アリナとジェイドにとって、お互いが貴重な存在――『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』高橋李依さん＆熊谷健太郎さんインタビュー｜声優にとっての「残業」についてのお話も!?

ライラの「理想の後輩ムーブ」、ルルリとロウのくだけたやり取りにも注目

──次は、アリナとジェイド以外のメインキャラについても伺えればと思います。まずは高橋さんから、アリナの後輩のライラについて、どんなキャラクターで、どんな魅力があるのかを教えていただけますか？

高橋：ライラは新人の受付嬢で、アリナが3年目なのに対して、本当に入りたての子。弱音を吐くのがすごく上手で、「こういう後輩がいたら憎めない！」っていう感じの愛され後輩です。「できないです～、先輩～」みたいな感じで来られると「しょうがないわね」って、いろいろと教えてあげたくなるし、軽口も言いたくなる。「こういう後輩がいてくれたら、職場が明るく楽しくなるな」っていう理想の後輩ムーブをしてくれて、本当に愛おしくて可愛らしいです。

そんな子を、私も出会ってから歴が長い芹澤優ちゃんがやってくれているので、掛け合いが本当に楽しくて。マイク前ですごくプニャプニャしながら演じている姿も本当に可愛いんです（笑）。

熊谷：そうですよね（笑）。

──高橋さんと芹澤さんは同じ事務所に所属されていますが、同期くらいの関係ですか？

高橋：はい。出身オーディションが違うだけで、ほぼ同期ですね！でも、憎めなくてウザ可愛いさが詰まった後輩ムーブが本当に愛おしい。ライラも、みんなが大好きになるキャラだと思います。

──熊谷さんからは、「白銀の剣」のメンバーのルルリとロウについて、紹介していただけますか？

熊谷：ロウは普段の口調とかはすごく肩の力が抜けていて、飄々としている人物なんですが、バランサーという印象もあって、実は仲間のことをすごく見ている人。時折、彼が鋭い突っ込みをしてくれることで、ジェイドも気づかされたり、ルルリも助けられたりすることがいっぱいあります。すごく頼りになる仲間ですが、視聴者目線では、まだまだ底が知れない謎な部分の方が多い人物ではあると思います。

　
ルルリはとんでもなく頑張り屋な子で、自分が仲間のために何をしてあげられるか、何を成すべきなのかということを常に考えている。責任感がものすごく強い子だからこそ、いろいろと抱え込んでしまう部分もあって、ジェイドも「そんなに一人で悩まなくていいんだよ」という風に、どこか兄のような気持ちで接することもあるんだろうなって。頼りになる仲間であると同時に、兄妹的な意味で守りたくなる可愛らしさもある子です。

ロウは安田陸矢さん、ルルリは古賀葵さんがやられているんですが、この二人の掛け合いは、対ジェイドとはまた違う二人の砕けたやりとりになっていて。聞いていてすごく微笑ましいです。

──アフレコスタジオでの印象的な出来事があれば、教えてください。

高橋：監督が毎話、お菓子を持って来てくださっていて、全部美味しかったです！　「毎話持って来てくださるんだったら、第1話のときから全部写真撮っておけば良かった！」と思ったくらい。そうやって写真をコレクションしておけば、今度自分がお土産を選ぶときのリストにもできたのに（笑）。

ちょうどお腹が空く午後帯のお仕事だったので、たくさんカロリーを使った後に、甘い物があるのがすごく嬉しかったです。

軽快でリズミカルかつ、さまざまな想いが込められたこの作品をぜひリアタイで楽しんでほしい

──続いて、演じるキャラクターではなく、ご自身について伺います。お二人は、アリナのように人生において安定を求めるタイプですか？　それとも、冒険者のように刺激を求めるタイプですか？

高橋：アリナも受付嬢と同時に「処刑人」もやっているわけですが、両方やるのが私もすごく心地良くて。学生時代の部活も兼部していたし、2つくらいやっておきたいタイプなんです。

