
「選んだ道を正解にする」――春アニメ『左ききのエレン』に重ねた自身の葛藤|千葉翔也さん×内山夕実さんインタビュー
夢を追い続ける人へ2人からのメッセージ
──アニメで、自身のキャラクターの、こういう部分を見てほしいというのはありますか?
内山:この作品に関しては、トータルなのかなぁと思います。一生懸命生きている姿がいいし、だからこそ、ちょっとした些細な言葉が刺さったりすると思うんです。エレンも、いろんなバックボーンがあった上で今があるので、その全てがエレンが一生懸命生きてきた証だから、そこは難しく考えずに観てほしいです。
千葉:光一のモノローグが真理だなと思っていて……。悔しさだったり、許せないのがどこなのかだったり、思ったことが全部モノローグに出ていて、そのあたりが人間らしさだったりするので、モノローグは聞いてほしいです。あと、デザイナーとアーティストは全然違うという描写が自分的には響いているので、そのあたりには注目してほしいですね。
それに才能以外の、人間と人間の関係性についても、わりとドラマとして描かれているんですよ。恋愛的な部分とかも「ここはこんなにちゃんとやるんだ! でも人間ってそうだもんなぁ」と思ったりするんです。
──確かに恋愛ドラマもありますね。
千葉:突然ドラマみたいなことって起きるよなぁとか。
内山:脈絡がないもんね。
千葉:脈絡はないけど、結構人を掘り下げているので、面白い芝居になっているのではないかなと思います。ちょっと名前を呼び間違えるところから始まるドラマとかもあるので(笑)。
──ではまず、アニメを楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
内山:いろんな層の方が観ると思うのですが、自身の置かれている状況とか年代によって、見え方や捉え方が全然違う作品なんです。だからまずは今の等身大の自分で受け止めていただきつつ、歳を重ねてからまた見返していただいても面白いのではないかなと思います。個人的にはアニメから入った方は、これを機会に原作も手にとって、一緒に楽しんでいただけると、より深いところまでお楽しみいただけるのかなと思っています。
千葉:ひとつひとつの要素がとても大事な作品になっているので、もちろん全話観てほしいのですが、たとえばドラマって一週飛ばして観ても、なんか楽しめる良さがあると個人的には思っているんです。それは、その人たちが生きている感じを垣間見ているからだと思っているんですけど、結構このアニメに関しては、この話数が何を言いたいかという主張を受け取れても受け取れなくても結構楽しめると思っているので、身構えすぎずに観てもらえたら、自然と刺さる部分だけが残るのかなと思っています。
──この作品は、夢というのも大きなメッセージになっていると思っています。ぜひお二人から、夢を追う方たちへのメッセージをお願いします。
千葉:僕は最初の内山さんの話とは逆で、子役をやっていて、その時って100%親の意思でやっていたんです。時間制限があったので一度辞めて、そこからもう一度演者になろうと思ったとき、初めてではないのに、初めての挑戦みたいな感覚があったんです。そこで、行けるところまでやってみて、ダメだったらそこまでだし、逆にそれがわかるまではやりたいなぁと思っていたんです。ただ、いざ始めてみると、前やっていたからできて当たり前とか、自分で始めたという意思を、人に伝えるのがすごく難しいとか、自分の想定と常に逆を行ってしまう感覚がすごくあったんですね。だから光一の、何者かになりたいという気持ちがすごくわかるんです。
僕は、誰発信なのかというのはすごく大事だと思っていて、今は、とても素敵な作品にたくさん巡り合って、この仕事をできていること自体がすごく嬉しいんですけど、もし夢見ている人たちが、その夢を本当に自分が憧れられたと思っているのであれば、その気持ちを大事にしてほしいです。それに、もし親に言われて好きになったということに引け目を感じている人がいたら、それを享受できている自分も自分だから、それをプラスに変えて力にしてほしいなと思いました。自分だけで熱量が足りないということもあるので。
──きっかけが親だっただけですからね。自分から出た想いかどうかが大事なんですね。内山さんはいかがですか?
