この記事をかいた人
- 福室美綺
- 福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。親友であり敵のような複雑な関係性が大好物です。
──マレフィセントを演じたアンジェリーナ・ジョリーさんは、“多様性は強さでもある”とおっしゃっていました。妖精界と人間界、別々の世界が共存する難しさをフィリップ王子から見てどのように感じましたか?
小野:フィリップ王子は妖精に対して理解力があると思いますし、やっぱりオーロラ姫を好きな気持ちから始まっているので、何とか人間と妖精が共存できる道はないかと常に探している気がします。
なので、人間が味方とか、妖精が敵とかという考えではなく、フィリップが思うまっすぐな正義という部分を出せたらいいのかな、と思いました。
──だからこそ、小野さんのフィリップ王子からまっすぐさが溢れ出ていたのですね。
小野:それぞれのキャラクターに役割があると思いますが、フィリップ王子はオーロラ姫への愛が本当にまっすぐで、後々王様になっていくであろう王子としての決断、妖精界と人間界全員が共存できるように考えています。
そういう意味では、『マレフィセント2』は“ロミジュリ”の成功版かもしれません。
──ちなみに、妖精界と人間界、小野さんはどちらに住みたいですか?
小野:旅行みたいな感じで妖精界に行きたいです。
3泊4日で旅行に行ったとき「すごく良かったな!」って思っても、1か月以上住むことになると「ちょっと無理そうだな」と感じることがありますよね。それと同じで、妖精の国は3泊4日がちょうどいい感じがします(笑)
僕はどちらかというと向上心が強い人間なので、上にどんどん上り詰めていきたい思いがありますが、妖精の中には「俺は妖精の中でトップに立つ!」みたいな感じがあまりなさそうですし(笑)
一同:(笑)
小野:それはそれで平和の形として幸せに暮らせると思いますけど、何かしらの目標を立てて生きていきたいので、基本は人間界で時々妖精界に出かけるぐらいの感じがいいかもしれません。
──では、人間界でトップを取って……
小野:いや、トップは取らなくていいです(笑)
一同:(笑)
小野:ある程度、人間界で頑張りたいなという気持ちはあります。
──小野さんはさまざまな吹き替えやアニメ作品に出演されていますが、改めて吹き替えとアニメの違いを教えてください。
小野:吹き替えは役者さんの声が入っていますし、表情も絵ではなく実写で見られるので、役者さんのお芝居をリスペクトしながら演じています。
それと違ってアニメは場合によってはどういう状況かわからない絵もありますし、音も入っていない状態なので、その中で作り上げていくというところでは吹き替えと全然違います。
ただ、役者さんの声やトーンを似せようとすると声真似のようになってしまうので、そこはあまり合わせようとはせず、ニュアンスという部分で役者さんを意識しています。
──最後になりますが、小野さんから見た『マレフィセント2』の魅力を教えてください。
小野:やっぱりいろいろな“愛の形”が描かれているところが魅力だと思います。ヴィランの中にも正義と愛があったり、親子や恋人としての愛情があったり。
魅力的で愛されるヴィランがいるというだけでも、『マレフィセント2』としての魅力の1つです。
僕自身、ディズニー作品は何度か吹き替えをさせていただいていますが、今回は王子役ということで大変光栄なことですし、僕にとっても思い入れのある作品になりました。
恋人、親子など、いろいろな愛の形があって誰が見てもきっと楽しめる作品になっていると思いますので、ぜひ劇場で吹き替えでご覧ください。
[取材・文・写真/福室美綺]
福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。好きな作品は『Free!』『NO.6』『十二国記』『ギヴン』『新世界より』など。好きな声優さんは保志総一朗さんと坂本真綾さん。ハッピーエンドよりも意義のあるトゥルーエンドや両片想いが大好物な関係性オタクで、主にイベントレポートやインタビューを担当しています。最近はVTuberがマイブーム。
日米同日:10月18日(金)全国ロードショー
監督:ヨアヒム・ローニング
製作総指揮:ジョー・ロス、アンジェリーナ・ジョリー、ダンカン・ヘンダーソン
原題:Maleficent: Mistress of Evil
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン