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『ATRI』春野杏が語る声優陣のナチュラルな雰囲気とは【連載第11回】

『ATRI -My Dear Moments-』連載第11回:春野杏さん(名波凜々花役)|「キャスト陣のナチュラルな雰囲気が、作中の生活感を表現する上で活きていたら嬉しいです」

アニプレックス社のノベルゲームブランド「ANIPLEX.EXE」の第1弾タイトル『ATRI-My Dear Moments-』のTVアニメが、2024年7月より放送中!

アニメイトタイムズではその放送に際し、メインキャストのみなさんへインタビューを実施。第11回目は名波凜々花役の春野杏さんです!

今回は物語もいよいよ終盤ということで、凜々花がきっかけのひとつとなった序盤の潮汐発電施設制作のエピソードを中心に、春野さんにはこれまでの物語を振り返っていただきました。

また、ハナちゃん先生ことキャサリンとの掛け合いにおける、アドリブに関するエピソードは必読です。ぜひ、これまでの物語を振り返る意味でもチェックしてみてください。

 

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ATRI -My Dear Moments-
原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生は、都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。身よりのない彼に遺されたのは、海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。夏生は“失った未来”を取り戻すため、祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。そこで見つけたのは、棺のような装置の中で眠る不思議な少女――アトリ。彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。海底からサルベージされたアトリは言う。「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。それまで、わたしが夏生さんの足になります!」作品名ATRI-MyDearMoments-放送形態TVアニメスケジュール2024年7月13日(土)~TOKYOMXほかキャスト斑鳩夏生:小野賢章アトリ:赤尾ひかる神白水菜萌:髙橋ミナミ野島竜司:細谷佳正キャサリン:日笠陽子名波凜々花:春野杏スタッフ原作:『ATRI-MyDearMoments-』(ANIPLEX.EXE)監督:加藤誠シリーズ構成・脚本:花田十輝ストーリー原案:紺野アスタ(Frontwing)キャラクター原案:ゆさの 基4キャラクターデザイン・総作画監督:サトウミチオ美術監督:内藤健美術設定:滝...

 

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凜々花には夏生に刺激を与える存在というキーワードがあった

――ゲームから継続して演じられるキャラクターかと思います。まずは、覚えている範囲で当時の収録で印象に残ったエピソードをお願いします。

名波凜々花役・春野杏さん(以下、春野):最初にキャラクターのデザインを拝見した時は、可愛くて元気な子だと思いました。後はシナリオ全体を見て、頭が良くて無邪気、そして夏生に刺激を与える存在というキーワードがあったんです。頭の良い人はもっとぺけぺけと喋ると思うのですが、凜々花の頭の良さは無邪気や好奇心から来ているので、とにかく邪気の無い無垢な人格を心がけて演じた記憶があります。

 

 
わざとらしく騒ぐような元気というよりも、無垢な好奇心からくる興味で色々なことに関する造詣が深い。やりたい放題なところがあるけれど、誰も憎めないからみんなが可愛がってくれる。それと、凜々花はトオルやミヨたちのリーダー格でありつつ、3人が対等な関係でいられるのも素敵だなって。その関係を維持できているのは、凜々花が一因なんじゃないかと思うところもありました。

水菜萌や竜司が可愛がってくれるのはその無邪気さがあるからこそだけれど、夏生に刺激を与えるのはその先にあるものだと思ったので、わざとらしくならないように、元気で素直な子を心がけましたね。

――本作の世界観や物語全体への印象も伺えますか。

春野:公開されてきたビジュアルや映像からは、とにかく水色が多い爽やかな世界という印象を受けます。けれど、そんな世界で女の子たちと頭のいい男の子がひと夏を過ごす物語のようでいて、地表が徐々に海に沈んでいるという一面から、物語の中に影が見え隠れしている。そういう部分は加藤誠監督が描くラフ絵の構図や背景からも見て取れるように感じました。

 

 
止まってしまった風力発電施設と雲と、斜めになって倒れそうになっている電柱、浅い海。そんな切なくも美しい光景をとても丁寧に描いてくださっているので、アニメではゲームの頃よりその印象が深まったように思っています。

――あのキービジュアルやPVを見ると、やっぱり海や空の描写は期待してしまいますね。アニメ化にあたって凜々花を再度演じられたかと思いますが、印象や演じ方が変化した部分はありましたか?

