アニメ

2024-08-23 19:00

『真夜中ぱんチ』譜風役・羊宮妃那さんインタビュー｜控えめでありながら、芯の強さを持った譜風　「第7話ではギャップを感じていただけたんじゃないかなと思います」【スタッフ・声優インタビュー連載第10回】

人間味ならぬヴァンパイア味？

――先ほども少し話題に上がりましたが、譜風ちゃんの「君へ」を聴いたときはどのような印象がありましたか？

羊宮：あの時はさすがに……お家で練習してる時も泣いちゃったぐらい、レコーディングの時も目に涙を溜めながら歌っていました。実はスタジオではかなりアプローチを変えたんです。やっぱり譜風ちゃんは譜風ちゃんですし、歌声も譜風ちゃんの普段の雰囲気を活かそうかなと思ったら「もっと変えましょう」って。

――まさに”アーティスト”譜風といった印象の、温かでありながらも芯の強さも感じるような歌声ですよね。そこはもう振り切って、多様な魅力を引き出すことを重視されていたんですね。

羊宮：だからこそ、愛されるんだろうなとも思います。がっつり作り込んだキャラクターを通すのではなく、そのキャラクターのいろいろな味が出るようなディレクションも頂いていたので、よりそこに人間味ならぬヴァンパイア味のようなところが感じられるのかなって思います。

――　一方、オープニングテーマの「ギミギミ」の収録はいかがでしたか？

羊宮：「ギミギミ」も楽しかったです！　裏で喋るセリフがあるんですが、それがにんにくモードで喋ってて。いや〜私は大好きなんですよ、譜風ちゃんのにんにくモードが（笑）。遊び放題できるというか。人間で言うところの、お酒が入ったときのような感じなんですが、譜風ちゃんはもちろん、みんなのにんにくモードが大好きです。

――譜風ちゃんが“尊い”について熱く語る場面がありました。羊宮さん自身が尊いと感じる瞬間はどんな時ですか？

羊宮：自分が演じているキャラクターが一番尊くて、愛しているんですけど……それこそ譜風ちゃんに対しても「ずっと（あなたも）尊いんだよ！」って思います。かつてこのような表情をした、自分が演じた子がいたのだろうかって（笑）。

こんなにも引っ込み思案で、挨拶もつっかえているのに、異端児にはこんな目を輝かせていて。大好きだし、かわいらしいし、なんかもう……ギュッて抱きしめたくなりますね。（台本の表紙のイラストを見て）ああ、もうかわいい……！

――台本のイラストがまた可愛いですよね。

羊宮：そうなんです！　台本の表紙のイラストが回によって違うんです。中でも十景さん（CV.上田瞳）の大人っぽいテイストが大好きです。本当は皆さんにもお見せしたいのですが……。機会があったら、ぜひ見ていただきたいです。

――ところで、羊宮さん自身が動画に出演する際に意識されることはありますか？

羊宮：すごく真面目な話になっちゃうのですが……デビューしてから約4年経ちますが、自分の中で「立ち位置」を意識するようになりました。その場が自分がリードすべき場所なのか、あるいは他の方に乗っかっていくべきなのか、いろいろ考えています。1人で進行する番組では、自分で回しますし、ゲストの方に来ていただく場合は、適切なタイミングで話を振るようにして。

例えば今回の真夜中ぱんチのメンバーで言うと、（譜風のキャラクター上）自分が前に出過ぎるとバランスが崩れてしまうと思うんです。だから、その場にふさわしい自分の立ち位置をしっかりと見極めることが大事だと思っています。

――勉強になります。羊宮さん自身も動画は見られるんですか？

羊宮：私はYouTubeを見ることが多くて。その中で陰ながら感じていたのは、やっぱり一筋縄ではいかないんだろうな、と。『真夜中ぱんチ』はフィクションではあるものの、こういう展開が現実でもあり得るのかもしれないと思いました。

「良いお話だな」だけで終わらないところにも安心感

――今作に出演したことで、羊宮さん自身も良い刺激があったのではないでしょうか。

羊宮：そうですね。出会ったキャラクターすべてに、新しい引き出しを得るような感覚があります。それ以上に尊いと感じるのは、皆さんとご共演させていただいたことですね。

皆さんと一緒だからこそ作り上げられた『真夜中ぱんチ』だったと思っています。皆さんが皆さんであるからこそ、キャラクターたちはこんなに生き生きとした、魅力的な子たちになっているんだろうなって……私の立場で思ってしまっていいのかなと考えてしまうのですが……そう感じました。

私が譜風ちゃんで在る上で、皆さんとのやり取りは本当に必要不可欠だったので……現場の雰囲気もアットホームで。アフレコ中（りぶ役の）ファイルーズさんからハロウィンの魔女の爪クッキーをいただいたことも、心に残っていて。本当に、みんなでわちゃわちゃしていましたね。まるで1つの家族のような感じでした。

