夏アニメ『真夜中ぱんチ』真咲役・長谷川育美さんインタビュー|真咲は人間味のある最高の主人公!「この子を演じるのは、ただただ楽しかったです」【スタッフ・声優インタビュー連載第4回】
P.A.WORKSの『パリピ孔明』スタッフが贈る、オリジナルTVアニメーション『真夜中ぱんチ』が2024年7月8日(月)より放送開始となりました。
世界でもっとも見られている動画投稿サイト「NewTube」で活躍する3人組NewTuber「はりきりシスターズ」の「まさ吉」こと真咲は、とある事件がきっかけでチャンネルをクビに。 起死回生を狙う真咲の前に現れたのは、なぜか彼女に運命を感じたヴァンパイアのりぶ。
超人的な能力を持つりぶと一緒なら、最高の動画が撮れるはず……? チャンネル登録100万人を目指して邁進していく、ワケあり動画投稿者たちのハイテンション・ガールズ“再生”ストーリーです。
アニメイトタイムズでは、スタッフ&キャストのインタビューを連載中。第4回は真咲役・長谷川育美さんです。本作の主人公である真咲は、「はりきりシスターズ」の「まさ吉」として活動していた動画投稿者。動画制作に命を捧げ、企画、撮影、編集を一手に担っていましたが……?
衝撃の展開が繰り広げられた第1話を振り返りつつ、どのような想いで真咲役に挑んだのかを伺いました。
「いや、ちゃんとクズなんですよ」って(笑)
──いきなりなんですけども、真咲、最高の主人公ですね……!
真咲役・長谷川育美さん(以下、長谷川):最高ですよね!(笑) もう本当に最高。人間味があって大好きです。
主人公じゃない役どころであれば、これまで見たことのあるタイプだと思うんです。でも、主人公がああいうキャラクターというパターンはあまり聞いたことがなかったから、最初は「本当に大丈夫かな」って思いました(笑)。何か誤解があってこういうキャラになってるんじゃないかって。だって、主人公ですから(笑)。
──主人公が初っ端から殴り込みにはいかないだろうと。
長谷川:そうなんです。だから、たまたま炎上しちゃっただけであって、本来の意図じゃなかったとか、映り方が悪かったから殴ってるように見えてしまったとか……そういうことですか?とスタッフの方に聞いたんです。そうしたら「いや、ちゃんとクズなんですよ」って。今までクズ役を演じたことがなかったんですよ。
──そうですよね。長谷川さんが演じられてきたキャラクターはどちらかというと……。
長谷川:まっすぐなんです。芯があって真面目でいい子。そういう子たちを今まで演じていたので、こういうタイプは本当に初めてですね。
──事前のキャストコメントでは「自分にとっては初挑戦の役柄でしたが、真咲として生きる時間はほんっっっとうに楽しかったです!」と寄せられていましたものね。
長谷川:これまで受けてきたキャラクターの中でも、なかなか「クズです」という説明を受けることはなかったので衝撃的で。本当に気持ちが良いなと。
オーディションの段階ではまさかここまでとは思っていなかったんです。でも、第1話の酔っぱらってるシーンのセリフが入っていたので「いろいろ様子がおかしいな……」とは思っていました(笑)。面白そうなキャラだってことは、オーディションの段階からめちゃめちゃ伝わってきましたね。「絶対やってみたい!」と思っていました。
──それは真咲というキャラクター性に惹かれて?
長谷川:そうですね。やったことがないキャラクターは基本的に挑戦したいと思っていて。それに加えて、私はあまりコメディ作品も今までやったことがないんです。作中でギャグシーンがあるものは経験していますが、「コメディ全開です!」という作品は今までご縁がなかったので、オーディションの段階から絶対やりたいって。だから真咲を演じることができてめっちゃ嬉しいです。オーディションを受けていたのも真咲だけだったので。
──じゃあ、合格の連絡が来たときには……。
長谷川:「やった! 真咲を演じられる!」って思いました。オーディションのときはセリフが少なかったんですよね。しかもこの子は主人公ということもあって、本編では結構喋るんです。長く喋れるのも楽しくてしょうがなくて。
──その視点で考えたことなかったですが、確かに真咲役は楽しそうですね!