安定したものと、ちょっと自分の感情的にやれるもの、どちらの良さや楽しさも分かるので、安定した仕事をしながら、好きなことをやりたいかな。欲張りですが、どっちもやりたいです（笑）。

　
熊谷：僕自身、すごくビビリな性格だという自認があるので、基本的には安定という選択肢の方が頭の中に出てくるんです。

でも、そもそも単身、沖縄から東京に出てきて環境を大きく変え、養成所のオーディションを受けて事務所に入り、この仕事をしている。頭に浮かぶものとは裏腹に、たぶん無意識に選んでいるのは、安定ではなくて刺激のある方なのだろうとは思います。

──意識的に冒険する方を選んでいるつもりはないけれど、気づいたらそっちに向かっている？

熊谷：というよりも、やりたいことが定まったとき、脇目も振らずに行っちゃうタイプなんです。そこで安定を忘れちゃう瞬間があるというか（笑）。僕、アルバイトでも同じ職場で長く続けられたことがなくて。1、2年すると環境を変えたくなるんです。

ただ、声優という仕事は毎日違う作品、違う役、違う物語を演じることができるので、常に刺激と共にあるんです。これからもこの仕事を続けていきたいと思っていますし、やっぱり、刺激を求めてしまっているんでしょうね。

──では最後に、『ギルます』の放送開始を楽しみにしている読者に向けて、メッセージをお願いします。

熊谷：『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』、略して『ギルます』のアニメーションが、いよいよ、皆様の元に届く日が近づいてまいりました。現代社会でたくましく生きている皆様、日々の仕事にちょっとした疲れを感じている皆様は、アリナさんのパワフルな様を観て、ぜひぜひエネルギーをもらって欲しいです。

映像的にも、監督が「1話、すごく気合入ってます」と仰っていたので、ぜひテレビの前で、できればリアタイで、ジェイドと一緒にアリナさんの魅力に気づいていっていただけたらと思っています。ものすごく賑やかで心地の良い作品となっていますので、何卒よろしくお願いいたします。

高橋：私も『ギルます』のアニメがオンエアされる日を今か今かと待ち望んで楽しみにしていました。私も毎話リアタイしたいなと意気込んでいますので、皆さんも良かったら、ぜひ一緒に楽しみましょう。

まだまだ語りたい思いはたくさんあるのですが、作品の中での数えきれないほどのセリフ数に感情を込めてきたので、まずは第1話を観ていただきたいです。軽快でリズミカルなこの作品が、皆さんの日常にハマることを願っています。どうぞ、よろしくお願いします。

　
[取材・文／丸本大輔　撮影／MoA]

作品概要

あらすじ

〈ギルドの受付嬢〉。業務内容は絶対安全。公務だから立場も安定。

可愛い制服に身を包み、カウンター越しに笑顔で冒険者たちをご案内。受付時間が終わったら、のんびりと事務作業を済ませて定時に帰宅。愛しの我が家でくつろいで、さあ、明日も元気に働こうーー。

アリナ・クローバーは、そんな理想の職業に就いたはずだった。しかし。その実態は、理想とは程遠かったー

ひとたびダンジョンの攻略が滞れば、カウンターは大混雑。めんどくさい対応を求める冒険者もちらほら。顔で笑って心で泣いて、厄介な顧客をやり過ごしても、今度は大量の書類仕事が待っている。やる気は残ってないけれど、明日に回せばなおしんどい。おかげで来る日も来る日も残業地獄...ああ、もう我慢の限界!!

アリナが不満を爆発させると、隠し持った一面が顔を出す。チームで挑むことすら危険なダンジョンにソロで乗り込み、銀に輝く大鎚【ルビ:ウォーハンマー】で、強大なボスを叩き伏せる――。

何を隠そう彼女こそ、正体不明、神出鬼没、街で噂の凄腕冒険者〈処刑人〉その人だったのだ!!

でも、そのことは絶対に隠し通さなければならない。なぜなら受付嬢は副業禁止で、バレたら即刻クビだから...。アリナの平穏な暮らしは、守られるのか!?

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