久瀬 錠、振騎 玄蕃が加わって5人となり宇宙からの脅威「ハシリヤン」と戦う。
クルマを巧みに乗りこなし、ヒーロー自らスーパーマシンを作り上げ、変形&ロボットに組み立てて対抗!
大胆不敵で超前向きなヒーロー誕生!
キャスト
(C)テレビ朝日・東映 AG・東映