バトル作品のような熱いクライマックス。双子の“めんどくさかわいいムーブ”を振り返るーー『恋は双子で割り切れない』インタビュー連載最終回:坂田将吾さん、後本萌葉さん、内田真礼さん
純はよくやった
ーー第11話が特にそうでしたが、物語後半にかけて純が責められる展開が多かったような……。
坂田:結構最初からボコボコに言われていた気も(笑)。ただ、そもそも純の状況って人からあまり理解してもらえないんですよね。それは恵まれすぎているからなのかもしれませんが。
ーーたしかに、幼馴染の双子が隣に住んでいる状況はなかなかないですよね。
坂田:しかも両方から好かれていて。配信で「早く選んで」とか、「純はやめたほうがいい」なんてコメントを見かけるんですけど(笑)、僕としてはよくやったほうだと思うんですよね。やっぱり、この物語における純という存在は、双子を輝かせる舞台装置の側面がありますから。僕としては、その舞台装置としてお芝居ができていたら嬉しいなと思っています。
ーー後半は上ずった声が出ていたりと、お芝居から人間らしさやかわいらしさが伝わってきた気がします。
坂田:そうなんです、彼だって人間なんですよ(笑)。悩んでいるからこういう状況になってしまっているだけなんです。
ーー物語を終えたところで、後本さん、内田さんは純に対してどんな印象を持っていますか?
後本:いろいろなご意見があるとは思いますが、自分が双子に言い寄られる立場になったら選べる自信がないなって。どちらかを選ぶって結構残酷ですし、どちらを選んでもハッピーエンドにはならないと思うので、やっぱり純と同じになっちゃうかも。そういう意味では、私たち双子に思われたが故にいろいろと悩ませてしまって申し訳ないなって(笑)。
一同:(笑)
内田:私は、純くんは本当に人間らしいと思います。第11話で琉実のところまで走っていくところとかかっこよかったですし。あと個人的に、電話で琉実に怒られるところがすごく好きで。言わなくてもいいことを言っちゃうところとかキャラクター性がよく表れていますし、そこが那織が純に惹かれる理由なんだろうなと思いました。そして、この先が気になりますよね。きっといろいろなことがあるんでしょうけど、その中で純くんは一番成長する気がしていて。
坂田:伸びしろしかないですよね。
内田:そうそう! 今はまだ“やっとここまで来れた”という段階なので、ここから先の純くんの活躍はぜひ原作を読んでほしいです。
リアルすぎる“めんどくさかわいいムーブ”
ーーこれまでのエピソードで印象深いものはありますか?
坂田:第8話ですね。那織が“仲間外れにしないで”とヘラってしまうところで、「めんどくせぇ……」と思ってしまって(笑)。
一同:(笑)
坂田:あれは“めんどくさかわいいムーブ”と言えばいいんでしょうか(笑)。フィクションといえど、めんどくささがリアル過ぎて印象に残っています。
ーープレゼントを琉実に少し早く渡しただけでしたからね。
坂田:ただ、今までの積み重ねだったんじゃないかなって。あの時期は那織には秘密で、琉実と一緒に慈衣菜のことを決めていたりしましたから。そして、その積み重ねたものが爆発した展開でもあるという、この一連の流れは好きですね。那織の寂しがりやな一面が表れたという意味でも。
後本:私も同じシーンを言おうとしていました。那織はこれまで、自分のしたいことは作戦を練って遠回しに人を転がしながら実現させてきたんですけど、あのシーンだけは那織自身が直接やめてほしいと伝えに行っていて。那織の乙女心がすごく垣間見えました。だから、めんどくさいとか言わないでください! 女の子にそんなこと言っちゃだめです!(笑)
(俯く坂田さん)
後本&内田:(笑)
後本:強がっていたものの、那織は那織で悩んでいたんだなって。あのシーンで人間らしさ、乙女らしさが伝わってきてグッときました。
ーー乙女として共感できたのですね。
後本:共感しましたね。那織が直接伝えに行くなんて、それだけ強く思っている証拠なんですよ。甘えた感じになるのはちょっと計算が入っているとは思いますが(笑)、そこは那織らしいかわいさですし、男の子としても嬉しいんじゃないかなって。
ーーめんどくさいと思ってすみませんでした(笑)。では内田さんはいかがでしょうか?
内田:私は第5話ですね。那織役として“やってやった感”があって、すごく楽しかった思い出があります。物語的には琉実のことを姉ではなく、“琉実”として対等な存在だと考えるようになっていて、「あぁ、これが『恋は双子で割り切れない』なんだな」って。良い最終回みたいでしたね。
第1話からここまでずっと重かったじゃないですか。私としても最初、どんな物語になるのか予想できませんでしたし、エンディングも通常バージョンではなく、電車バージョンが続いていて。そんな中、第5話で「こういうことか」と理解できて。そして、そこからの慈衣菜ですよね。ここで新たな関係値が生まれたということもあって、より印象に残っています。
ーー大きな起点となった回ですね。
内田:そうですね。第5話まですごく長いこと演じていたような気がします。
ーー演技面で印象的なシーンはありますか?
坂田:琉実がブチギレるところはすごくリアルだなって。女の子って本気で怒るとああなるかなって思いました。
内田:生っぽかったね。
坂田:そうですよね。僕としても、後本さんのおかげで気まずい気持ちになれたので、リアルな掛け合いを引き出してもらえたんじゃないかなと思います。やっぱり琉実って、外側から作っていくと演じるのが大変なんじゃないかなって。でも後本さんは内側から役を作っているから、こちらとしても自然な感じにお芝居を受け取ることができたんですよ。
後本:私も、そのシーンのアフレコのことをよく覚えています。坂田さんの隣だったんですけど、怒ったら坂田さんがビクビクしていて(笑)。そのあとも、「そんなに大きな声で怒らないでよ(笑)」って言われて。
一同:(笑)
坂田:心が小動物なので大きな音に反応しちゃうんですよ(笑)。
内田:(笑)。私は双子で喋っているシーンですね。後本さんとは最初から波長が合うなと思っていたんですけど、第5話あたりからよりスムーズになって、すごくやりやすかったことを覚えています。Xで公開されている割り切れないボイスや、ビジュアル動画のボイスもふたりで収録したのですが、そこでも改めて相性が良いなと思って。
そもそも、後本さんとはこの作品で初共演で、そこから双子を演じるにあたって「どうなるんだろう」と思っていて。そんな中、一緒に歌ったり、ときには喧嘩するシーンもあったりしましたが、終始、良いバランスで演じられました。
ーー後本さんは内田さんとの掛け合いを振り返ってみていかがですか?
後本:最初は内田さんが合わせてくださっていたんですけど、第5話でお互いの気持をぶつけあい、姉妹の仲がひと段階深まったことで、私としても波長が合ってきていると実感するようになりました。そこから無事に第12話まで録り終え、ラジオでも長いセリフを打ち合わせもなしにぴったり合わせることができたりして……もう、この作品を通して双子になれたんだなって実感することができました。
ーー素敵なお話の数々、ありがとうございました。最後に、物語を見届けたみなさんへメッセージをお願いします。
内田:最後までご視聴いただいてありがとうございました。ここまで、怒らずに見守っていただけて本当に嬉しく思います(笑)。物語としてはまだまだ割り切れない状態ですけど、これからも3人のことを応援してもらえたら嬉しいです。
後本:アフレコ現場からキャストやスタッフのみなさんと関わっていく中で、本当にみなさんの愛が溢れている作品だなと思っていました。それは視聴者のみなさんもそうで、Xとかで感想を見たら、こんなにも我々の愛が伝わっているんだと感動して。原作を含めて、これからも『ふたきれ』の応援をよろしくお願いします!
