水瀬いのり「ココロソマリ」【毎日1曲おすすめのアニソンをあなたに 塚越淳一のアニソントラベラーvol.9】
毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。連載第9回は、声優・アーティストとして目覚ましい活躍を見せている水瀬いのりさんの「ココロソマリ」。TVアニメ『ソマリと森の神様』のEDテーマとしてもおなじみの曲ですね。
水瀬さんといえば、『Re:ゼロから始める異世界生活』のレム役、『HUGっと!プリキュア』のキラ星シエル/キュアパルフェ役、『五等分の花嫁』の中野五月役と、演じたキャラクターを挙げるときりがないほど。
そんな中でもアーティスト活動も積極的に行っており、今後の活躍に目が話せないひとりでもあります。
では塚越さん、よろしくおねがいします。
ぼくらの変わらない願い
彼女がソマリ役で出演しているTVアニメ『ソマリと森の神様』。そのエンディングテーマ「ココロソマリ」は、水瀬いのりの作詞曲となる。彼女の作詞曲というと、アルバムに収録のタイトル曲「Catch the Rainbow!」以来になる。「Catch the Rainbow!」の歌詞を見たときに思ったのは、言葉のひとつひとつがシンプルだけどすごく強いということ。それは水瀬いのりが書いて歌っているからというのは確実にあって、どの仕事にも真摯に向き合ってきている姿を見てきているからこそ、あの“しあわせ”というフレーズが、ものすごく心に突き刺さったんだと思う。歌についてや役柄について、話を聞く機会も多いのだが、いつも言葉が溢れ出てくるので、本当にすごい人だなぁとリスペクトしている。
で、アニメのタイアップ曲「ココロソマリ」だ。この曲を作詞している時点で、作品に対する想いの強さは容易に想像できたのだが、アニメで聴いたときの感動たるや! 毎週物語の最後にこの曲が流れると、心が浄化されるし、すごく切ない気持ちになるので大変だった。特に最終話はソマリの演技も素晴らし過ぎて涙なしでは聴けなかった。
『ソマリと森の神様』は父と子の物語だったので、当然そこに自身の大切な家族への想いも込めていると思うのだが、この詞にある大切な人は近くにいても遠くにいても、もしくはもう届かないところにいたとしても、広く当てはめることができるのが素晴らしい。だからみんな自分の曲として受け入れることができる。しかも歌われているのが“特別な愛”なので、父という立場で聴くと余計泣けてしまう。だって、娘にこんな言われたら普通に吐くよ? 嗚咽する。
ボーカルは、フルバージョンを聴くと最後にいくにしたがってどんどんエモくなっていくし、ニュアンスも入れながら歌っている。ソマリのことを考えると、たとえばビブラートを入れずにストレートに歌うという選択肢もあるのかもしれないが、当然そんなことはせず、水瀬いのりとして、ソマリに寄り添って歌っている。そこもまた天晴。
塚越淳一プロフィール
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
塚越淳一のアニソントラベラー|バックナンバー
vol.1:RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」vol.2:LiSA「紅蓮華」
vol.3:オーイシマサヨシ「君じゃなきゃダメみたい」
vol.4:亜咲花「SHINY DAYS」
vol.5:飯島真理「愛・おぼえていますか」
vol.6:UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」
vol.7:紗倉ひびき&街雄鳴造「お願いマッスル」
vol.8:鈴木雅之「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」
vol.9:水瀬いのり「ココロソマリ」
vol.10:ChamJam「Clover wish」
vol.11:フランシュシュ「徒花ネクロマンシー」
vol.12:太田貴子「デリケートに好きして」
vol.13:Rhodanthe*「Jumping!!」
vol.14:MADKID「RISE」
vol.15:早見沙織「夢の果てまで」
vol.16:坂本真綾「クローバー」
vol.17:Run Girls, Run!「Share the light」
vol.18:shami momo「町かどタンジェント」
vol.19:TM NETWORK「Get Wild」
vol.20:the pillows「Happy Go Ducky!」
vol.21:supercell「君の知らない物語」
vol.22:μ’s「Snow halation」
vol.23:レン(楠木ともり)「To see the future」
vol.24:ワルキューレ「一度だけの恋なら」
vol.25:22/7(ナナブンノニジュウニ)「ムズイ」
vol.26:うしろゆびさされ組「うしろゆびさされ組」
vol.27:SEATBELTS「TANK!
vol.28:小倉唯「ハピネス*センセーション」
vol.29:畠中祐「not GAME」
vol.30:i☆Ris「アルティメット☆MAGIC」
vol.31:よりもい「ここから、ここから」
vol.32:Galileo Galilei「青い栞」
vol.33:WANDS「世界が終るまでは…」
vol.34:後ろから這いより隊G「太陽曰く燃えよカオス」
vol.35:伊藤美来「守りたいもののために」
vol.36:宮野真守「光射す方へ」
vol.37:鬼頭明里「Tiny Light」
vol.38:和氣あず未「Hurry Love」
vol.39:ペコリーヌ、コッコロ、キャル「Lost Princess」
vol.40:森口博子「水の星へ愛をこめて」
vol.41:中島愛「髪飾りの天使」
vol.42:新越谷高校女子野球部「プラスマイナスゼロの法則」
vol.43:ORESAMA「Trip Trip Trip」
vol.44:あいみょん「空の青さを知る人よ」
vol.45:中野家の五つ子「五等分の気持ち」
vol.46:Official髭男dism「FIRE GROUND」
vol.47:坂本真綾「約束はいらない」
vol.48:麻倉もも「ユメシンデレラ」
vol.49:Mrs. GREEN APPLE「インフェルノ」
vol.50:堀江由衣「バニラソルト」
vol.51:チーム "ハナヤマタ”「花ハ踊レヤいろはにほ」
vol.52:大槻ケンヂと絶望少女達「あれから(絶望少女達2020)」
vol.53:鈴木みのり「FEELING AROUND」
vol.54:放課後ティータイム「U&I」
vol.55:ClariS「コネクト」
vol.56:OxT「UNION」
vol.57:千石撫子「恋愛サーキュレーション」
vol.58:田村ゆかり「おしえて A to Z」
vol.59:GRANRODEO「Can Do」
vol.60:内田真礼「ギミー!レボリューション」
vol.61:FLOW「DAYS」
vol.62:雪ノ下雪乃&由比ヶ浜結衣「Hello Alone」
vol.63:May'n/中島愛「ライオン」
vol.64:森川美穂「ブルーウォーター」
vol.65:森口博子「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」
vol.66:加藤登紀子「時には昔の話を」
vol.67:川添智久「STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~」
vol.68:Fire Bomber「SEVENTH MOON」
vol.69:高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」