だからこそ、最終回を迎えたあとも「もう一度1話から見返したい」「帰りたい」と思えるような場所になっているんじゃないかなって思います。そうなったら良いなって。

――キャストにとってアットホームな場所だったからこそ、視聴者にとっても帰りたくなるような、心の拠り所的な場所になったら素敵ですよね。わちゃわちゃと言えば、第8話もすごいことに。

羊宮：第8話はすごいです（笑）。メンバーが豪華すぎまして……最終回じゃないのかな？と心配になるくらい豪華メンバーです。早く皆さんに見ていただきたいですし、（現段階では）早く異端児のあの言葉を聞いてもらいたい。

「異端児でした☆」（笑）。もう最高です……！

――第8話以降で特に注目してほしいポイントや、見どころはどこでしょうか？

羊宮：めちゃくちゃ見どころがあります。でも、どんなに物語が進んでも「このキャラクターは変わらないな」と感じる部分もたくさんあるんです。

アニメって、通常は何かしらキャラクターの成長が描かれますよね。でも、この作品ではキャラクターたちがそのままの個性を持ち続けているのが魅力的だなって。もちろん、いい意味でその子なりの成長も見られますが、「やっぱりこういう展開になるんだな」「そうだよな、そうこなくっちゃ！」と納得できる部分も多くて。

例えば第4話は感動的なお話でしたが、それ以降はまた笑いの要素が戻っていて。そういったところが『真夜中ぱんチ』らしさだと思いますし、「良いお話だな」だけで終わらないところにも安心感があります。そこでまた、名残惜しさを感じてもう一度見返したくなるんですよね。見ている方も、温かな気持ちになるんじゃないかなと思っています。

[取材・文／逆井マリ]

連載バックナンバー

第1回　アニメーションプロデューサー：P.A.WORKS 橋本真英

TVアニメ「真夜中ぱんチ」作品情報

2024年7月8日（月）より放送中！
《動画投稿、はじめます!?》

放送・配信情報

■放送
TOKYO MX・AT-Xほかにて7月8日（月）放送・配信開始！
TOKYO MX：7月8日より毎週月曜 22:30～
AT-X：7月8日より毎週月曜 22:30～
【リピート放送】毎週水曜 10:30～／毎週金曜16:30～
BS11：7月8日より毎週月曜 23:00～
KBS京都：7月8日より毎週月曜 24:00～
サンテレビ：7月8日より毎週月曜 24:00～
チューリップテレビ：7月8日より毎週月曜 25:50～
※放送開始日・放送時間は変更となる場合がございます。予めご了承ください

■配信
dアニメストアにて7月8日（月）22:30より地上波同時・最速配信！
dアニメストア：7月8日より毎週月曜22:30～
U-NEXT：7月11日より毎週木曜 22:30～
アニメ放題：7月11日より毎週木曜 22:30～
その他サイトも7月13日（土）22:30～以降、順次配信予定！
詳細は各サイトでチェック！

INTRODUCTION

「真夜中なのにおっはよー!真夜中ぱんチです！」

世界でもっとも見られている動画投稿サイト「NewTube」。

3人組NewTuber「はりきりシスターズ」の「まさ吉」こと真咲は、生配信中の問題行動が炎上し、チャンネルをクビになってしまう。

起死回生を狙う真咲の前に現れたのは、なぜか彼女に運命を感じたヴァンパイアのりぶ。

その超人的な能力があれば、目標のチャンネル登録100万人だって夢じゃない!?

真咲は、自分の血に惹かれるりぶに動画出演を依頼。

対価として差し出したのは......。

「100万人が達成できたら、いいよ。私を食べて」

りぶの暮らす晩杯荘の仲間たちを巻き込み、絶対夢を叶えたい動画投稿少女×絶対食べたいヴァンパイアの決死の動画撮影が始まる!!

現代人共感必至!?

「パリピ孔明」スタッフが贈る、ワケあり動画投稿者たちのハイテンション・ガールズ”再生”ストーリー！

STAFF

原作：動画投稿少女
監督：本間修
シリーズ構成：白坂英晃
キャラクター原案：ことぶきつかさ
キャラクターデザイン：有間涼太
総作画監督：有間涼太、さとう沙名栄、合田真さ美
メインアニメーター：鍋田香代子
美術設定；藤井祐太
美術監督；前田有紀
色彩設計；江口亜紗美
撮影監督；児玉純也
2Dworks：吉垣誠
3D監督：小川耕平
編集：髙橋歩
音楽：tepe、樂
音楽制作：ハートカンパニー
音響監督：飯田里樹
音響効果：小山恭正
録音調整：安齋歩
音響制作：dugout
アニメーション制作：P.A.WORKS
製作：「真夜中ぱんチ」製作委員会