長谷川:ほんっとうに楽しいですよ!(笑) メインキャラをアニメーションで演じさせていただく時は、やはり緊張感や不安がつきものなんですけども、正直、真咲に関しては「楽しい」以外の気持ちがなかったです。ただただ楽しかったです、この子を演じるのは。
──座長という立場にもなるわけですが、そこに関してはいかがですか?
長谷川:安心感のあるメンバーでもあったので、何も気負わず収録に臨めました。ありがたかったです。ファイちゃん(りぶ役・ファイルーズあいさん)は同じ事務所で、一応後輩ではありますが、もう信頼しかなくて。
レギュラーのメインキャラ同士としてがっつり共演するのは、数年ぶりだったんです。私がテレビアニメのレギュラーに初めて受かったのは、ファイルーズあいちゃんが主役の『推しが武道館いってくれたら死ぬ』でした。だいぶ時間は空きましたけど、また共演できてとても嬉しく思います。
──キャスト陣も個性的ですよね。
長谷川:本当に! わりと若手の層が多い中で、ゆき役の茅野愛衣さんが締めてくれるというか。すごく安心感があります。ゆきは真夜中ぱんチの面々と対立しているような立ち位置にいるキャラなので、キャラ的にも引き締まるんですよね。しかも、 締めつつも、別の面も出せるところに、大先輩の技を感じます。本当に素敵な先輩です。
──きっと現場は和気あいあいとした雰囲気だったんだろうなって。
長谷川:そうですね。いつもファイちゃんが何かしら、面白い話をしてくれていて「へ〜、そうなんだ!」って盛り上がって。話の中心にファイちゃんがいてくれるイメージです。
──長谷川さんはどうですか?
長谷川:そこに乗っかってただけですね(笑)。私はあまり自分の話をするタイプではないので、そうやって積極的に話の種を出してくれる人がいると本当にありがたいです。
──そういう意味では、真咲にシンパシーを覚えるところはありましたか?
長谷川:どうでしょう? ……この子、どうなんだろうなあ(笑)。でも演じやすさはめちゃめちゃ感じていましたね。でも「真咲と私、似ているところがあるんです!」って言ったら、アレですよね……?(笑)
──いやいや! 第1話の段階ではもしかしたら「えっ」と思う方もいるかもしれませんが、きっと、これから……!
長谷川:(笑)。でも私も結構口が悪いんですよ。だからセリフの言いづらさは全くないですね。もちろん、普段から「死ね!」とかは言わないですよ(笑)。先ほどもお伝えした通り、これまで演じてきたキャラクターは真面目な子が多かったのですが、私自身の中身は割と男っぽいところもあります。
──今お話を聞いててそう思いました。ものすごくサバサバしていて、素敵だなって。キャラクターとの違いに驚かれることもあるのではないでしょうか。
長谷川:そうですね(笑)。ラジオに出演すると「全然違うやん!」「声、低い!」って。そう言われてみたら、今までのキャラに比べるとわりと近い感じではあるかもしれません。
──ギャップがあるところっていう意味でも、真咲と似ているような気がします。
長谷川:そうですね。真咲は人間臭いキャラクターなので、ちゃんと落ち込むし、食らうところは食らうし……。きっと私だけではなく、見てくださる方は皆さん、そういう一面があると思うんです。案外、真咲には共感できる部分が多いかもしれません。
──作中ではネットに書き込まれた文字が浮かび上がってくる演出がありましたが、SNSをやっている人は誰もが分かる気持ちなんじゃないかなって。
長谷川:わかりますね。私はSNSはやってないですが、人前に出る仕事ということもあって、エゴサをすることはあるんですよ。だから余計に共感するところがあります。しかも真咲自身は結構好き放題言うじゃないですか。セリフじゃなければなかなか言わないことも多いので、楽しいな〜!って思ってます(笑)。