坂田:ここまでご視聴いただきありがとうございました。この作品、情報の切り抜き方がすごく上手で、キャラクターたちの行動や言動の裏に込められた“なにかしらの意味”の考察ができるような仕組みになっているんですよね。
純のモノローグが一切ないことなんかがそうなんですけど、それを背景やセリフのトーンを加味して考察できるところは楽しみ方のひとつなんじゃないかなって。そこは演じるにあたっても上手く表現できるように努めたところでもありますし、みなさんには改めて第1話から見直してもらうことで新しい発見があるんじゃないかなと思います。引き続き『ふたきれ』を楽しんでもらえると嬉しいです。
[取材 MoA]
連載バックナンバー
TVアニメ「恋は双子で割り切れない」作品情報
放送情報・配信情報
2024年7月10日(水)より放送開始!
【放送情報】
・AT-X:毎週水曜 23:30~
※リピート放送 毎週金曜 11:30~/毎週火曜 17:30~
・TOKYO MX:毎週水曜 25:00~
・サンテレビ:毎週水曜 25:00~
・KBS京都:毎週木曜 24:30~
・BS日テレ:毎週木曜 25:00~
【配信情報】
ABEMAにて地上波同時・単独最速配信決定!
・ABEMA 7月10日(水)より毎週水曜 25:00~
7月15日(月)25:00~以降、下記サイトにて順次配信開始予定
≪見放題サイト≫
dアニメストア
U-NEXT
アニメ放題
Lemino
バンダイチャンネル
Hulu
DMM TV
TELASA(見放題プラン)
J:COM STREAM
milplus 見放題パックプライム
Prime Video
FOD
≪都度課金サイト≫
music.jp
ビデオマーケット
カンテレドーガ
HAPPY!動画
イントロダクション
いつまでも、ただの幼なじみじゃ居られない──
初恋こじらせ系双子ラブコメ開幕!
白崎純と琉実・那織の神宮寺姉妹は小さいころから家族同然で育った幼なじみ。
見た目ボーイッシュで乙女思考な姉・琉実と、
外面カワイイ本性地雷なサブカルオタの妹・那織。
顔はそっくりだけど全く正反対な2人。
純はいつからか芽生えた恋心を抱えながらも、特定の関係を持つでもなく交流は続いていたのだけれど……
「わたしと付き合ってみない? お試しみたいな感じでどう?」
琉実が発したこの一言が、3人をいびつな三角関係へと導いていく――
STAFF
監督:中西基樹
シリーズ構成:横手美智子
キャラクターデザイン:渡辺 舞
美術監督:原本さつき(クリープ)
色彩設計:松浦友里枝
撮影監督:佐々木明美(トムス・フォト)
3Dディレクター:宮崎 渉(クリープ)
編集:齋藤朱里(三嶋編集室)
音響監督:納谷僚介
音響効果:斎藤みち代
音楽:うたたね歌菜
アニメーションプロデューサー:應地一晃
主題歌情報
オープニングテーマ「パラレルなハート」
歌:内田真礼
作詞:敬也(amazuti)・宮崎 諒(amazuti)
作曲・編曲:宮崎 諒(amazuti)
エンディングテーマ「ハニーシトロン」
歌:神宮寺琉実(CV.後本萌葉)、神宮寺那織(CV.内田真礼)
作詞:ぽん
作曲・編曲:HIDEYA KOJIMA
CAST
白崎純:坂田将吾
神宮寺琉実:後本萌葉
神宮寺那織:内田真礼
森脇豊茂:福原かつみ
浅野麗良:池田海咲
亀嵩璃々須:大野柚布子
雨宮慈衣菜:石原夏織
推奨ハッシュタグ:#ふたきれ #恋は双子で割り切れない
原作・コミカライズ情報
原作小説
恋は双子で割り切れない
著者: 髙村資本 イラスト:あるみっく
発行:株式会社KADOKAWA(電撃文庫)
1巻~5巻好評発売中!
最新6巻、2024年7月10日発売!
コミカライズ
恋は双子で割り切れない
作画:OKARI 原作: 髙村資本 キャラクターデザイン:あるみっく
発行:株式会社KADOKAWA(電撃コミックスNEXT)
1巻~2巻好評発売中!
★電撃だいおうじにてコミカライズ連載&コミックウォーカーにも掲載中!
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM06203083010000_68/