構えることなく、自然体で。織田作の“不殺”を胸にーー『文豪ストレイドッグス』「黒の時代」編リバイバル上映会&トークショーに織田作之助役・諏訪部順一さん、倉兼千晶プロデューサーが登壇
アニメならではの「友達だからな」のセリフが劇場版『DEAD APPLE』へ!?
また、「最後の織田作と太宰との掛け合いがとても印象的でした。『友達だからな』というセリフもアニメにしかなくて」と話す司会に、「太宰との最後のシーンは、『もう少し気持ちを掘り下げたかったかも』という思いが正直なところあります。でもまぁ、監督のOKはいただいて、これはこれでとも思うのですが(笑)。あのようなシチュエーションで、友達と呼べる人がいるのはいいですよね、やはり」と諏訪部さん。
倉兼さんはその言葉にうなずきながら「あの最後のシーンがあったからこそ、劇場版の『DEAD APPLE』に繋がっていくのかなと思います。もし原作のままの「黒の時代」編だったら、ああいう解釈の太宰にならなかったかもしれませんね。『友達だからな』と『人を救う側になれ』と織田作から言われたことのアニメの太宰なりの考えが『DEAD APPLE』に出ていたと思います。それでも、原作の編集部さんから『これはちゃんとした史実の『文豪ストレイドッグス』です』と言っていただけてありがたかったです」。
壮絶なバトルを繰り広げたミミックの司令官、ジイドについて諏訪部さんは「最後の戦いの時、ジイドが突然、作之助と下の名前で呼ぶんですよね。距離の詰め具合に驚きました。いきなり親友気取り?って感じで(笑)」と会場の笑いを誘います。
これについて倉兼さんは「同じ異能力を持っているから通じるものがあると思ったのかもしれません。特異点が発動した際の会話は体験した者にしかわからない世界ですし。だからこそ織田作とジイドは一緒に死にましたが、太宰はそこにたどりつけなかったわけで。それまで太宰は自殺したがっていましたが、織田作の死から“心中したい”と言うようになって。連れていかれてしまったという気持ちが多少なりともあるのかなと感じる事もあります。作品をどう受け取るのかはファンの皆さん一人ひとりなので、明確な解答はありませんが」。