秋アニメ『君は冥土様。』熊谷俊輝さん（横谷人好役）×上田麗奈さん（雪／シュエ役）インタビュー｜ドジで天然。元“暗殺者”であるメイドさんの可愛さが魅力

この現場が初対面だったという2人、アフレコを通してギャップを感じたところは？

――お互いの演じられているお芝居や声を聞いた印象はいかがでしたか？

熊谷：雪さんは、最初から無表情なところが多いキャラクターなんですけど、上田さんの演技で印象的だったのは、台本で「…」という三点リーダーのところを、あえて読まないことがあったり、ニュアンスを入れていたりしたところなんです。お話が進むにつれて、アドリブのバリエーションがどんどん増えていったので、雪さんに感情が芽生えていくのをすごく感じることができたんです。

上田：意図して入れずにいた序盤から、どんどん増えていくっていうのは確かにあったかもしれない。

――先程言っていた、少しずつ変わっていく姿の部分ですね。熊谷さんの演じる人好はどうでしたか？

上田：熊谷さんは、すごく生身の人間に響くしゃべり方をされている印象があったんです。つまり、実際にアフレコをしている上田に届く感じというか。雪と人好が会話をしているのが成り立っている上でですけど、相手に言葉を掛けよう、伝えようっていうのが強い方だと思うんです。

なので、アフレコの空間内にいる私にも、今、こういうふうにしゃべりかけてくれているんだなとか、これを伝えたいんだなっていうのが、全部がわかるようになっていて、それがすごくやりやすかったし、温度感が伝わってきました。それも人好と同じで、温かみがあるんですよね。ここまでちゃんと言葉を掛けてくれる人とだったら、雪も心がほぐれるだろうなって思うようなお芝居でした。

熊谷：嬉しいです。ありがとうございます！

――監督とのやり取りは、どういうものがありましたか？

上田：毎回渡辺さんが、直接ブースに入ってきてディレクションをしてくださっていたんです。

熊谷：渡辺さんはすごく明るくて優しい方で、途中でダジャレとかも言いながらユニークにディレクションをしてくださるんです。だから、すごく楽しい現場でした。

　
上田：場を和ませてくれる方だったので、緊張せずにできたのは本当にありがたかったです。第1話のときに、先程話していた、テンションの違いみたいなところは、言ってくださっていた気がします。雪は淡々と、決められたことをしゃべっている冷静な感じで、ロボットみたいな感じでもいいですと。人好くんは、テンションを上げて、その対比で面白くしていきたいと言ってくださっていました。

あとは雪さんの心の開き具合も、ここの話数ではちょっと開きましょうとか、そういうところまで監督がしっかりと言ってくださったので、とてもやりやすかったです。

――雪のギャップが魅力的ですが、この作品で一緒に演じてきて、お互い、ギャップを感じたことはありますか？

熊谷：第1話のアフレコが2人きりだったんです。しかもそれが初対面で。その時は、本当に上品でおしとやかな人だなと思いました。僕が言うのもあれですけど（笑）。

でも、アフレコを重ねていき、飼われているペットの話になるとすっごくテンションが上がられていることがあって、それはすごくギャップがありました。

上田：かわいいものに弱いんです…。そっか〜。まったく意識してなかったなぁ（照）。熊谷さんは、ギャップというか、そうだよな！と思ったのは、初対面のときからすごくしっかりされていて、大人っぽい印象があったんですけど、今、高校生なんですよね（笑）。

学校のこととかを聞いたりすると、令和の放課後に遊ぶ場所がない事情とか、いろいろな高校生事情を教えてくれて、そういえば高校生なんだよなって再認識しました。そのくらい、年齡と印象のギャップがすごいんです。あと、お母さんが作ってくれたおにぎりを食べているところを見たとき、かわいい！って思いました（笑）。家族の関係性とか、お弁当文化に触れて、そこでも、高校生なんだなって思いました。

――では最後に、TVアニメ『君は冥土様。』の見どころを教えてください。

熊谷：とにかく雪さんの天然さと、人好くんの歩み寄るようなところのすれ違い、ラブコメが魅力だと思います。あと新キャラ、新動物？みたいなものにも、注目してもらえたらと思います。

上田：コミカルだったりシリアスだったり目まぐるしく変わる中にある、心温まるストーリーというものに惹かれて、ずっとアフレコをしていました。きっと観たら優しい気持ちになって、周りの人にも優しくしてみようかなって思わされるような作品だと思うので、ぜひ楽しんでください。

　
［文＆写真・塚越淳一］

作品概要

あらすじ

ある日突然、メイドさんが営業に来た──。
高校生・横谷人好の家に突然の来訪者が現れた。
黒髪で清廉、丁重な言葉使いが特徴的なメイドさん。
第一声は「私を雇って欲しい」。
彼女は前職が”殺し屋”、特技は”暗殺”、家事は全くの初心者で”ドジっ子”
運命の出会いから、メイドさんと同じ屋根の下での共同生活がスタートする…！？
だんだんと、感情を知らない彼女の心が揺れ動いていく──。
これは、ひとりぼっちだったメイドさんに”家族”ができるまでのお話。