純の“割り切れない気持ち”に共感。翻弄されっぱなしの三角関係が開幕ーー『恋は双子で割り切れない』白崎純役・坂田将吾さん、神宮寺琉実役・後本萌葉さん、神宮寺那織役・内田真礼さんインタビュー

電撃文庫から刊行中の『恋は双子で割り切れない』がTVアニメ化！　2024年7月10日よりAT-X、TOKYO MXほかにて放送開始となります。

白崎純と琉実・那織の神宮寺姉妹は小さいころから家族同然で育った幼なじみ。特定の関係を持つでもなく交流を続けてきた3人の関係は、ある日、琉実が発した一言でいびつな三角関係へと変わっていきます。

放送を直前に控える中、白崎純役・坂田将吾さん、神宮寺琉実役・後本萌葉さん、神宮寺那織役・内田真礼さんにインタビューを実施し、作品やキャラクターの推しポイントについて語っていただきました。

純の“割り切れない気持ち”に共感

ーー原作や脚本をご覧になった感想を教えてください。

白崎純役・坂田将吾さん（以下、坂田）：タイトルや表紙を見て三角関係ものなんだとわかりましたけど、読んでみたら想像していた内容と全然違うものが飛び出してきました。かっこいい主人公を双子が好きになって、そこから話がこじれていく、みたいな展開を予想していたんです。

ーー本作は最初から関係を築いているところから始まりますものね。

坂田：そうですね。幼少期から好きという前提がありますからね。そんな設定に加えて、キャラクターたちの心情がわかりやすくも複雑に描かれていて、終始、純に共感しながら読めました。

神宮寺琉実役・後本萌葉さん（以下、後本）：私も最初は王道のラブコメなのかなと思ったんですけど、原作を読んでみたら想像よりも重く、切なくて。誰も悪くないのにみんな悩んでいるんですよね。

一同：うんうん。

後本：でもアフレコを通じて、キャラクターたちとの関わりの中で高校生らしさを感じることがたくさんあって。とにかく青春要素をギュッと詰め込んだ作品なんだなと思いました。

ーーラブコメで一括にするのは難しい作品かもしれませんね。内田さんはいかがでしょうか？

神宮寺那織役・内田真礼さん（以下、内田）：まず、オーディションの原稿に書いてあったセリフが難しすぎて、「この子はなにを言っているんだ？」と（笑）。那織はそもそも捉えどころのないキャラクターだったりもして、演じる身としては面白そうなキャラクターだと思いました。

そこから話を読み進めたら個性の違う双子がどちらも魅力的だなって。話が進むごとに、1話ごとに、ふたりとも好きになってしまう展開が訪れるので、本当に純くんの割り切れない気持ちが伝わってきました。

ーーご自身のキャラクターの第一印象を教えてください。

坂田：純くんは真面目で勉強ができて、そして優しい男の子です。その“優しい”は優柔不断と捉えることもできるので難しいところではありますが、等身大の男の子としての素直なところと、つい考え込んでしまう部分は魅力でもあるんじゃないかなと思います。

ーーたしかに、年齢的にも、双子との関係的にも、どちらを選べば良いのかと優柔不断になってしまうのはしょうがないのではないかと思いました。

坂田：そうなんです。そこは男の子として当然のことだと思います。

ーー琉実についてはいかがでしょうか？

後本：最初に琉実ちゃんのイラストを見たとき、すごくかっこいい子だと思いました。実際、スポーツができる活発な少女なんですよね。でも、いざ原作を読んでみたら“お姉ちゃん”という言葉に責任を感じているせいで幸せになりきれていないなって。それは家族思いな女の子だからでもあるんですけど、読者目線でどこか放っておけないと思わせる魅力を感じました。

ーー作中、常に思い悩んでいる節がありますよね。

後本：誰かさんのせいですよ！

坂田：こら、純！

一同：（笑）

ーーでは那織についてはいかがでしょうか？

内田：那織はサブカル少女というだけあっていろいろなことを知っているし、頭も良いので、作中、彼女の手のひらの上にいるんじゃないか？という瞬間が結構あるんですよね。もう彼女の思い通りに物事が進んでいるんじゃないかと思うくらいです。それとともに、思慮深く、人間としての深みもあるので、知れば知るほど好きになってもらえるキャラクターなんですよね。

でも、私が純くんや琉実だったら、と考えたとき、彼女と関わるのは大変だろうなって（笑）。きっと、視聴者のみなさんも振り回されっぱなしになります。その反面、10代らしい悩みに直面したりもするので、その人間らしさとともに好きになってもらえたら嬉しいです。

ーーあっけらかんとしているようで、内心はすごく考えている子ですよね。

内田：そうですね。頭の中に小説や映画の世界がバーっと広がっていたりして。しかも、アニメでもそこがちゃんと描かれているんですよね。

ーーそれ故にセリフも大変だったと……。

内田：「ダチュラとは？」から始まりましたから（笑）。

ーー（笑）。作中、映画や小説ネタ、難しい言葉が散りばめられていますが、みなさんピンときたものはありましたか？

内田：『スター・ウォーズ』のネタはよく使われていましたね。

後本：私は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』しかわからなかった……。

坂田：僕もわからないものだらけだったので元ネタは全部調べました。この作品はパロディネタみたいなものが、なにかを意味していたりするんですよね。元ネタを調べるとその真意に気付けたりして面白かったです。

ーー意外とキーワードだったりしますよね。

内田：あとこの作品は、いろんなところでオタトークが起こるんですよね。オタ友3人や友だちの亀嵩さん、父同士なんかも。それぞれの会話も楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。