内山:私は自分で何かを選択することをすごく苦手にしてきて、親が敷いたレールを歩いてきた人生だったので、自分で何かを選択して、自分で道を選びたいと思ったのは、声優が初めてだったんです。それを諦めたときに心が折れて、自分には選択権がないんだと思ってしまったんです。ただ、そこから会社員をした2年間で、何もなかったかというと、決してそうではなく、そこでいろんなことを学べたし、その時間が無駄ではなかったというのを、この業界に戻ってきてからすごく感じることができたんです。
ただ、幼い頃の環境が影響しているかわからないんですけど、大人になってからも、何かをひとつひとつ選択することが、私にとってはすごく難しくて、その選択にすごいエネルギーをかけている人生にはなってしまっているんですよね。だけど、自分が選んだ道、選択をしたことは、どちらに転んでも意味があるものだし、選んだ道を、自分の力で正解にしていくものだと思っているので、道に迷っている人がいたり、今やっていることが無駄なのではないかと思っている人がいたら、そう思わないでほしいし、絶対にそれが糧になると思います。あとは、自分の素直な気持ちに正直に生きてほしいなとは思っています。今の環境から抜け出したいと思っているなら、逃げるのではなく、“違う選択をする”という気持ちでいればいいのかなと思っています。
──お二人のコメントが、夢を追いかけるすべての人に、届いたらいいなと思います。ちなみに、異ジャンルでもいいので、憧れている人、天才だなと思う人はいますか?
千葉:難しい……。みんな天才なんだよなぁ。
内山:私は上様です。マツケンサンバが好きすぎて、松平健さんも好きなんです。この前、舞台を初めて観に行ったら、4時間出ずっぱりで! 『暴れん坊将軍』で上様を演じ切ったあとに、ショータイムが始まるんです! 早替えもやるし、踊りもキレキレで、マダムたちが声を上げていたんですね。お歳を重ねてもエネルギッシュでエンターテイナーで、素晴らしいなと感動しました。
千葉:僕はお笑いを観るのが好きなんですけど、自分が本当に笑っているのを感じたときに、一度でもこれをやれたらすごいことだよなと思ったんです。僕、笑いだけは、ないよりあったほうがいいものだと思っているんです。感動というか泣きは、あったら豊かになるけど、なくても何も失わない気がするんです。でも笑いはあったら絶対に得だし、笑えない時点でマイナスだと思うから、そういう仕事を選んでいる方々には憧れていますね。自分自身、イベントとかラジオで、誰かが笑顔になってくれるのが嬉しいという思いがあるからこそ、それを第一に仕事にする人は、単純にすごいなと思います。
[文・塚越淳一]
作品情報
<放送情報>
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テレ東系列 毎週火曜深夜24時
AT-X 毎週金曜夜9時
リピート放送:毎週火曜朝9時/毎週木曜午後3時
<配信情報>
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<ストーリー>
高校生活も半分が過ぎ、誰もが本格的に進路を考えはじめる頃。デザイナーになるため美大を目指す朝倉光一は、ある日、美術館の壁に殴り描きされたグラフィティに衝撃を受ける。描いたのは、ある出来事をきっかけに才能を封じ込めてきた、左ききの女子高生・山岸エレンだった。
いつしか二人は「描く」ことを通じてお互いを認めあい、光一はデザイナー、エレンは画家への道を歩み始めるが――。
<スタッフ>
原作:かっぴー「左ききのエレン」
監督:鈴木利正
シリーズ構成:岸本卓
アニメーションキャラクター原案:後藤隆幸
キャラクターデザイン・総作画監督:福地祐香、玉井あかね
色彩設計:関本美津子
美術監督:佐藤豪志
美術設定:小幡和寛
撮影監督:有村駿
編集:増永純一
音響監督:明田川仁
音楽:パソコン音楽クラブ
オープニングテーマ:ALI「FUNKIN’ BEAUTIFUL feat. ZORN」
エンディングテーマ:紫 今「New Walk」
アニメーション制作:シグナル・エムディ/Production I.G
製作:アニメ「左ききのエレン」製作委員会
<キャスト>
朝倉光一役:千葉翔也
山岸エレン役:内山夕実
加藤さゆり役:石川由依
岸あかり役:関根明良
神谷雄介役:興津和幸
三橋由利奈役:天海由梨奈
柳一役:遊佐浩二
朱音優子役:結川あさき
流川俊役:新垣樽助
佐久間威風役:松田健一郎
公式HP:https://eren-anime.com/
公式X(旧Twitter):https://x.com/eren_anime_PR
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