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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
『暗殺教室』や『魔人探偵脳嚙ネウロ』で知られる漫画家・松井優征先生の作品『逃げ上手の若君』。「週刊少年ジャンプ」にて2021年から連載中で、2024年7月よりアニメの放送が始まった今期注目作のひとつです。
本作は、滅亡した鎌倉幕府で1人生き残った幕府の跡継ぎ・北条時行が、“逃げ隠れ”の才能を活かし、鎌倉奪還のため厳しい試練と戦いに身を投じていく物語。
本稿では、諏訪大社当主・諏訪頼重(すわよりしげ)の情報を一挙にお届け! その強さに加え、性格や人柄、時行との関係などを交えて解説していきます。
※本記事は重大なネタバレが含まれます。
信濃国・諏訪大社の当主。神であり人である「現人神」として人々から絶大な信仰を集めている。燃え落ちる鎌倉から時行を救い出し、諏訪で匿いながらその成長を見守る親のような存在。神力によっておぼろげながら未来を見ることができる特殊な力を持つ。
神力という特殊な力を持つ頼重は未来を見ることができます。とはいえ、それは断片的でおぼろげであるため、少々うさん臭くなってしまうことも。しかし、より確定的な未来であれば比較的はっきり見えるようで、初対面の時行に「十歳の時に貴方様は…天を揺るがす英雄となられまする」と予言しています。
さらに、滅びゆく鎌倉から時行を救い出せたのも神力によってその可能性が見えており、万一に備えた準備をしていたからこそです。頼重は未来視の能力を使い、時行に様々な試練を与えて成長させていきます。
神力は神気に満ちた場所では強くなるようで、本領である諏訪大社はもちろん、鎌倉の鶴岡八幡宮など大きな神社に近ければ近いほど神力が満ち溢れ、見える未来も鮮明になるといいます。
一方で、稀に未来が一切見えない時期が訪れることも。その時期は時行の安全な未来も当然見えなくなるため、いつも以上に時行を心配し挙動不審になってしまいます。失われた神力は諏訪大社のご神体・守屋山に流れる聖なる沢の水を飲めば回復するようです。
戦神である諏訪明神。その当主である頼重は「現人神」の名にふさわしい強さを誇ります。弓は正確なだけでなく型も非常に美しく、太刀を振る姿は神々しさを感じさせます。向けられた攻撃をかわす姿にも一切無駄な動きがなく、静かな笑みをたたえながら戦う姿はどこか人間離れしており、まさに神のようです。
戦の現人神である自分が武芸で劣れば、説得力がなくなり誰も信仰してくれなくなると頼重は言います。頼重の武術は、ただ強いだけでなく、現人神として説得力を具現化して信仰を集めるための武術なのです。
「現人神」である頼重ですが、普段は気さくで茶目っ気たっぷりの人物。妙に高いテンションで視えた未来を語ることも多く、その様子がうさん臭さを生んでしまう原因のようです。ボケることも多く、時行や雫たちからは頻繁に鋭いツッコミを入れられています。
しかし、それは表面的な姿であり、本質的には非常に冷静かつ聡明。時行の逃げ上手の才能を見抜き、その手腕で天下人へと導いていきます。彼に仕える諏訪神党の武将たちから絶大な信頼を寄せられていることからも、その有能さがうかがえます。親しみやすい人柄と確かな実力で人望と信仰を集めているのです。
はじめこそそのうさん臭さから、頼重を疑っていた時行でしたが、諏訪で彼の人となりを知るにつれて、厚い信頼を寄せるようになります。いつしか自分を見守り育ててくれる頼重のことを父親同然に思うように。親兄弟を一度に失った時行にとって、それほどまでに頼重はとても心強い存在なのです。
頼重もまた、主君として時行を立てながらも親のような気持ちで時行を(時に過剰すぎるほど)慈しみながら育てており、その成長は何にも替えがたい頼重の喜びのよう。成長のために様々な試練や危険な任務に時行を送り出しますが、その身を案じることも多く、そんな姿は実の親そのものです。
遂に正体を明かした時行と頼重が率いる軍は、破竹の勢いで足利軍を攻め、とうとう鎌倉奪還を果たします。しかし、鎌倉を占領したのもつかの間、すぐに足利軍に攻め込まれ、時行軍はあえなく惨敗。
時行を逃がすため、頼重は残りわずかの兵を連れて足利軍に戦いを挑みます。少数の兵で多くの足利兵を討ち取ったものの、勝ち切ることはできず包囲されてしまう頼重。
そこへ駆けつけたのは逃げたはずの時行たち。時行が戦場を逃げ回って注目を集め、その隙に郎党たちが頼重を救出したのです。時行は力なく横たわる頼重に刀を持たせ、一度も切ったことのなかった自分の髪を切らせ、親子の契りを結びます。
主君に親を認められたこと、そして立派に育った「逃若党」の子供たちの姿に、涙を流す頼重ですが、追ってきている足利軍はもう目の前に迫っており、残された時間はわずか。
時行一党を逃がした後、前日の戦で亡くなった子供の遺体を使って時行が死んだように偽装し、自らは起こした乱の責任を負うため自害。最後まで北条への忠義と我が子への愛を貫いたのでした。
若々しい見た目の頼重ですが、実は子(諏訪時継/すわときつぐ)と孫(諏訪頼継/すわよりつぐ)がいる立派なおじいちゃん。なお、頼重の生まれ年は現在も不明であり、年齢もわかってはいないようです。また、妻も作中には登場していません。
諏訪頼重を演じるのは中村悠一さん。2月20日生まれ、香川県出身。『おそ松さん』の松野カラ松役をはじめ、『呪術廻戦』の五条悟役など、数々の人気キャラクターを演じています。
表向きはひょうきんでインチキ臭さ漂う頼重ですが、確かな手腕と北条への忠義、時行への愛情で彼に絶大な影響を与えていきます。頼重と時行のやりとりも本作の大きな見どころ。ギャグシーンでもシリアスでも活躍する頼重に注目です!
作品名 | 逃げ上手の若君 |
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スケジュール | 2024年7月6日(土)〜2024年9月28日(土) TOKYO MX・ BS11ほか |
あらすじ | 時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。 全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…。 逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。 英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は―――。 |
話数 | 全12話 |
キャスト | 北条時行:結川あさき 雫:矢野妃菜喜 弧次郎:日野まり 亜也子:鈴代紗弓 風間玄蕃:悠木碧 吹雪:戸谷菊之介 諏訪頼重:中村悠一 足利高氏:小西克幸 小笠原貞宗:青山穣 諏訪盛高:石黒史剛 市河助房:山本高広 瘴奸:東地宏樹 |
スタッフ | 原作:松井優征(集英社「週刊少年ジャンプ」連載) 監督:山﨑雄太 シリーズ構成:冨田頼子 キャラクターデザイン:西谷泰史 副監督:川上雄介 プロップデザイン:よごいぬ サブキャラクターデザイン:高橋沙妃 色彩設計:中島和子 美術監督:小島あゆみ 美術設定:taracod takao 建築考証:鴎利一 タイポグラフィ:濱祐斗 特殊効果:入佐芽詠美 撮影監督:佐久間悠也 CGディレクター:有沢包三 宮地克明 編集:平木大輔 音響監督:藤田亜紀子 音楽:GEMBI 立山秋航 音響効果:三井友和 制作:CloverWorks |
主題歌 | OP:「プランA」DISH// ED:「鎌倉STYLE」ぼっちぼろまる |
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。