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『魔王2099』第3話:互いを認め合う魔王と勇者の関係性に“エモさ”を感じた

秋アニメ『魔王2099』第3話振り返り|この魔王、超ノリノリである。相容れない存在同士でありながら、互いを認め合う魔王と勇者の関係性に“エモさ”を感じた

現在放送中の、ファンタジア文庫で刊行中の紫大悟先生のライトノベルを原作としたアニメ『魔王2099』。究極の発展を遂げた未来都市・新宿に蘇った、500年前に滅びたとされる伝説の魔王・ベルトールの活躍が見どころとなっている作品です。

今回も第2話に引き続いて第3話の内容を振り返っていきたいと思います。

なお、本記事は『魔王2099』第3話までのネタバレを含んだ内容となっておりますので、第3話をご覧になった上でご一読ください。

 

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魔王2099
統合歴2099年―――不死の王国を統べていた、伝説の魔王・ベルトールが迎えてから500年―――魔王再臨の刻、来たれり。サイバーパンクシティ『新宿市』。天を貫く超高層ビル群、宙を錯綜する極彩色のネオン光―――魔導工学の技術革新によって栄光ある発展を遂げた、究極の未来都市。魔王が降り立った世界は、かつての絶対支配者を置き去りに、驚愕の進化を果たしていた―――。巨大都市国家が手にした、華々しい繁栄。しかし……その裏に隠されていたのは―――恐るべき“闇”だった。輝かしくも荒んだ“新たな世界”を再び支配すべく、魔王は未来を躍動する!作品名魔王2099放送形態TVアニメスケジュール2024年10月12日(土)~TOKYOMXほかキャストベルトール=ベルベット・ベールシュバルト:日野聡マキナ=ソレージュ:伊藤美来高橋:菱川花菜グラム:浪川大輔マルキュス:松風雅也木ノ原:伊藤静スタッフ原作:紫大悟(KADOKAWA/ファンタジア文庫刊)キャラクター原案:クレタ監督:安藤良シリーズ構成・脚本:百瀬祐一郎キャラクターデザイン:谷川亮介 諏訪壮大美術監督:泉健太郎色彩設計:店橋真弓撮影監督:酒本悠資編集:近藤勇二(REAL-T)音響監督:明田川仁音楽:加藤達也アニメーション制作:J.C.ST...

 

第2話 振り返り記事はこちら

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そのゲームチョイスは初心者には酷すぎるのでは?

第2話では職探しに大苦戦し、マキナの友人である高橋から「配信者」という職業を教わったベルトール。当初マキナは猛反対(魔王の威厳に反するのもあるでしょうけど)しつつも、ベルトールが褒められると満更ではない態度になったり、ベルトールが高橋を頼ると見るからにヤキモキするような声を出したり、コロコロと表情がかわるマキナが反則級のかわいさです。

 

 
そんなマキナのサービスカットでは、一人暮らしが長すぎてつい油断して恥ずかしいところを見られてしまうのは共感してしまいました。おそらくマキナは夏ならズボンとか履かずにTシャツと下着だけで過ごしているタイプの気がします。

一方、ベルトールは魔王としての能力によって、パソコンやコントローラーの使い方は瞬時に理解したものの、使いこなすのは中々難しいようで、またゲームのプレイスキルはサッパリの様子。生まれてこの方ゲームなんてプレイしたことないと思うので下手であるのは当たり前ですが、よりにもよって某有名死にゲー的なタイトルを選ぶのは、なかなかチャレンジャーだなと……。

もっともベルトールはメンタルも最強なので杞憂でしたが、人生初のゲームが死にゲーなのは色々トラウマにならないかと心配しつつも、思い返すと自分が子供の頃にプレイした古いゲームもだいたい理不尽の塊ではあったので、案外イケるのかもしれません。

 

 
ただ、ゲームのチョイスはともかく、結構な値が張りそうな機材を提供するだけではなく、一番お金のかかるプロモーションまでやってくれて、高橋の存在のありがたみがすごい。ベルトールが配信者として伸びると確信しているからこそ、一種の投資としてやっている面もあると思いますが、第2話で履歴書をくれたおじさんといい、意外と面倒見がいい人が多い街なのかもしれません。

だいたいそのあたりで、第2話のラストでちらっと描かれていた、ノリノリで配信するベルトールのシーンに時系列が追いついた形でしたが、投げ銭を「上納金」と言い換えるワードセンス、コメント欄といい感じにプロレスしていたり、やはり高橋の目は確かだった様子。普通に一視聴者としてベルトールの配信を見てみたいと思ったのは自分だけではないはず。流れてくるコメントは演出上読み上げられていましたが、あれは実際に声優さんが声をあてたものなのだとか。

