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- 塚越淳一
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毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。連載第48回は、TVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』より、麻倉ももさんの「ユメシンデレラ」です。
麻倉さんは、雨宮天さんと夏川椎菜さんの3人で声優ユニット「TrySail」としても活動中です。3人とも、幅広く活躍している声優界の注目株なのは間違いありません。
そして、麻倉さんといえば、やはりそのキュートな歌声でしょう。「ユメシンデレラ」でもその才能の片鱗を垣間見ることができます。
うーん、そう思うと、TrySailはすごいユニットです。塚越さんもそう思いますよね?
TVアニメ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のエンディングテーマ。このアニメ、脚本は岡田麿里さんで、ざっくりいうと“性”に振り回される女子高生たちのお話。いかにも岡田さんな感じで、これがまたとても面白い作品だった。
そのなかで、麻倉ももは須藤百々子を演じていたのだが、彼女が誰に想いがあるのかなどは、見てない人はお楽しみに! ということで。僕は一番好きです。
で、結構ギリギリのところを攻めていた作品のなかで、一番の癒しになっていたのはエンディングテーマの「ユメシンデレラ」だろう。HoneyWorksのプロデュースはデビューシングル「明日は君と。」以来、約3年ぶりとなる。
何となく80年代のアイドル曲っぽい印象を受けたのだが、たぶんその頃のアイドルには歌えないであろう最強の武器が声優にはあると思っていて、それがセリフっぽく(芝居っぽく)歌うことだと思っている。その必殺技が、この曲には結構盛り込まれている。
それ以前にコーラスから始まる感じがすでに良くて、同じ事務所で言うと戸松遥の「Baby Baby Love」とかもそんな感じだったと思うのだけど、良い声だなぁと癒やされていると、すぐさまやってくる冒頭の《神様(なあに?)》の歌い方! ここの“かぁ~みさま”のクセが強過ぎて、開始数秒でノックアウトされる。
その後の《(うーん) もう》とか《ハァ…》《ねぇ付き合って》など、このニュアンスは声優をしていないと付けられないと思うので、その必殺技をうまく曲のアクセントとして使っているなと思った。
もちろん、そういうかわいさだけでなく、キャッチーなサビや、落ちサビで少し感情を入れるところ、今の女の子な感じの歌詞など、聴きどころはたくさんあるのでおすすめの1曲。
そして2ndアルバム『Agapanthus』も発売中。「ユメシンデレラ」からの「さよなら観覧車」「今すぐに」という流れは、個人的に彼女の声が持つ切なさの魅力が感じられて好きでした。天晴。
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