スーパー戦隊と仮面ライダーに出演する二人の対談が実現! 永徳さん×森博嗣さんインタビュー|印象的なポーズは、スーツを着たときの「ひらめき」から生まれる!?【スーツアクターという仕事:連載第1回】
様々な特撮作品、ヒーローショーで活躍するスーツアクターさん。目にする機会は多いものの、その仕事内容についてや、どんな苦労があるのかなど、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回アニメイトタイムズでは、「スーツアクターという仕事」と題して、業界の第一線で活躍している方へのインタビュー連載を実施!
記念すべき第1回は、『仮面ライダーガッチャード』にて「仮面ライダーガッチャード」を演じる永徳さんと、『爆上戦隊ブンブンジャー』にて「ブンレッド」を演じる森博嗣さんのお二人が登場。
スーツアクターを志したきっかけや、好きな特撮作品、印象的なポーズを生み出す秘訣などさまざまなお話を伺ったほか、事前にユーザーから募集した質問についても回答していただきました。
プロフィール
■永徳 えいとく(写真右)
1月16日生まれ。身長177cm。
2004年「特捜戦隊デカレンジャー」デカブレイクから各種レギュラーヒーローを担当、その演技力に定評があり人気者。現在絶賛放映中の「仮面ライダーガッチャード」では主役の仮面ライダーガッチャードを演じる。
映画「仮面ライダー THE SUMMER MOVIE 2024/仮面ライダーガッチャード&爆上戦隊ブンブンジャー」も絶賛公開中。ファンクラブ「E-TALK」にて配信なども行っているので気になる方は要チェック!
https://x.com/eitoku8109
■森博嗣 もりひろつぐ(写真左)
10月20日生まれ。身長180cm。
2022年「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」ソノイ変身体や「王様戦隊キングオージャー」トンボオージャーにて人気を集める。現在絶賛放映中「爆上戦隊ブンブンジャー」で主役のブンレッドを演じる
。映画「仮面ライダー THE SUMMER MOVIE 2024/仮面ライダーガッチャード&爆上戦隊ブンブンジャー」も絶賛公開中。
https://x.com/Hirotsugu_red
森さんがスーツアクターを志したきっかけは「ヒーローを1年間の期限付きではなく、ずっと演じ続けたいから」
──初めにお二人の出会いや関係性についてお伺い出来ればと思います。
森博嗣さん(以下、森):僕は覚えていますよ! 一方的にですが。『199』(『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』)の撮影のときに、デカブレイクをやっていたのが最初です。
僕が事務所に入る前、仙台から東京に撮影に来ていて兵隊(敵の戦闘員のこと)をやっていたときで「永徳さんだ……」って記憶しかないです(笑)。
永徳さん(以下、永徳):明確に「ここで認識した」っていうのは覚えていないんですが、森くんがよく撮影に参加するようになって、「陽気な子だな」という認識があったんです。
面白い子だなって、魅力を感じていていました。それで、いつの間にか喋るようになりましたね。
──どんなお話をされるのですか……?
永徳:元々特撮番組が好きで、森くんが「特撮でこのときの、こういうのがあるんですよ」とか、僕が(スーツアクターを)やる前の昭和の特撮の話をしますね。森くんが昭和の特撮に詳しいので「森くん、その頃いないよね?」って。
森:いないいない(笑)。
一同:(笑)
──その流れで、この世界に入ったきっかけと、幼少期に好きだった特撮ヒーローについて教えてください。
永徳:僕が入ったきっかけは小さいときから特撮番組を見ていて。でも小学校に上がるぐらいから見なくなるじゃないですか、男の子って。「なんだよ、まだそんなの見てるのかよ」って言われるような時代だったんですよ。みんなには話せないけど、一人で家に帰ってテレビをつけて特撮番組をずーっと見ていたんです。あの時代ってゴールデンタイムに特撮ヒーローをやっていたので見る機会も多くて。
やっぱり一番は『宇宙刑事』ですね。当時は大葉健二さん演じる『宇宙刑事ギャバン』にどハマりしちゃって。今だと「人として」という解釈になるんですが、当時は「男っつーのはこういうもんだ!」ということを教えてもらったなと思っています。
そこから二十歳超えたくらいの「将来どうしようか」と迷う時期に、実家の家業の酒屋を継ごうかなみたいな……。そのときに「自分って一体何をやりたいんだろう?」と思ったんです。小さいときに特撮が好きだったなっていうのがあって。じゃあ「二十歳を超えてるけど一回やってみよう!」と思い探し出しました。
──二十歳を超えてからこのお仕事を始めるのは遅い方なんですか?
永徳:今だったらトレーニングだったり、サプリが発達しているので肉体的に取り戻せるのですが、僕が二十歳くらいの頃はスポーツ選手って三十歳前後で引退するイメージがあったので、10年の間に何が出来るんだろう、どれだけ稼げるんだろうと思ったんですが、1回やってみないと後悔も出ないだろうということで。それで始めたのがきっかけですね。
森:僕は『カクレンジャー』『オーレンジャー』『カーレンジャー』が世代で、めちゃめちゃ好きでしたね。
──森さんは新堀和男さん(※)が演じるスーパー戦隊のレッドがお好きだと聞きました。自分の世代より前の作品を見るきっかけがあったのでしょうか?
※:新堀和男(にいぼり・かずお)。『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャーから『鳥人戦隊ジェットマン』のレッドホークまでの歴代レッドのスーツアクターを務める。現在は株式会社レッド・エンタテインメント・デリヴァー代表取締役社長。
森:おばあちゃんの家に行ったときに、よくレンタルビデオを借りて見ていたんですよ。
新堀さんを知ったのは高校生くらいで、作品を見ていると「この名前、よく見るな」と。スーツアクターという概念はなかったんですが、「中の人が別にいる」というのはわかっていたんです。
僕のきっかけは小さい頃から特撮が好きで、誰しも「変身前をやってみたい」って概念があると思うんですよ。もし奇跡的になれたとしても、一年間しかやれない。「ずっとやりたいってなったらどうするんだろう? 中に入ればいいんだ!」とそれだけの理由です(笑)。
──確かに。1年間だけでなく、ずっと演じられるのは中の人ですよね!
永徳: その考え、なかったわ(笑)。
一同:(笑)
森:僕はおもちゃとかロボを買ったり、集めたりするのが好きなんですけど。だったらオタクのなかでも上位に立ちたいんで、自分がやったやつを……。それはもう誰にも真似できないだろうと。自分の部屋に、演じたキャラクターのフィギュアやおもちゃを飾るスペースを作っています。
──そこは発想が特撮オタクなんですね(笑)。では、今年レッドを演じられるのは嬉しいですね!
永徳: 買うグッズも増えるね!
森:そうなんですよ。周りのみんながくれたりするんです。「これ、当たったからあげるー!」みたいな。