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『異世界失格』メロス役・木野日菜インタビュー【連載第4回】

アネットじゃなくてもセンセーに惚れる気持ちがわかる!? メロスの喜怒哀楽を「キ」の一音で表現する難しさは? 夏アニメ『異世界失格』メロス役・木野日菜さんが活躍を見せた第4話を振り返る【インタビュー連載第4回】

木野さんの印象的な文豪は芥川龍之介。その理由とは?

――ところで木野さんは文豪の作品を読んだりされますか?

木野:され……ないです(笑)。「文豪とはなんだろう?」と調べたくらい疎くて。でも何か作品を思い浮かべなきゃと記憶を一生懸命たどっていったら、学生の時に国語の教科書で読んだ、芥川龍之介さんの『羅生門』を思い出しました。当時、読んだ時に「何?この物語は!?」と鳥肌が止まらなくなるほど怖くて。物語の内容よりも怖かったという記憶が今でも鮮明に残っています。ただ、「今、もう一度、読んだらどう感じるのかな?」とも思ったりします。

――生きるために盗賊になろうとした男がある老婆と出会って決心を固める話で、怖いけど深いと思います。

木野:そうなんですか?じゃあ近いうちに読んでみて、おばあちゃんになったらまた読んでみたいと思います(笑)。

――ちなみに鈴代さんも文豪の作品はほぼ読んだことがなくて、読んだのは夏目漱石の『こころ』くらいと言っていました。

木野:私も読んだことがあります。学校の教科書に載っていたので。

――文豪作品ではなくても読書はお好きですか?

木野:読むのはエッセイが多いですね。あとは絵本が好きで、たくさん買っています。

――では前回登場の鈴代さんからのオススメの本……というよりは、読んでみたい本と今読んでいる本をご紹介させていただきます。まず樋口一葉の『たけくらべ』で、下記のようにコメントいただいています。

「少女が大人になるまでの過程を繊細に描いた作品だと何かに書いてあって。文豪の作品はちょっと難しいイメージがあるけど、この作品はラノベでもおかしくないような内容なのかなと気になっています」

木野:全然知りませんでした。樋口一葉さんって、五千円札にもなっている方ですよね。私も文豪の作品は確かに難しそうだなと敬遠していましたが、鈴代さんの紹介文を聞いて読んでみたくなりました。

――2冊目は、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ作の『星の王子さま』とのこと。木野さんも多分ご存知では?

木野:そうですね。小さい頃に読んだことがありますが、今読んだ時では全然違う印象になるのかなと思います。

――そして3冊目は今読んでいる本で、『売れるコピーライティング単語帳』。

木野:えっ!? 何ですか? ちょっと調べていいですか?

(スマホで検索する木野さん)

木野:あっ! あった! ビジネス書ですね。

――鈴代さん曰く、「私、台本を読むのにもめちゃめちゃ時間がかかるタイプなんです。あと話す時も1を言いたいだけなのに、5くらい言っちゃうんですよね。言葉を知らなさ過ぎてこの本を買いました。コピーライティングの本ですが、1つの言葉でキャッチーで印象に残る言葉が載っているので、ためになります」とのことでした。

木野:すごい! 私も読みます! 私も最強のひと言を言ってみたいです。

――では、次回に登場するニア役の小市眞琴さんへオススメの本のご紹介をお願いします。

木野:絵本になりますが、レオ・レオニさんが描かれた『ペツェッティーノ』(訳:谷川俊太郎)がすごく好きです。「ペツェッティーノ」はイタリア語で「小さなかけら」という意味で、翻訳の谷川さんは「ぶぶんひん」と訳されていました。

オレンジ色のかたまりが主人公で、他のいろいろな色が付いた生き物たちは大きくて、自分は一色だし、小さかったため「自分は誰かのぶぶんひんなんだな」と思って、自分が誰の「ぶぶんひん」なのか探すための旅に出ます。

いろいろな人に「僕はあなたのぶぶんひんですか?」と尋ねるものの、「もし自分に欠けているところがあったらこんなことできないだろ?」と言われて……そしてペツェッティーノが旅の末に見つけたものとは?……という自分探しの絵本です。

