『ATRI -My Dear Moments-』連載第3回:小野賢章さん(斑鳩夏生役)|アトリと出会って夏生がどう変化していくのかに注目!
2024年7月より放送中のTVアニメ『ATRI-My Dear Moments-』。アニメイトタイムズではその放送に際し、メインキャストのみなさんへインタビューを実施しています。第3回目は主人公・斑鳩夏生役の小野賢章さんです!
小野さんが演じるのは原作ゲームでは声の付いていないキャラクターということで、今回は自身の演じる夏生やヒロイン・アトリの印象を中心に伺いました。また、女性キャラクターの多い現場も珍しいとのことで、その点について普段との違いなどもお話いただいています。
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アニメ『ATRI -My Dear Moments-』ノンクレジットOP映像
どのように演じたら夏生が冷たい印象に見られないかは常に考えていました
――まずは夏生役に決まるまでの経緯やオーディションでのエピソードを教えてください。
斑鳩夏生役・小野賢章さん(以下、小野):オーディションは、テープからスタジオに進むいつも通りの流れでしたが、決まるまでがかなり早かったです。普段はオーディションを受け少し期間を空けてから連絡を受けることが多いのですが、この作品は1日〜2日後には連絡が来ました。
オーディションでは、いただいた資料から夏生というキャラクターを想像して補完しました。原作ゲームがある作品なので、チェックしておいたほうがやりやすいのは間違いないのですが、今回は資料と想像だけで演じ、決めて頂きました。
夏生の第一印象は、過去の出来事からトラウマを持っているので、色々な事に対して上手くいかないと思っているのではないかというところでした。大きいのは足が不自由なことで、そこがフラストレーションになっていくのかなとも思いました。普段演じているキャラクターの時より、走ったり屈んだりのアクションは負荷がかかるのだろうなと考えたので、そのあたりの息遣いは意識して演じています。
実際のアフレコでは僕以外のキャストの皆さんはゲームから続投されているので、第1話や第2話の時にどんな物語なのか詳細を聴いたりもしましたね。加藤誠監督もとても作品に対して熱心な方なので、色々話をしながら収録を進めました。
――夏生を演じる際に意識していることはありますでしょうか?
小野:前半部分は周囲にあまり心を開いていないことでしょうか。アカデミーに行ってまでやりたかった事に挫折して、島に戻って来たけれどその夢を捨てきれず悶々としているような状態であることを意識していました。このひとりで抱え込んでしまう一面は割と共感できるなと思っています。
あとはアトリへの接し方です。彼女はヒューマノイドではありますが、見た目は人間と遜色がなく割と幼い容姿をしているじゃないですか。けれど夏生は、そんなアトリをヒューマノイドだと認識した上で接しているので、結構言葉が強かったり扱いが雑だったりするんです。
やはり声が付くとリアルさが増すので、印象として夏生が冷たい奴、酷い奴に見られないかは常に考えていましたね。
――言葉は鋭いものの不思議と棘を感じない印象でした。
小野:だとしたら良かったです!
――スタッフ陣からのディレクションで印象に残ったものはありますか?
小野:今後は夏生も島の周囲のみんなとだんだん打ち解けていき、やりたいことが定まってやる気を出していきます。ですが、その過程で音響監督から「役がちょっと明るくなりすぎている」とアドバイスがあり、まだ明るくなるには早かったかと思ったことが印象に残っています。
また、アトリをみんなで可愛くしようという空気を現場では感じています。色々なディレクションが飛んでいて、赤尾さんがそれを頑張って表現しようとしていました。やっぱりこの作品はアトリが鍵になりますし、彼女が可愛くなればなるほど作品全体が華やかになっていく印象があるんです。
夏生が暗い面が多い分、その対比としてアトリを明るく元気にすることを作品として目指しているのかなと何となく感じています。