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- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
毎日1曲ずつ名曲おすすめアニソンを紹介する連載企画「塚越淳一のアニソントラベラー」。現在、毎週1年ずつ、1990年からアニソンの歴史を追っていく企画を展開中です。
この連載を追えば、アニソンの歴史はこうやって作られていった、と少しでもわかることでしょう。
連載第66回は、1992年にアニソンタイムトラベル。映画『紅の豚』より、加藤登紀子さんの「時には昔の話を」です。
今でもTV放送が行われる度に話題になるジブリ作品。個人的に『紅の豚』は、昔の男の渋さがつまっているので大好きです。
飛ばねぇ豚はただの豚だ。最近太った自分に言い聞かせます。
関係ない話をしてしまいましたが、塚越さんよろしくです!
『紅の豚』は大好きな映画なのだが、そのエンディングを飾ってくれた名曲。
この映画について深く語るのは、さすがに荷が重いので、当時のジブリ映画はキャッチコピーが素晴らしかったなぁという軽いノリの話題を。糸井重里さんが作った広告のコピー「カッコイイとは、こういうことさ。」は、なるほど! と思ったし、予告で使われていた台詞の「飛ばねぇ豚はただの豚だ」もカッコ良かった。確かに! と思った。
で、劇中に出てくるシャンソン歌手のジーナも加藤登紀子が演じていて、これが本当にうまいというかなんというか、本物のジーナがそこにいるんだなというお芝居だった。途中でホテル・アドリアーノで、シャンソン「さくらんぼの実る頃」をフランス語で歌うところも、シャンソンを全然知らないのに沁み入った。さらにこの曲の意味とかも考えると、とても奥深い。
そしてエンディングはオリジナル曲の「時には昔の話を」。映画本編で、くだらない愛ある争いが何度も描かれていたが、そこから時代が移りゆき、何度も大きな戦争や動乱が起こる。その中でも、ヒロインのフィオはジーナとの友情を深めていき、夏の休暇はホテル・アドリアーノで過ごしている。でもジーナの賭けがどうなったのかは、視聴者には明かされない……ってところで流れるのが「時には昔の話を」。物語を映画で体感したあとにこの曲を聴くと、歌詞がじんわり染み込んでいく。《ひげづらの男は君だね》って、ポルコの写真には髭がなかった気もするけど、まーよい! それにしても、僕が語ることもないし、当たり前のことだが唄が素晴らしすぎる。
そして、この曲のアレンジが菅野よう子さんと知ったのは、だいぶあとになってからだが驚いた。やはり才能のある人というのは誰もがほっとかないんですね…。天晴。
『ご注文はうさぎですか?』のシリーズ楽曲毎日紹介の執筆やイベントパンフレットの制作、内田真礼さん、三森すずこさんのライブパンフレット、『まちカドまぞく』『ちはやふる』のブックレットほか、雑誌やWebなどで執筆をしているフリーライター。
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