秋アニメ『ネガポジアングラー』第5話 上村 泰(監督)×岩中睦樹(佐々木常宏 役)振り返りインタビュー|藤代役・菅原さんの顔の広さに岩中さんが驚愕!?
毎週木曜22時よりAT-X・TOKYO MXほかにて好評放送中のオリジナルTVアニメーション『ネガポジアングラー』。自身も大の釣り好きである上村泰監督が、『BLUE GIANT』・『幼女戦記』を手掛けたNUTとタッグを組んでお届けする、「釣り」を題材にしたアニメとなっています。
不幸続きな青年・佐々木常宏が「釣り」を通じて、様々な出会いや経験を積んでいく様を描く本作。アニメイトタイムズでは、上村監督と佐々木常宏役の岩中睦樹さんに各話ごとの感想や収録エピソードなど、たっぷりとお話を伺ってきました! 毎話ごとの振り返りインタビューとして、各話放送後の金曜日に毎週更新中。ネタバレ満載となっていますので、ぜひ各話を見てからご覧ください!
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釣りのハウトゥーを重視するより「釣りって面白い」と感じてもらえるドラマをまず描きたい
──今回は初心者向けの釣り方や登竜門とも言える虫エサ、なぜ釣りが好きなのかという根本的な問いかけなどが登場しました。5話にして初心者向けの釣り方を改めて描くというのは釣り作品としては珍しい気もしますが、意図があるのでしょうか?
上村:今作は”釣りアニメ”ですが、同時に「ドラマも見せたい」というところで、段階を追って釣りのハウトゥーをしていくよりは「釣りってこういうものだよ」とか「釣りって面白いよね」といった釣り自体の面白さを感じてもらいたいと思っています。
それこそ大きい魚が掛かったらうれしいじゃないですか。それはやはり一つの魅力なので、1話で……結局釣れませんでしたけど、「こんなに大きな魚がこんなに近くで釣れるんだ」みたいなものを見せたかったんです。なので最初にそういったドラマがあってから釣りがあるという見せ方をしていったら、この順番になっていったっていう感じですね。
──そんな5話を見た感想はいかがでしょうか?
岩中:こずえにドギマギするところとか、1話の時に言っていた「常宏を通して自分を見ている」というのがすごく恥ずかしくなった回でした(笑)。あんな照れ方を僕自身がするかどうかはわからないですが、でもあそこまで距離感が近いとちょっと勘違いしちゃいますよね。
上村:あの距離感は狙ってやっているのか天然なのかわからないんですよね。
岩中:本当にわからないですよね。いやでも逆に、分からないほうがいいのかもしれない(笑)。
上村:こずえのことをそこまで深くは掘り下げていませんが、色々なことを経た上でこずえなりのコミュニケーションの仕方がああだというだけなんだろうなとは思います。
でもやっぱり男性は勘違いしちゃいますよね(笑)。
岩中:かわいいから仕方ないですね(笑)。
──好きなシーンはどこでしょうか?
岩中:僕は釣具屋で常宏とこずえの2人で買い物しているところが好きです。こずえの口元がアップになったり、特別なカットで描かれたりしているんですよね。常宏からはこずえがこんな風に見えているんだって思いました(笑)。
上村:常宏がドキッとした時に、マンガ表現的なハートではなくて、リアルな心臓が飛び出してくるんです。それを見た時に「え、心臓でちゃうの!?」って思わず笑っちゃいました。室井ふみえさん(5話の絵コンテ・演出担当)の演出は本当にすごいですね。
──今回、常宏は高額のいいリールに憧れて子どものような表情を見せたり、こずえにデレデレしているシーンなど、急に人間味が出てきた気がします。
上村:しかも(最終的にリールを)買ってしまうっていうダメさがまた…借金があるのに(笑)。
岩中:あのリールも実際にあるものなんですか?
上村:実際にあるものをモデルにしています。
岩中:すごいですよね。釣り具ひとつひとつにしても描写が丁寧ですし、実際にあるものをしっかりモデルにしているということで、とても見応えがありました。(釣具屋のシーンで)「こんなに種類あるんだ!」って思いましたし。どれを選んだらいいかわからないので、絶対誰かと一緒に行かないと……。
上村:釣具屋に行ったことがない方と一緒に行くと、やはり情報量に驚かれることが多いです。ルアーの種類だけでも一体何種類あるんだというくらい沢山ありますからね。釣りに詳しい人といかないとわからないかもしれませんね。
岩中:釣具屋といえばひとつエピソードがありまして。アフレコ後に釣具屋さんに行ってみたいって思ったんですが、周囲に釣り好きな友達がいるわけでもないんで「一人で行っても……」ってなっていたんです。
でもこの作品で海上釣り堀での撮影があって、その釣りロケ番組を撮った時に(藤代役の)菅原さんに「釣具屋さんに行ってみたいんですけど、わかんなすぎてどうしたらいいか教えてください」という話をしたら「どこ住んでるの?」と聞かれて、「そこの近くにある釣具屋さんに●●って人がいるんで、その人に僕の名前を出せば教えてくれるから」って言われて。「どんだけ顔広いの! すごすぎ!」ってなりました(笑)。なので、その情報を元に今度釣具屋さんに行こうと思います。
[文・二城利月]
作品概要
あらすじ
鬱々とした日々を過ごす常宏は、ある日借金取りに追われ海に転落したところを、釣り好きの少女ハナとその釣り仲間の貴明たちに助けられる。
ハナに勧められるまま人生初の釣りを経験し、その釣り仲間とも親交を深める常宏。
ハナや貴明の働くコンビニでバイトも始め、難解な釣り用語や生アミの匂いに苦戦しながらも、徐々に釣りにハマっていく。
手元に伝わるアタリは、生の実感――。
転落し続け世界を見上げるだけの人生は、そう簡単に変わらない。
そんな常宏が釣りを通して見つけたものとは……?
キャスト
(C)NEGAPOSI-ANGLER PROJECT