『2.5次元の誘惑(リリサ)』天乃リリサ役・前田佳織里さんインタビュー|コスプレに心血を注ぐヒロイン・リリサと前田さんに共通する想いとは?
「妥協せずに突き詰めていけば、必ず何かが伝わると信じています」
ーー前田さん自身がリリサたちのように心血を注いで、情熱的になる瞬間はあるのでしょうか?
前田:リリサと共通している部分だと思うんですけど、私はキャラクター衣装を着てステージに経つ機会も多いんです。私がステージに立った瞬間に「あのキャラクターが本当にいる」ってファンのみなさんに思って欲しいんですよ。
ファンの方に「かおりんを見ていると役が憑依しているみたい!」と言っていただける状態が理想というか。前田佳織里ではなく、そのキャラクターが出演していると思ってもらえるように追求していきたいんです。
ステージ上でのちょっとした仕草まで研究したり、メイクさんに「目元は自分でやらせてください」とお願いして、そのキャラクターらしさが出るメイクを目指したり……。
それが私とリリサに共通したコアの部分だと思います。お芝居をしている時も、ステージに立っている時の気持ちも、「役と共にある」という感覚を大切にしているんです。劇中でリリサがリリエルになる瞬間も、私と同じような感覚だと思うので、なんだか2重のお芝居みたいになっていますね(笑)。
ーーリリサは共感できるキャラクターだったんですね。
前田:リリエルのコスプレをしてカメラの前でポーズを撮っている時、リリサは自分の存在意義を感じていると思うんです。私も一緒で、ステージや現場、業界が私の居場所だと思いながらお仕事をしています。やりたいことに対する執念が似ているのかなと。
リリサは時折鳥肌が立ってしまうくらいの執念を感じるキャラクターなので、私もそのくらいでやらないと伝わらないなと思います。
ーー作品を通して、前田さんの表現に対するこだわりも伝わると思います。
前田:伝わったら嬉しいですし、妥協せずに突き詰めていけば、必ず何かが伝わると信じています。自分と戦っている感覚というか。
ーー好きを追求した先に、辿り着きたい境地はありますか?
前田:あまりゴールは意識していないので、どこまでも行きたいですね。例えば、ステージに立つ際は、本番前に自分の中でやりたいこと、今回のパフォーマンスのコンセプトを決めるようにしています。「今ステージではこの壁を越えよう」みたいな。
最低限、みんなが楽しんでくれたらOKだと思いますが、そういった短期的な目標は常に持つようにしていますね。「目標は決めるけど、ゴールは決めない」みたいな感じです。
ーー本作で前田さんが見せるお芝居も楽しみにしています。最後に、放送を楽しみにしているファンの方々へ、お一言いただけますでしょうか。
前田:私自身リリサを演じさせていただきながら、今はファンとしても大好きな作品になりました。自分の好きなものに対してどう向き合っていくのか、また、好きなものが見つからない人にとってもグッとくる内容になっているんじゃないかなと。
キャスト陣がとても仲良しで、ご飯を食べに行ったりするんですが、その度に「早く観たい」と話していたので、遂にこの時が来て嬉しいです。私もオンエアを心待ちにしています。どの話数にも心が震える瞬間があると思うので、ぜひ最後まで楽しんでください!
[インタビュー・撮影・編集/小川いなり 文/タイラ]
『2.5次元の誘惑』作品情報
あらすじ
3次元の女子に興味無し! 漫画研究部部長・奥村は今日も部室でひとり、画面の向こうに映る愛してやまない2次元のキャラクター・リリエルの名を叫んでいた……。
そんな奥村のもとへやってきたのは「リリエルになりたい」という3次元女子・天乃リリサ。彼女は、漫画の中に登場する女の子のエッチで可愛い「衣装」が大好き。
そして、奥村に負けないくらいリリエルを愛する仲間(オタク)だった! 奥村に秘密の趣味がコスプレであることを明かしたリリサは、コスプレの写真や動画が詰め込まれた「ROM(ロム)」のコレクションを見せて伝える――。
「私っ……これを作りたいんです!!」
ふたりきりの部室で始まるコスプレ活動! リリサが変身(コスプレ)したリリエルは奥村が衝撃を受けるほど本物(リアル)で!?
熱意に押された奥村もカメラを手に!? 真摯に熱くコスプレに向き合う彼らが、「何かを熱烈に愛している」全てのオタクへ贈るコスプレ青春ストーリー、開幕!!
キャスト
(C)橋本悠/集英社・リリサ製作委員会