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『ATRI』髙橋ミナミが印象に残っているのは初登場時のある台詞【連載第5回】

『ATRI -My Dear Moments-』連載第5回:髙橋ミナミさん(神白水菜萌役)|初登場時の「ナツくん、学校に行こう!」はとても印象に残っています

2024年7月より放送中のTVアニメ『ATRI-My Dear Moments-』。アニメイトタイムズではその放送に際し、メインキャストのみなさんへインタビューを実施しています。第5回目は神白水菜萌役の髙橋ミナミさんです!

今回髙橋さんには、自身の演じる水菜萌や、水菜萌が想いを寄せる主人公・斑鳩夏生との関係性についてを主に伺いました。

また、収録現場での他の出演声優陣とのエピソードは、読んでいるだけでもアットホームな雰囲気が伝わってくることでしょう。ぜひ放送にあわせて目を通してみてはいかがでしょうか!

 

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ATRI -My Dear Moments-
原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生は、都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。身よりのない彼に遺されたのは、海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。夏生は“失った未来”を取り戻すため、祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。そこで見つけたのは、棺のような装置の中で眠る不思議な少女――アトリ。彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。海底からサルベージされたアトリは言う。「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。それまで、わたしが夏生さんの足になります!」作品名ATRI-MyDearMoments-放送形態TVアニメスケジュール2024年7月13日(土)~2024年10月5日(土)TOKYOMXほか話数全13話キャスト斑鳩夏生:小野賢章アトリ:赤尾ひかる神白水菜萌:髙橋ミナミ野島竜司:細谷佳正キャサリン:日笠陽子名波凜々花:春野杏スタッフ原作:『ATRI-MyDearMoments-』(ANIPLEX.EXE)監督:加藤誠シリーズ構成・脚本:花田十輝ストーリー原案:紺野アスタ(Frontwing)キャラクター原案:ゆさの 基4キャラクターデザイン・総作画監督:サトウミチオ...

 

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アニメの水菜萌はゲームから変わった部分がある

――ゲームから継続しての役かと思いますので、まずは当時のことを覚えている範囲でお教えください。

神白水菜萌役・髙橋ミナミさん(以下、髙橋):ゲームの収録は短い期間で行われたので水菜萌の深い感情の流れが作りやすかったです。、物語を追いかけながら水菜萌の気持ちになりすぎて泣いてしまった覚えがあります。

後は、収録後にたまたまスタッフさん方のお昼と私の帰り時間が重なりまして。スタジオ近くのラーメン屋さんで一緒にラーメンを食べた思い出もあります。凄くおしゃれなラーメン屋さんで、海みたいに澄んだ色のスープが美味しかったです。また食べたい!

――この作品の世界観や物語の印象についてもお聞かせください。

髙橋:ゲームの頃から一貫して、寂しいけど温かいような印象をずっと持っています。海辺の街の物語だけれど海が荒れているなんてことはなく、けれど景色は沈んでいるから寂しい感じがある。不思議なバランスで成り立っている世界だと思います。

その中でアトリ自身のシリアスとコメディのバランスも、海に沈んだ街のように絶妙で。色々な感情があるけれど、彼女がロボットである事実によって隠されている。ともすれば物語全体が暗くなりがちではあるのですが、アトリが引っ張ってくれることで明るいイメージを持たせてくれているんです。

 

 
ナツ(斑鳩夏生)くんも足が不自由で親が登場しないなど想像できる暗い部分がたくさんあるのですが、そういうところも含めてアトリが世界を照らしてくれている印象がありますね。

――アニメ化にあたって再び水菜萌を演じたかと思います。ゲームから印象が変わった部分はありましたか?

 

 
髙橋:ゲームの水菜萌は聖母のようだったといいますか、暗い一面があまり見当たらず、自分の愛に対してまっすぐな印象でした。アニメの収録では当初、そんな原作の水菜萌に準拠したほうが良いのかなって思っていました。

けれど加藤誠監督から、アニメでは水菜萌が心情を吐露する部分をしっかり見せたいとのお話もありました。

ゲームでは自分の心情よりも他人に対して献身的な一面が強く出ていてほかのキャラクターに語り掛けるようなシーンが多かったのですが、アニメでは自分の気持ちを自覚して自分自身と語るようになっています。アニメではその部分がかなり変わっています。

――そうすると少し原作から変わった部分もありそうですが、収録で受けたディレクションで印象に残っているものはありますか?

