『ATRI -My Dear Moments-』連載第6回:髙橋ミナミさん(神白水菜萌役)|水菜萌は夏生がより幸せになれる選択をする
2024年7月より放送中のTVアニメ『ATRI-My Dear Moments-』。アニメイトタイムズではその放送に際し、メインキャストのみなさんへインタビューを実施しています。第6回目も前回に引き続き神白水菜萌役の髙橋ミナミさんです!
今回は第5話放送後のタイミングとなりますので、そのあたりのエピソードや新たに登場したキャラクターたちについてを中心に伺っています。また、今後は水菜萌が夏生に対して抱く想いもみどころになるようで……!?
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夏生と竜司の友情に現れたこの作品の良さ
――第4話から第5話では夏生と竜司が距離を縮めていきました。作中でも目立つ男性キャラクターのふたりですが、このあたりのエピソードはご覧になっていかがでしたか?
髙橋:ふたりとも結果島に残っている男性で、島に対して同じ気持ちを持っているので相性が良い。そこの部分で相反することは絶対にないかなと思っていました。
理解しようとしていなかったふたりが、一緒に作業したり何かを考えることでお互いを理解していく過程が丁寧に描かれていたので、ふたりに友情が芽生えるまでがわかりやすかったです。
女の子が多い作品ではあるけれど、男の子同士の友情を軸にした細かな人間ドラマも描くことができる。そんなこの作品の良さがふたりの友情には現れていたと思います。
――細谷さんと小野さんの掛け合いはご覧になっていかがでしたか?
髙橋:細谷さんとは収録が別の機会になることも多かったのですが、1回一緒になりまして。スタジオの中で細谷さんの方が言葉数が多くて小野さんがそれに笑うという構図で、竜司とナツくんっぽいなと思いました。
おふたりは共演も多いので今まで培った絆みたいなものがあると思います。だからこそキャラクター同士も自然と距離が近づいていくし、そういうお芝居をされていたと思います。
――そして、第4話と第5話と言えばキャサリンも目立つ活躍が見られていました。
髙橋:この作品には大人があまり出てこないところがあります。キャサリンはその中でも大人を担う存在として登場してくれています。彼女が学校に馴染んできた時に、子供たちにとって大人の存在は指標になるというか大事なんだなと感じましたね。そんな柱感があります。
初登場時はいわゆるダメな人でしたけれど、そんな彼女にも事情があって今回のアニメではそこが深掘りされています。コミカルなキャラクターでもあるけれど、夏生たちが相談できる存在としては非常に重要な役どころです。
彼女を演じる日笠さんは、前回お話した水菜萌が訥々(とつとつ)と話す事に悩んでいたところ、とても真摯に相談に乗ってくれました。そういう意味でもキャサリンとリンクしているし、頼りになる人だと思います。キャサリンも大活躍のアニメ『ATRI』です!(笑)。
――(笑)。そんなキャサリンに、先生をお願いしたのも水菜萌でした。夏生を学校に誘うシーンなど、水菜萌の言葉やお願いがきっかけで物語が動く部分も少なからずあるように思うのですが、こういったシーンはどんなことを考えましたか?
髙橋:水菜萌は、島のみんなの生活を良くしたいと思っていて、またとても大きな愛を持っている女の子です。その愛をもってみんなが良くなるにはどうしたらいいかを考えていると思います。すぐに変化はおきないかもしれないけれど、子供たちやキャサリンのことを考えて、学校に1回来てみた方がいいと誘えるのはおそらく彼女だけなんです。
また、水菜萌はそういう役割を苦だとは思っていないですよね。今までは先生みたいな立場で子供たちに勉強を教えていたけれど、キャサリンへの依頼も先生を辞めたかった訳じゃない。ただただ、子供たちがより良い環境で勉強できるようにしてあげたかっただけなんじゃないかなと。
キャサリンが元々先生だったことはわかっていたし、もう一度彼女が本来望んでいた姿になってもらいたい。果たしてそこまで考えていたかは、わからないところはあるのですが…誰にとってもより良い環境を作るために誘ったと思います。単純に、人が増えた方が嬉しいですしね。
――また、水菜萌は島の子供たちと掛け合うシーンも多いと思います。演じてみていかがでしたか?
髙橋:彼女は人に何かを与えることに躊躇いがない人なので、本当に家族みたいな感じで掛け合いをさせてもらいました。
今までは彼女が一番年上の存在だったから、自分が守らなければという想いがあったのだと思います。けれどナツくんやキャサリンが来てくれたので、そんな気持ちも少し軽くなった。一緒にご飯を食べるみたいな日常の風景が彼女としても楽しくなっているんじゃなかなと。
確かに物が無いとか電気がつかないとか、生活の中で不便を感じることはあると思います。でも、子供たちが楽しいから水菜萌も楽しいみたいな。掛け合いはわちゃわちゃして、シンプルに幸せで満たされるようなシーンでしたし、アフレコも楽しかったです。