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夏アニメ『逃げ上手の若君』雫役・矢野妃菜喜が印象深かったディレクションとは?

「父様(諏訪頼重)に対してはもっと辛辣でいいです」というディレクションがありました|TVアニメ『逃げ上手の若君』連載第8回:雫役・矢野妃菜喜さんインタビュー

『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』を手掛けた人気作家・松井優征先生が描く歴史スペクタクル漫画『逃げ上手の若君』がTVアニメ化。2024年7月よりTOKYO MX・BS11ほかにて放送中です。

本作の主人公は、信頼していた幕臣・足利尊氏の謀反によってすべてを失った北条時行。時行は逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で仲間と出会い、訪れる困難を「逃げて」「生きて」乗り越えていきます。

アニメイトタイムズでは、本作の魅力を深掘りする連載インタビューを実施! 第8回目は雫役・矢野妃菜喜さんにお話を聞きました。最初に雫を演じたとき「もうちょっと大人っぽくしてほしい」というディレクションがあったという矢野さん。そのディレクションは、雫の執事という立場が関係していました。

 

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逃げ上手の若君
時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…。逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は―――。作品名逃げ上手の若君放送形態TVアニメスケジュール2024年7月6日(土)〜TOKYOMX・BS11ほかキャスト北条時行:結川あさき雫:矢野妃菜喜弧次郎:日野まり亜也子:鈴代紗弓風間玄蕃:悠木碧吹雪:戸谷菊之介諏訪頼重:中村悠一足利高氏:小西克幸小笠原貞宗:青山穣諏訪盛高:石黒史剛市河助房:山本高広瘴奸:東地宏樹スタッフ原作:松井優征(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)監督:山﨑雄太シリーズ構成:冨田頼子キャラクターデザイン:西谷泰史副監督:川上雄介プロップデザイン:よごいぬサブキャラクターデザイン:高橋沙妃色彩設計:...

 

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父様に対して辛辣な言葉をかけるときは、とにかく心無い感じで

――ここまでの物語を振り返ってみて、印象的だったシーンを教えてください。

雫役・矢野妃菜喜さん(以下、矢野):第三回で「牛鬼 牡丹」と鬼ごっこするところが印象的でした。雫はあまり戦闘に参加する子ではないのですが、牡丹との鬼ごっこでは雫がみんなに指示を出している姿が見られて。みんなと一緒に戦っていると感じられて何だか嬉しかったですし、アフレコでの掛け合いも多かったので、印象に残っています。

あとは、第一回で、落ちる鞠が首に変わる演出も衝撃的でした。そして、第二回ラストの兄様(時行)と北条邦時の会話シーン。アニメオリジナルのシーンで物語が補完されていて、『逃げ若』スタッフの愛と気合が伝わってきました。

 

 

――絵の作画にも力が入っていましたよね。

矢野:ですね。もちろん私たち声優陣も気合を入れて演じていますが、「この絵に負けないようなお芝居ができているかな?」とオンエアを見て不安になるくらい、力が入っていると感じています。これからの放送も楽しみです。

――続いて、演じる雫についてもお聞かせください。時行を支える巫女であり執事でもある雫。振る舞いはおしとやかだけれど、意外と毒舌な面もある印象です。矢野さんは雫をどういうキャラクターだと感じていますか?

矢野:巫女ということもあり基本はおしとやかですが、やっぱり『逃げ若』に登場するキャラクターということで、彼女もひと癖あるというか(笑)。何かと一言多いんですよね。

特に父様(諏訪頼重)に対しては、アフレコのときにも「身内だからこそ、もっと辛辣でいいです」というディレクションがありました。父様に対して辛辣な言葉をかけるときは、とにかく心無い感じでと意識して演じています。

あとは、第二回で木を被って隠れている姿を見て、「あぁ、彼女も意外とボケるんだな」と驚きました。ああいう雫が大好きです。

 

 

――頼重に対して辛辣にというお話もありましたが、それ以外にはどのようなディレクションがありましたか?

矢野:最初に雫を演じるとき、見た目通りの幼さを感じるお芝居をしたんです。そしたら、「彼女は執事という立場でもあるので、もうちょっと大人っぽくしてほしい」というディレクションがありました。それもあって、自分のなかでは、いつもより低めのトーンで演じていると思います。また、雫はそれほど声を張る子じゃないので「距離感を割と無視していいよ」というディレクションもありましたね。

――距離感を無視するお芝居、アニメを見返して改めて感じてみようと思います。

矢野:あとは物語が進むなかで、兄様や逃若党の面々に対しては「もうちょっと砕けていいよ」というお話もありました。仲良くなり、各々の変態な部分が明らかになっていくなかで、「この子はこういう子なんだ」と雫は理解していくんですよね。そうして、会話の中でボケるようにもなる。ちょっとしたところで仲が深まっている、変化していると感じたので、その流れに沿って演じました。

 

兄様は成長する毎に、主君としての器もどんどん大きくなっていく

――仕える主となった時行への印象をお聞かせください。

矢野:第一回時点では、北条家として背負っているものがあるという使命感がありつつも、まだまだ子どもっぽい面も多々あって。それが、物語が進んで成長していく毎に、主君としての器もどんどん大きくなっていくんですよね。その姿がとてもカッコいいです。一方で、逃げているときの楽しそうな声や表情からは、まだ子供っぽさも感じられるというか。ああいうかわいい面も、兄様の魅力だなと思います。

――逃げる時の表情は印象的ですよね。

矢野:頬が赤らんでいて、かわいい顔をしていますよね。

――演じる結川あさきさんのお芝居を近くで聞いてみて、いかがでしたか?

矢野:あさきちゃんは吸収力とチャレンジ精神がすごい。第一回、二回時点だと、音響監督の藤田さんから色々なディレクションを受けて形になっていくことが多かったんです。ただ、あさきちゃんはディレクションで言われたことを受け止めるだけでなく、「次はこうしよう」と自分のお芝居に反映するんですよ。

 

 
デビューしたばかりだと、演じることに必死でチャレンジするところまでいかないことが多いと思うのですが、あさきちゃんは吸収したものをどう活かすか考えて、お芝居しているんです。そうやって成長していく姿は、時行と重なりました。

――なるほど。

矢野:あとは、コミュニケーション能力も高いと思いました。あさきちゃんにとって、今回の現場は全員が先輩なんです。そんな先輩たちに話しかけて自然と輪を作っていたり、自分から輪に入ったりしていて。ああいう姿からは、人懐っこい時行っぽさも感じました。

――もしかしたら、まだデビューしてから日が浅い結川さんだからこそ、演じられる部分があったのかもしれないですね。

矢野:どんどん時行になっていく様が本当にすごかったんです。後半にあさきちゃんの声を聞いたときは「頼もしいな」と思いました。成長していく過程が時行とリンクしていたという意味で、今のあさきちゃんだからこそ出せたものはあったかもしれません。

 

 

(C)松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会
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