個人的には、配信が終わった直後のカットで、ベルトールがちょっと肩の力を抜いて息をつくような仕草をしていたのも、「やっぱり配信用に多少キャラクターを作っているんだな」と感じられたのも面白かったです。

 

 

かつて自身を滅ぼした宿敵、勇者・グラムとのまさかの再会

配信活動も順調に成果が出始め、心なしか表情も生き生きとしてきたベルトールでしたが、そんな矢先に遭遇したのは、かつて自分を滅ぼした本人である勇者・グラムでした。グラムは定命だったので本来であればとうに亡くなっている筈ですが、女神・メルディアから“不老”の祝福を授かったので500年後の今の世界に生きていました。かつての仇敵同士が屋台で並んでうどんをすすり合うのは、なかなかシュールな光景で面白い。

グラムらしき人物の姿は、これまでのシーンでもちらっと映っていて、その時から不穏な雰囲気を漂わせてはいたのですが、勇者として散々都合のいいように使われた挙げ句、自分が守ってきた人々に裏切られる……。ファンタジー作品において、「魔王を倒した後の勇者がどうなったか」っていろいろ読者の想像を掻き立てられるポイントですけど、グラムが辿った顛末はあまりにも救いがないと言えます。

普通なら人間に対して絶望し、完全に闇堕ちしてしまいそうなところなんですが、それでもベルトールが唱える支配による平和を良しとせず、何度裏切られても人間の善の部分を信じ続けているあたり、グラムは本当の意味での勇者なんだなと感じられたのがすごく良かった。

 

 
魔王の側を主役にした作品は、ライバルである勇者の側が悪役っぽくされたり、割を食うことが結構ありますが、本作はグラムの側にもしっかりと信念があり、互いに相容れない存在として認識していながらも、ベルトールもその在り方に敬意を払って認めているという関係性が実に尊いです。

その後には、第1話でベルトールをボコボコにしたチンピラが再登場しましたが、配信効果で信仰力をある程度取り戻したベルトールが、見事なリベンジに成功しました。

結局ファミリアは使えないというハンデを背負ったままだったにも関わらず、すでに圧倒的な実力を取り戻してるあたり、さすがは魔王といったところ。とはいってもダメージをまったく受けないわけではなく、一度ヤバい方向に曲がった腕が修復していくのはちょっとショッキングな光景でしたが、その後の敵の拠点に乗り込んでからのアクションシーンは見応えがあります。一度はドン底まで落ちた主人公が、少しずつ這い上がってくる流れは王道で、やはり燃えますね……!

第3話ラストのマルキュスと秘書・木ノ原コンビのやり取りは、木ノ原が意識高い系を思わせるビジネスワードを独特の発音で連発するのに笑いました。ただ、ギャグっぽさがカモフラージュみたいになっていて気づきにくいですが、計画を嗅ぎつけていた何者かをパージしたという発言があったり、ベルトールへの復讐とはまた別に、マルキュスたちが裏でかなりキナ臭いことをやっていることも間違いなくなってきました。

 

 
ベルトールの配信シーンの途中で、家に出入りするマキナが監視されているような意味深なカットが入っていたのも気がかりなところ。ベルトールが新宿での生活を満喫している裏で、そろそろ大きな転機が訪れそうな予感がします。

 

作品概要

 

あらすじ

統合歴2099年―――
不死の王国を統べていた、伝説の魔王・ベルトールが迎えてから500年―――魔王再臨の刻、来たれり。
サイバーパンクシティ『新宿市』。天を貫く超高層ビル群、宙を錯綜する極彩色のネオン光―――
魔導工学の技術革新によって栄光ある発展を遂げた、究極の未来都市。
魔王が降り立った世界は、かつての絶対支配者を置き去りに、驚愕の進化を果たしていた―――。
巨大都市国家が手にした、華々しい繁栄。
しかし……その裏に隠されていたのは―――恐るべき“闇”だった。
輝かしくも荒んだ“新たな世界”を再び支配すべく、魔王は未来を躍動する!

 

キャスト

ベルトール=ベルベット・ベールシュバルト:日野聡
マキナ=ソレージュ:伊藤美来
高橋:菱川花菜
グラム:浪川大輔
マルキュス:松風雅也
木ノ原:伊藤静

 

放送情報

2024年10月12日(土)24:00~ ON AIR
TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、BS11:10月12日より毎週土曜24:00~放送
毎日放送:10月12日より毎週土曜27:08~放送
中京テレビ:10月15日より毎週火曜26:19~放送
AT-X:10月13日より毎週日曜日22:30~放送
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

 

配信情報

dアニメストア、ABEMAにて地上波同時・最速配信決定!
10月12日(土)より毎週土曜24:00~
その他サイトも順次配信予定

 

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