髙橋:私の中でゲームの水菜萌のイメージは、自分の感情を全て悟らせずマイナスな部分を見せない女の子でした。アニメではもっと訥々(とつとつ)としていると言いますか、誰かと話している時でもそれは水菜萌が自分の気持ちを自分で処理しているからなので、その相手には語り掛けないでほしいというディレクションを頂きました。

それこそ「ひとりごとを言っているみたいな感じで」とも言われたのですが、それが私が持っていた水菜萌の印象にまったくないものだったので、最初はちょっと難しかったです。

 

 
元々私自身にもひとりごとでも人に喋りかけてしまうみたいな癖があるので、それが水菜萌と似ていると思っていました。周囲を気にするというか、他の人の存在を認識してしまう。

色々な意図があってのディレクションだと思うのですが、不思議だと思いつつも段々馴染んできて、収録が進むと自分の中で違和感はなくなってより彼女の心情を表現するためなんだと理解できました。

ゲームでの描かれ方もひとつの愛の形ですが、アニメではそれがちょっと変わってくるかもしれません。それを視聴者のみなさんに理解してもらうために、水菜萌の心情をちゃんと描く必要がある。だからこそきっと、ナツくんやアトリちゃんとの関わり方も変わってくるんだろうなと思います。

私自身も最後まで台本をもらっていないので結末はまだ知らないのですが、ゲームもナツくん以外はフルボイスです。アニメから興味をもってくださった方は、この作品のもうひとつの形が描かれているのでゲームも楽しんでもらえたら嬉しいです。

――夏生に小野さんの声がつくのはアニメからかと思います。その印象はいかがですか?

 

 
髙橋:役と本人のバランスが絶妙です。小野さんが演じることで私たちにナツくんの人物像を掴ませてくれる。そういう演じ方をしてくれているのかなと感じています。そこに小野さんの優しさが見え隠れしているようで、私の思うナツくんの芯にある優しさとリンクしていてピッタリだなって思っています。

ナツくんのいい意味での掴みづらさみたいなものを、小野さん自身も持っているんです。小野さんは接しやすい点もあれば、本質がどうなのかわからない印象もあって。ナツくんは逆に全てをさらけ出さないようにしてるけれど、たまに見せる本質みたいなものが小野さんのそういう一面と少し似ているような感覚もあります。

――水菜萌は第1話から夏生との掛け合いがあったかと思います。演じてみていかがでしたか?

髙橋:凄く演じやすかったです。小野さんとは他の作品でもいくつか共演していて、喋りの雰囲気とかも役によってもちろん違うのですが、何か感覚みたいな部分を合わせてくれているように思えました。

多分水菜萌とナツくんのように幼い頃から一緒にいる関係性って、喋る時に違和感を感じないと思うんです。そういう関係性のつもりで掛け合いをしていて違和感がないので、すごくリンクしている、演じやすいなと思いつつアフレコに臨んでいました。

 
私からすると小野さんはいいお兄ちゃんというイメージなのですが、水菜萌にとってのナツくんとの心の近さにちょっとだけ似ているな、と思って演技しているところもありますね。

――そんなふたりのところにアトリが入ってくることになるかと思います。この3人の関係性の印象や掛け合う時に意識していることを教えてください。

髙橋:この3人は少し家族に近いかなと思える部分もあります。もちろん水菜萌には別に家族がいるので「みたいなもの」ではあるのですが、そういう意味ではこの島で暮らすみんな、学校のみんなが彼女にとっては家族みたいなものというか。血の繋がりはなくても土地という繋がりがある、その中の一部なのかなとも思います。

ただ水菜萌は大きい愛の人というか、アトリちゃんも応援したいしナツくんも応援したい、けれどそのふたりを応援するということは自分の気持ちは叶わない。それでもふたりの応援をやめられない人なので、本来の関係性で言ったらアトリちゃんは恋のライバルになるかもしれないけれど、そうはなり得なくて。

 
本当に絶妙なバランスでこの3人は成り立っていて、多分水菜萌を介して無かったらナツくんとアトリちゃんもまた違った関係性になるというか。このふたりに水菜萌が加わることで、よりふたりの関係性の純度も上がっているんじゃないかなって思っています。水菜萌はふたりにとって、例えば空気清浄機みたいな存在かもしれないですね。

 

 

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