お互いの凄いと思うところは「爆発力」「役として普通にそこに立っていること」高田将司さん×浅井宏輔さんインタビュー|一度夢や目標に到達したお二人が次に目指すものとは?【スーツアクターという仕事:連載 第3回】
夢や目標に到達したからこそ、もう一度レッドを目指したい
──本企画は連載となっており、前回の五味さんと坂梨さんから質問を預かっています。
■坂梨さんより「ここ最近で一番嬉しかったことは?」
浅井:昨日95歳のおばあちゃんに会えたことですかね。
高田:いいねー!
浅井:お仕事の関係で、実家に帰らせていただいたんです。なかなか、半年に1回くらいしか会えないので。
高田:僕は、撮影が早く終わって、野球を初回から見られたことですね!
──続いて、五味さんからの質問です。
■五味さんより「お互いライバル意識を感じた瞬間は?」
高田:浅井くんが先にレッドをやっているので、やっぱり凄いなと思います。ライバル意識っていうより、ヒーローのスタートが一緒なので、3年目でレッドをやっているのは凄いなと思いましたね。
浅井:それはもうパトレン1号で立っているときですよ!(笑)
ライバル意識というより、自分にない真逆のものを持っているんですよね。高田JAPANにしてもそうですけど。仲間から信頼を得て、みなさんを引っ張る人柄が凄いなと思いますね。敵視したことは、やっぱりパトレン1号だけですかね。
高田:あれはしょうがない(笑)。
浅井:しょうがない(笑)。
──今回、事前にユーザーから質問を募集したところ、沢山の応募がありました!
■ポパイさんのお弁当(※)の、好きなおにぎりの具材と、好きな選べるおかず、を教えてください。(やまにうえした)
※:朝のロケ弁の定番、おにぎりのポパイ「おにぎり弁当」のこと。おにぎり2つと沢庵漬けとおかず(からあげ・ゆでたまご)が入ったお弁当。
高田:撮影の空き時間で、ポパイで打順考えたことありますよ!(笑) 僕はちまきとツナマヨですね。最近はもうおじさんだから卵を食べているんですが、本音を言ったら唐揚げです!
浅井:同じですね。僕は基本的に家で朝ご飯を食べていくんですが、たまに食べるときはちまきがあったら絶対食べるんですよ。ちまきが好きですねえ。
■甘いものがお好きな浅井さん、いつもスレンダーですが太ることはないのですか?また、今1番ハマっているスイーツやお菓子はありますか?(あき)
浅井:スレンダー……。でも、びくびくしながらお菓子食べていますからね。
──太ったりしないんですか? 体型が変わらないようなイメージです。
浅井:いやでも、ビビりながら食べています(笑)。40になったので、ここからちょっと怪しいなと(笑)。
みたらし団子が好きですね。でも好みの味が中部圏に寄るんですよ。こっちのは甘辛くないので。あとは五平餅とか大判焼きが大好きです。
■つぶあん派ですか、こしあん派ですか(あーにゃ)
浅井:つぶあん派です(笑)。
高田:こしあん派です(笑)。
■高田さんはビールがお好きだと思いますが、ビールを飲むためにどれくらい動いてるんですか?スタイルがよくて羨ましいです(やひろ)
高田:動いていないので太っています。
──いやいや(笑)。
高田:バレないように、腹へっこませてます。以上です(笑)。
■体が資本のお仕事なので、食事にも気を遣っている方が多いのではと思っています。食に対するマイルールのようなものはありますか?(るりこ)
高田:お菓子は食べないですね。三食ご飯、普通に食事して間食とかは全然しないですね。現場でも差し入れがあったりするんですが、食べないですね。その代わり、お酒飲んでご飯めっちゃ食べちゃいますね。
浅井:僕は逆にお菓子を食べる分、お酒を飲まないですね。
■猫と犬どちらが好きですか?(あき)
高田:犬ですね。昔、実家で犬を飼っていたんです。
浅井:僕も犬ですね。ウサギとハムスターも飼っていました。小学校のとき、飼育委員の委員長だったんですよ。
高田:あー! なるほど。俺、給食委員だった!