それが幼い頃から「自分には何もできないな」と思っていた気持ちとリンクして、「こんな自分でもいんだ!」と気付かせてくれた本なんです。出会った時から今に至るまで忘れることができない大切な一冊で、生涯読み続けたいと思っています。

そしていつか子供ができた時に読ませたいと思いますし、おばあちゃんやおじいちゃんにも、たくさんの人にも読んでほしいです。もしまだ読んだことがなかったり、興味を持ってくれたら読んでみてください。

今後登場するキャラの内面を掘り下げてみたらもっと楽しめるかも。メロスが男の子らしいところを見せるエピソードもお楽しみに

――では改めて本作の見どころについてお聞かせください。

木野:人の一面性や他者からの印象など、レッテルみたいなものではなくて、本当の心の内を見せてくれるような作品ではないでしょうか。キャラの見え方も最初とその後では変わってきますが、それは現実世界でもあるし、自分自身が固定概念や意識に囚われていたことに気付かせてくれる内容になっていると思います。心に悩みや苦しい過去を持っている転移者が今後も登場してきますが、最初の印象だけではなく、「本当はどんな人なんだろう?」と想像しながら見ていただくと、更に楽しんでいただけると思います。

あと、メロスはかわいいだけではなくて、「男の子なんだぞ」という部分も見せてくれるシーンが今後出てきますので、楽しみにしていてください。「キ」だけで表現している私の頑張りを、ちょっとでも思い浮かべてもらえたら嬉しいです(笑)。

――では皆さんへメッセージをお願いします。

木野:ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。『異世界失格』は毎話ごとに一つの物語が紡がれていて、まるで素敵な小説を読んでいるような充実感あふれるアニメになっています。老若男女問わず、いろいろな方に楽しんでいただけたらと願っています。

センセーが出会う人たちは様々な境遇や過去を持っていて、1人の物語や悩みが解決するのを見ると、心が温かくなってきます。学校や会社などで落ち込んだり、ストレスがたまった方はこのアニメを見て、ぐっすり寝てリセットして、新しい1日を迎えてください。メロスとしても皆さんを癒せるように、「キ」のひと言に想いを込めて頑張りますので、これからも引き続き見てくださいね。

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『異世界失格』作品情報

異世界失格

あらすじ

とある文豪と、その愛人がこの世を去った。

憂い多き人生の如く渦を巻く激流へと身を投げ...るよりも早く、猛スピードで突っ込んできた〝例のトラック〟によって。

文豪が目を覚ますとそこは、異世界の教会。案内人は、慈愛に満ちた瞳で微笑みかける。

「ようこそ冒険者よ。あなたは選ばれ、転移したのです」

御多分に洩れず、勇者の使命を背負わされてしまう文豪。だが、彼は転移者の誰もが与えられる〝あるもの〟を持たなかった......。

「...ふふ。恥の多い生涯だ」

この世でも、異世界(あの世)でも <失格者>の烙印を押された文豪(センセー)の冒険が幕を開ける。

きっと、どこかにいるはずの「さっちゃん」を見つけ出し、今度こそ、あの日の本懐——心中を遂げるために。

キャスト

センセー:神谷浩史
アネット:大久保瑠美
タマ:鈴代紗弓
ニア:小市眞琴
メロス:木野日菜
ウォーデリア:悠木碧
イーシャ:中原麻衣
ヴォルフ:島﨑信長
スズキ:岡本信彦
カイバラ:小野大輔
ユリコ:小原好美
センゴク:杉田智和
さっちゃん:上田麗奈
シャルロット:水瀬いのり
トマス:茶風林
オットー:福山潤
コータロー:松岡禎丞
タキシードの男:小西克幸
エルトン:三宅健太
ミラー:飛田展男
アリア:会沢紗弥
教皇:子安武人
エッシェ:能登麻美子
ヤマダ:内田雄馬
サイトウ:青山穣
トオル:興津和幸

(C)野田 宏・若松卓宏・小学館/「異世界失格」製作委員会
(C)野田 宏・若松卓宏・小学館/「異世界失格」製作委員会
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