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『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』津田健次郎(ウルフ役)インタビュー

『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』ウルフ役・津田健次郎さんインタビュー|悪役を演じる楽しさは「自由度の高さ」、神山監督からも「嫌われちゃうかも」と言われたウルフをどう演じる?

映画三部作で日本のみならず世界を沸かせた『ロード・オブ・ザ・リング』最新作がついに公開。2024年12月27日(金)公開の『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』は、アニメ映画ということで、日本語の声優が気になっていた方も多いはず。

今回は主人公ヘラの幼馴染でありながら、彼女の前に立ちはだかる強大な敵・ウルフを演じた津田健次郎さんにインタビューを行いました。

近年、津田さんの活躍は目覚ましいものがあり、それは読者のみなさんも周知の事実かと思います。ウルフについてはもちろんのこと、数々の大役を演じ続ける津田さんの今を少しだけお話いただきました。

 

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ウルフは、全然格好良くないのが非常にいいなと(笑)

──『ロード・オブ・ザ・リング』をご覧になったことはありますか? 当時ご覧になった印象などを教えてください。

津田:最初に観たときは、「めちゃくちゃ本気のファンタジーが出てきたな」と思ってびっくりしました。世界観の作り込みには本当に驚きましたね。

『指輪物語』はファンタジーの元祖とも言える存在で、あれがなければロールプレイングゲームが生まれなかったと言われるほどのファンタジーの王道です。その王道を映像化するとこうなるのかとびっくりしましたし、面白かったですね。

 

 

──そのような大作にご自身が参加されることが決まった時の感想を教えてください。

津田:このシリーズはすでに一つの完結した物語として完成している作品なので、まさか自分がその世界に参加できるとは思っていませんでした。光栄ですね。しかもすごく面白い作品に参加できて嬉しいです。

──しかも、今回演じるウルフはかなり良いキャラクターでしたね。

津田:ウルフは、全然格好良くないのが非常にいいなと(笑)。神山健治監督とも話しましたが、「もしかしたらウルフは嫌われちゃうかもしれないですね」と言われて(笑)。僕も「まあ嫌われるよね」とは思いました。

でも逆にものすごく愛されるかもしれないとは思っていて。彼はクールでワイルドなイケメンという印象があるんですけど、その実、とっても器が小さいしょぼいところも持っていて……。そこが魅力でもあるなと。

 

 

──登場人物の中でも特に人間臭いキャラクターかもしれません。

津田:本当に子供みたいな性格で、未熟なところがあります。あそこまでのキャラクターはなかなか珍しいですよね。なので割と共感しやすいキャラクターだと思います。

──以前、新しい現場に入る際には挑戦や課題を持ち込むとお話されていましたが、今回の作品で挑戦されたことはありますか?

津田:アニメーションの現場には慣れている方ですが、ウルフのようなキャラクターを演じることはそんなにありませんでした。もっと強キャラを演じることが多いと言うか……(笑)。

未熟な若さを持っているキャラクターを演じることが新鮮でしたし、感情豊かに演じていければなと思っていました。そういった魅力の発見は大事にしようと思っていて。脚本に書かれていること、書かれていないところも含めて、彼のダメなところをいかに魅力的にできるかは考えていました。

特に収録時には、監督から「もう少し若さを出してほしい」というリクエストがあり、それを意識して演じましたね。荒くれどもを率いていくこともあって、貫禄が必要かなと思って、やっぱりどうしてもいかつく演じていたんですよ。

でも監督的には未熟さ、若さを表現したかったようで、そちらに沿うように調整していきました。その中に、「恋愛が上手くいかない」「ムカつく」といった感情を乗せていくような感じでしたね。

 

 

──役をつかむ上で印象的だったシーンや心に残った瞬間はありましたか?

津田:ウルフを演じる中で、特にヘルム王の次男のハマを殺すシーンが印象的でした。「あ、こいつ本当に最低なんだ……」と思いましたね(笑)。これは最低をしっかりとやっていくことが大事なんだなと台本を読んだときに感じました。

ラスト近くでヘラに襲いかかる場面も本当に最低で。最低を寄せ集めたようなクズ野郎なんですけど、イケメンのクズを魅力的に見せる必要がある。でも彼は親を殺されていたりもあって、彼なりの悲哀を表現しなきゃなと思いました。

そういうところに演じる面白みがあるし、ただの復讐劇ではない。差別されてきた悲しみと、いろんな要素が入り混じっていて、ただの最低男ではないというのが魅力なんでしょうね。

──ヘルム王が亡くなったあとのウルフの喪失感が印象的でした。あのシーンはどう感じましたか?

津田:ヘルム王を倒すという目的を達成してしまって気が抜けたところはあったでしょうね。ウルフの最大の原動力が失われてしまう。だから負けてしまったんだろうなと思います。そこからの彼は、恋愛のもつれしかなくて、それだけのパワーでは弱かったのかもしれませんね。

 

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