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- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。連載第52回は、TVアニメ『かくしごと』より、大槻ケンヂと絶望少女達の「あれから(絶望少女達2020)」です。
伝説のTVアニメ『絶望先生』の「人として軸がぶれている」のアンサーソングとしても話題沸騰中のこの曲。
何を隠そう、筆者も『絶望先生』の大ファン、さらに言うならアニメイトタイムズの前身であるアニメイトTVで配信されていた『さよなら絶望放送』の絶望リスナーでもあったため、この曲は涙なしには聴けませんでした……。
そのため、今回の曲のチョイスは筆者のオファー! 塚越さん、どうでした……?
少し番外編のアニソンということになるが、久米田康治原作のアニメ『かくしごと』が放送され、エンディングテーマには大滝詠一の「君は天然色」が起用されるなど、なにかと話題が多い作品だったのが、さらに多くの人を驚かせたのは、大槻ケンヂと絶望少女達の復活だろう。
第6話でもりどくん役で大槻ケンヂがゲスト出演。放送後に、大槻ケンヂ×めぐろ川たんていじむしょのコラボCDのCMが放送されたのだが、そのカップリングに収録されることになっていたのが、新曲「あれから(絶望少女達2020)」だった。なので今回はこの曲を紹介したい。
大槻ケンヂと絶望少女達とは、言わずと知れた、久米田康治原作の人気アニメ『さよなら絶望先生』で生まれたユニット。その最初のオープニングテーマが「人として軸がぶれている」だった。
大槻ケンヂがアニソンを歌う、しかも演奏が特撮(大槻ケンヂ、三柴理、NARASAKI、ARIMATSUによるロックバンド)ということは衝撃だったし、個人的にもNARASAKIさんファン(正確に言うと、NARASAKIさんの所属するバンドCOALTAR OF THE DEEPERSのファン)だったのでテンションが上ったが、今思えば、ここでハードロックとかヘヴィロックと、いわゆるアニメのかわいい歌声の組み合わせが「合う」というのを知った気がする。
「人として軸がぶれている」はちょっとオルタナ寄りだと思うけど、たとえば『輪るピングドラム』ではロックバンドARBを、『ローリング☆ガールズ』ではパンクだけどTHE BLUE HEARTSを女性声優陣がキャラクターでカヴァーしていたりしたので、ここからの流れもあるのかなと思う。
で、大槻ケンヂと絶望少女達は、数多くの楽曲をリリースし、09年には『Animelo Summer Live 2009 -RE:BRIDGE-』にまで出演を果たしたが、アニメの終了とともに新作が出るということはなかった。
それが、突然の新作「あれから(絶望少女達2020)」を発表! しかもキャラクターも「人として軸がぶれている」と変わらず、風浦可符香(CV:野中藍)、木津千里(CV:井上麻里奈)、木村カエレ(CV:小林ゆう)、関内・マリア・太郎(CV:沢城みゆき)、日塔奈美(CV:新谷良子)が揃っているのだから感涙だし、曲もそのアンサーソングになっている。
サウンドは、当時のNARASAKIさんのオルタナ感というよりは「特撮」感がある(編曲が特撮というのもあって)と思うのだが、ただただ、時間の経過を感じさせる歌詞がヤバい! 歌詞全部ヤバい!
全部を書いても仕方ないので、一部抜き出すと《あれから僕らにも いろいろあった いろいろあったけど 生きてれば Good job》…ここでしょう。あの頃まだ若かった人は、すごく励まされるメッセージだし、拳を突き上げたくなる。《これから何して生きよう(これから) これから何して遊ぼう(これから)》で締めくくるのも切ない。
明日もしっかり楽しく生きていこうと思った。天晴。
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