一同:(笑)
■皆さんの得意なアクション、苦手なアクションがございましたら、お聞きしたいです。(トウフとゴッカンのハーフ)
高田:見本がある方がやりやすくて。銃だったら銃のアクションの映画を見れば、いっぱい練習出来たりするんです。形があるので。逆にそうじゃないのが苦手ですね。お手本がないキャラクターの方が難しいです。あとアクロバットはとにかく出来ない。
浅井:得意なのは、仮面ライダーBLACKの名乗り! 次郎さん(岡元次郎さん)の前では怖くてできない(笑)。ただ、趣味で鏡の前で3時間は練習しました。
高田:それを言ったら、俺もヴァン・ダムの物真似! あれだけ綺麗に蹴りとかはできないですけど、でも、ポーズの物真似はすごくやっています。
──高田さんへの質問です。
■当方プロレスファンでもあります。戦闘シーンでちょいちょいモンゴリアンチョップやレインメーカーなど、プロレス技を入れてくるのはアドリブですか?(〆鯖)
高田:基本全部こっちで入れているアドリブですね。あとは撮影現場の兵隊(敵の戦闘員のこと)の人次第ですね。「今日は軽い子がいるから、投げ技やってみよう!」とか、「今日は先輩が多いから……チョップでいいや」とかそういう感じ(笑)。
──続いて、浅井さんへの質問です。
■重心をかけた低姿勢からの、瞬発力をかけたダッシュジャンプ攻撃が特に好きです。瞬発力を出す秘訣がありましたら是非教えてください(ひうが)
浅井:走り込みをずっとしていました。やる瞬間の爆発力は大事にしようと思っています。30代くらいまでは、坂道ダッシュをしていましたね。坂道を抱え込みジャンプを10回した後、6歩だけダッシュして、そこから20メートルくらい行くというのを10本くらい、週に3回くらいしていましたね。
■役に憑依されたような立ち姿やアクションと、普段の優しくにこやかな人柄とのギャップにキュンとします。浅井さんの、役に入り込むスイッチはなんでしょうか(やのピング)
浅井:そう見えているんですね……アクションと普段……(思案中)
「本当は優しくないです」って書いといてください(笑)。
高田:スイッチを切り替えていないと(笑)。
一同:(笑)
浅井:逆にそう言ってもらえるのは嬉しいですね。それはきっと、そのキャラクターに見えているということだと思うので。自分は自分に見えちゃうんですが、声優さんにしても俳優さんにしても、その方の声が入って、ファンの方から見てヒーローに見えているなら、そんな嬉しいことはないですね。自分がBLACKを見ても次郎さんって思わないように、そう見えているなら嬉しいです。
──最後に、今後やっていきたいことや、やってみたい役があれば教えてください。
高田:仕事がいただければ、役自体は本当に何でもいいですね。特にそこはこだわっていないので。個人的には高田JAPANの活動をやっていきたいですね。仕事と違うところで楽しくやって、お客さんがついてきてくれたら嬉しいなと。継続するには仕事をちゃんとしなきゃいけないので、両方うまくやれるように頑張ろうかなと思います。
浅井:今、そうですね……。火が消えかけているので。正直な話、もう一回火がついたらいいなと。
──それは、やる気の話ですか?
浅井:有難いことに、ライダーにもなれると思っていなかったんです。TVのレッドに憧れただけで、仮面ライダーなんて夢のまた夢だと思ったものになれたので。自分としては東映の特撮って頂点だと思ってきたので! 一通り経験させてもらったなかで、どこにいっていいかわからなくなったのと、気持ちの部分で火が消えちゃって(笑)。
昔だったら目標があったので、違うことをしていてもがむしゃらに「ここにいこう!」という「これ」のためにしていたものが、ポンとなくなっちゃったんですよね。……これ、真剣な悩み相談ですね(笑)。
──ファンからすると、浅井さんがレッドやライダーを続けてくれたら嬉しいと思いますが……。
浅井:森くんとか見ていると、やっぱりかっこいいですよね! 時代と共に。昔だったら福沢さん(福沢博文さん)のレッドを見て「次は……!」となって、レッドの横でグリーンでいるときに「なんでグリーンなんだよ」みたいなのがあったんですよ(笑)。
「くそっ!森くんやってるのか!もう1回やりたいな」って気持ちになったら、そのときが面白いかなと。夢や目標に到達したからこそ、強いて言うなら、もう一度レッドを目指せるようにしたいですね。
──また浅井さんのレッドが見られる日が楽しみですね!
浅井:さっき「嬉しかったこと」の話をした後に思い出したんですけど。僕、高校2年生のときの担任の先生に、進路相談で「仮面ライダーになりたいです」と言って。その先生がバカにせずに「なれるよ!」と言ってくれたんです。それがある意味で始まりだったんです。
10年くらい会っていなかったんですが、どうしても火を起こすにはそこじゃないのかなと思って、愛知に戻ったときに調べて先生に会いに行ったんです。先生が変わらず教師をやっている姿を見たときに、続けることの凄さに感動して「よし、頑張らないとな」と思えたんです。先生が、まだ先生をしていたことに「まだまだ自分、ここからもう1回火をつけないといけないな」と思えたことが嬉しかったですね。
──これからもお二人の活躍を見続けたいですね! 本日はありがとうございました!