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『ATRI』春野杏が語る声優陣のナチュラルな雰囲気とは【連載第11回】

『ATRI -My Dear Moments-』連載第11回:春野杏さん(名波凜々花役)|「キャスト陣のナチュラルな雰囲気が、作中の生活感を表現する上で活きていたら嬉しいです」

 

夏生やキャサリンには「なんでなんで?」みたいなアドリブをついつい投げたくなる

――夏生やアトリ以外にも竜司やキャサリンと絡むシーンも演じてみていかがでしたか?

春野:中盤あたりからシリアスな展開になることは監督から教えていただいていました。こんなに和やかな雰囲気なのに…と思ったことを覚えています。だからこそ、その前に目一杯“楽しい”をしなきゃと思ったんです。

やっぱりハナちゃん先生がいると頼りになるというか、日笠さん演じるキャサリンは芯が強くて大人だけど可愛らしい。だからハナちゃんハナちゃんって言いたくなるし、ついつい絡みたくなってしまって。実際にアドリブでめっちゃ絡んでいる感じを出したら、NGをもらってしまったこともありました(笑)。

一同:(笑)。

春野:「なんでなんで?」みたいなアドリブを、ハナちゃん先生や夏生には投げたくなってしまうし、受け取ってほしいという気持ちになります。キャサリンはゲームでは謎めいている印象があったので、色々な葛藤があっても陽気に楽しく暮らそうとしている普通の大人に見えていて、それに子供たちは乗っかっていけばいい感じでした。

 

 
ハナちゃん先生を尊敬していたり、心配したりというシーンはゲームからありましたが、アニメではキャラクターのディテールがよりハッキリしたので嬉しかったですね。そのおかげもあって、もっと深い人間関係になれた気がしています。

――ゲームの収録時を踏まえたお話で興味深いです。もう5年くらい前だそうなのに広範囲のことを覚えていらっしゃって凄いなと。

春野:キャラ絵がとても好みだったので覚えていたんです。アトリも水菜萌ちゃんも本当に可愛いし、目がキラキラしていてストーリーをより引き立てていて。でも、赤尾さんはゲーム版の記憶と、アニメでの演技が、アニメ冒頭では少し違って難しかったと言っていましたね。中盤に夏生を絶望させるからこそ、ずっとその布石を打つようなお芝居も大変そうでした。

――ぜひアニメのアフレコ現場の雰囲気も伺わせてください。

春野:アトリ役の赤尾さんとは個人的にも仲良しなので、「あ、おはよー!」みたいな感じで挨拶してから「昨日なにした?」みたいな雑談をしていました。ミヨ役の結川さんとトオル役の南さんとは3人で話す機会も多くて、お互いにミヨちゃん、トオルちゃん、凜々花ちゃんと呼び合っていたくらいでした。ゲームの収録は単独なことが多いですが、3人一緒という存在がとても可愛くてありがたかったです。

 

 
あと、竜司役の細谷さんがいらっしゃる現場は凄く明るい雰囲気になるんです。キャサリン役の日笠さんともよくお話されていたのですが、細谷さんと小野さんが仲良くしているところに日笠さんが「おいおい、ちょっと待てよ」って割って入ったりして(笑)。先輩方がそんな雰囲気を自然に作ってくれたので、緊張感がほぐれていました。

日笠さんが、南さんと結川さんに台本の持ち方やマイクワークをレクチャーをしてくださったこともありましたね。お二人は新型コロナの禍中にお仕事を始めた世代なので、みんなで一緒にアフレコをした経験がまだあまり無かったと思います。私たちもコロナ明けで「みんなで収録する時ってどうするんだっけ?」みたいになっていたところ、日笠さんがあえてアナウンスしてくださったので、また身を引き締めてアフレコに臨めたと思っています。

明るいだけではなく、そういうこともあり、絶対に現場の空気が悪くならない確信があったといいますか、作品の雰囲気が中盤からガラっと変わるからといって、ブースの雰囲気まで変わるようなことはなくて。そんなキャスト陣のナチュラルな雰囲気が、作中の生活感を表現する上で活きていたら嬉しいです。

 

 
後は加藤誠監督が色々なアドバイスをくださいました。監督から直接ご提案をいただける作品はあまり多くはないかと思うので、とても丁寧に作られた作品なんだと感じました。

――加藤監督からはどんなアドバイスやディレクションがあったのでしょうか?

春野:最初にご挨拶させていただいた時に、色々なアドバイスやゲームから変更された部分の説明をもらいました。凜々花は飛び道具というかメインキャラクターの中ではちょっと異質な存在という前提で演じていますが、その後に「後半はシリアスになるけれど、そういう雰囲気ではなく凜々花は凜々花として演じてほしい」というディレクションがあったことを覚えています。

そもそもがまだ子供ですし、その場その場で感情的になれるというのがミヨやトオル、凜々花の役割だったんです。他のみんなはこういう世界観だから大人にならざるを得なかったけれど、凜々花たちはそのままでいいんだよと教えていただきました。

――ありがとうございます。ではいったんまとめに入りますので、第11話以降の見どころをお願いします。

春野:この後はヤスダがどういう落とし前を付けてくれるのかという話ですが、凜々花としてはヤスダの下に呼んできてしまったアトリを見守ることしかできず、とてもとても悔しい気持ちが大きいですね。第11話には凜々花も登場しますので、よろしくお願いします!

 

[文・胃の上心臓]

 

作品概要

ATRI -My Dear Moments-

あらすじ

原因不明の海面上昇によって、地表の多くが海に沈んだ近未来。幼い頃の事故によって片足を失った少年・斑鳩夏生は、都市での暮らしに見切りを付け、海辺の田舎町へと移り住んだ。身よりのない彼に遺されたのは、海洋地質学者だった祖母の船と潜水艇、そして借金。夏生は“失った未来”を取り戻すため、祖母の遺産が眠るという海底の倉庫を目指して潜る。そこで見つけたのは、棺のような装置の中で眠る不思議な少女――アトリ。彼女は、人間と見紛うほどに精巧で感情豊かなロボットだった。海底からサルベージされたアトリは言う。「マスターが残した最後の命令を果たしたいんです。それまで、わたしが夏生さんの足になります!」

キャスト

斑鳩夏生:小野賢章
アトリ:赤尾ひかる
神白水菜萌:髙橋ミナミ
野島竜司:細谷佳正
キャサリン:日笠陽子
名波凜々花:春野杏

(C)ATRI ANIME PROJECT

 

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