春野:凜々花はゲームだと、おそらくもう少し出番のあるキャラクターだったので、長いエピソードで感じさせていた部分を、台詞ひとつで感じ取ってもらわなきゃいけない。だから各話台詞ひとつひとつに、色々なものを詰め込んでいました。ゲームでは起伏の付け方で意味を変えられるところを、アニメでは色々な感情をひとつの台詞で表現できるよう意識するみたいな感じです。

 

 
あと、台本をいただいた段階での凜々花はよりわかりやすく表現できるようになっているかなって思いました。アニメとゲームでキャラクター自体は、ほとんど変わらない子ですが、表現の仕方はより丁寧でインパクトがあるというか。凜々花の言葉が夏生を動かす原動力になればという感じで、ゲームから少し演じ方は変わっているかもしれないです。

――アニメになって声の付いた夏生の印象はいかがでしたか?

春野:最初は「ヒットマンだ!」といってちょっかいをかけて、逆にやり返されるというシーンだったかと思います。そのシーンの時に「あ、夏生だ」と思ったんです。これを想像していたけれど、答えが自分の中になかっただけといいますか。

 

 
小野さんは序盤の夏生、みんなと打ち解けてきた夏生、そしてアトリを信じられなくなった夏生、と話数毎に心情の流れを作ってくれていたんです。小野さんご本人と喋っていると夏生感はないのですが、マイクに向かうともう夏生そのもの。頭が良くて冷静な一方で、人の心は持っている。そういう温かさを感じられました。

――そんな夏生が発電施設を作るために動いたのは、凜々花がきっかけだった部分が大きいと思います。このあたりは振り返ってみていかがでしたか?

春野:このあたりは夏生がやる気を取り戻すというか、凍っていた心を少しだけ溶かして人間らしくなるところ。そして、この先の物語の足がかりでもありました。

私も小学生の頃は都市伝説を信じていたので、夏生をヒットマンだと疑う凜々花に共感していましたね。知らない人が身内に会いに来るって、子供としてはやっぱり忌避感があるから、ヒットマンじゃなかったとしても最初は本当に怖い存在なんじゃないかと思いました。

でも、夏生は凜々花の好奇心を深く肯定してくれる。自身の記憶や回顧はありつつ、自分の事を疑っている女の子の童心に触れ、その子が電気が無くて本が読めず、残念がっていることを知って積極的に関わっていく。

 

 
この凜々花とのエピソードは段階的にもキーワードになっているので、それは凄く嬉しいけれど、同時に夏生の成長も描いているところがあります。現状改善のために、ステップを踏んで動くことで夏生や凜々花だけでなくみんなに見せ場があるし、とても人間を描いている演出で私は大好きです。

――子供たちの好奇心を刺激して一緒に行動していくやり方が巧みでしたね。

春野:興味ない人からすると大きなお世話になるところ、それすら感じさせない。人の好奇心を否定せず肯定するとか、自分が思ったことはきちんと伝えてくれる。そういう信頼関係の基礎を夏生は本来知っていて、そんな彼だからコミュニケーションを取ろうとするキャラクターが増えていく流れかと思います。

あと、アトリが本当の意味で友達として絡めるのがミヨやトオル、凜々花たちなんです。アトリは3人より自分は大人だと思っているけれど、3人はアトリを同い年の友達だと思っていたりもしました。4人がグループとして遊んでいる印象はありましたね。

 

 
アトリにとってその時に浮かんだものが感情なのかどうかはさておき、ラフに自分の感情や意見を打ち明けられる相手として、信頼関係を築いていく。夏生とアトリが、他人に対して様々な感情を抱いていく過程も綺麗だなって。

 

 

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