この記事をかいた人
- 阿部裕華
- アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター
ーー本作は佐藤さんと土岐さん、一緒にアフレコをされていたのでしょうか?
佐藤:ほぼ一緒でした。一番星とサクヤは一緒に行動をすることが多かったので、僕と土岐さんと誰か、のように3~4人くらいのグループに分けて収録していました。
土岐:でも制作スタッフの方たちが、メインの8人の収録をできるだけ同じ時間帯に調整してくださったんですよ。例えば、僕と元くんのチームの次に、別のチームが収録をするとか。ひとつながりでスケジュールを組んでくださったので、前の人たちのお芝居をスタジオの外で聞いてお芝居できました。
佐藤:8人一緒に収録できないことの難しさもあるのですが、前の人のお芝居を聞けたことで、「この人のお芝居はこういうお芝居を求めているだろう。だからこういう風に繋いでいこう」と繋げていくお芝居ができたなと思います。
土岐:スタジオの入れ違いのタイミングで会話ができたり、アフレコブースと待機室を挟んで音響監督さんを交えながら会話ができたり。制限のある中でもコミュニケーションが取れていたんじゃないかな。
ーーコロナ禍だと別々の収録が多いと耳にしますが、すごく良い環境でのアフレコだったんですね。ちなみに、佐藤さんと土岐さんは本作ではじめて収録をご一緒したそうで。お互いの印象をどのように感じていますか?
佐藤:サクヤの冷たい雰囲気の中にも信念や思いを入れ込む繊細なお芝居はすごいなと思いました。小さくボソボソっと喋っていても彼は何も考えていないわけではない。そういうお芝居の繊細さを僕も身につけたいなと勉強になりました。
土岐:恥ずかしいですね……(照)。
佐藤:あははは(笑)。
土岐:元くんは、僕が人間性として持っていないものを持っているんですよ。それは収録一発目から全力投球で、アクセルをベタ踏みしてお芝居ができること。しかもアクセルを踏む前に必ず「違ったらごめんなさい!」「マイクが壊れたらごめんなさい!」と断りを入れつつ、バッチリはまったお芝居をする。キャラクターを深く理解し、彼の用いるすべてのスキルを乗せて表現しているんです。本当にカッコいいなと思いました。
だからこそサクヤを演じる上では、一番星の情熱とは違う熱をどう表現するかを考えることができました。やりがいのある収録でしたね。
佐藤:ありがとうございます……!
あと土岐さんは、常に会話の話題を振って現場を明るく和ませてくださる方で。和気あいあいと朗らかに収録ができたのは、土岐さんがいてくれたからこそでした。座長である僕はずっと支えていただいていたので、感謝しかないです。
土岐:収録が毎話終わるごとに作品宣伝用に元くんと二人でアフタートークをやっていたのですが、そこでは元くんが場回しをしてくれて、元くんが喋っている間に僕が別の質問を考えられることも。そういうところでも元くんと一緒に仕事がしやすかったなと思います。
ーーお話を聞いているだけでも、すごくチームワークの良さを感じます。
土岐:本当にそうで……!
アニメ放送開始直前に特別番組を放送するのですが、その収録が終わった後、三木(眞一郎、ソウゲン役)さんが「このメンバーでご飯に行きたい」「アニメ放送中にオーディオコメンタリーをやりたい」と仰っていて。それが本当に嬉しかったですね。
佐藤:嬉しかったです! 先輩方にそう仰っていただいて……そういうお話を聞いて、この座組は本当にいい座組だった!僕は座長として一つ役目を果たせたかな?とちょっとホッとしました(笑)。
みなさん一人ひとりの熱意があってこの現場の空気感でお芝居をすることができました。また同じ座組で何かできたらいいなと未来に向けた希望を抱いています。
ーーここからは作品のテーマ「新選組」「歴史」にちなんだ質問を2つします。1つ目、新選組の誰かになるなら誰になりたいですか?
佐藤:僕は“沖田総司”になりたいです。理由は「剣の達人」と呼ばれたいだけなんですけど……彼の人生は壮絶じゃないですか。晩年は病気で苦しみますし、それがない沖田総司になりたいです。
土岐:僕は……新選組じゃなきゃダメですか……?
佐藤:ははは(笑)!
土岐:“動乱を生き抜いた人の子ども”になって、海を渡っていたいですね(笑)。この時代のアメリカに行って、知識を得て、帰ってきたい。僕、幕末・維新の時代は大好きなのですが、この時代を知れば知るほど、この時代に生きていたくない!(笑)
尊王攘夷(そんのうじょうい)で日本に大きな変化が起こる時代で、誰を何を信じたらいいのかも分からない。自分の考える正しさで進んでいても、あるところに逆らっていたら殺されてしまう……そんなしんどい時代に生きていたいと思いますか?って(笑)。
ーーぐうの音も出ません……(笑)。では2つ目の質問です。お好きな、または会ってみたい歴史上の人物は?
佐藤:“坂本龍馬”さんに会ってみたいですね。「あなたはなぜ、あの時、あの行動を取ったんですか?」と聞きたい。株式というシステムを生み出すって、日本における革命者じゃないですか。その仕組みを思いつく知識量もすごいのに、さらに北辰一刀流の免許皆伝で剣術にも長けている。文武両道な面をすごく尊敬しています。
彼がもう少し長生きしていたら日本の文明が50〜60年動いたのではないかという所説もあるくらいなので、やっぱり坂本龍馬さんには憧れますね。
土岐:僕は別のインタビューで当時(幕末)最も強いと言われていた暗殺者・“岡田以蔵”さんを挙げていたのですが、せっかくなので元くんの坂本龍馬さんに追随して……今回は“大久保利通”さんを挙げようかなと。
佐藤:おぉ~!
土岐:400年続いた江戸時代が明治時代への大きな変化に繋がる最後のバトンを受け取った人が大久保利通さんだと思っていて。初代内務卿という事実上は総理大臣一人目であり、坂本龍馬さんたちが海外から持ってきた民主主義を形にした維新三傑の一人でもある。時代が変化していく中でも龍馬さんの意思をしっかり繋いだ人なので、すごく尊敬しています。
ーーお二人ともすごく日本史に詳しいですよね……。
佐藤&土岐:(笑)。
土岐:この時代に生きていたくはないけど、やっぱり幕末・維新は大好きなんですよね(笑)。
刀という人を殺めることのできる道具を当たり前のように持っている時代って、今の時代からすると本当にあり得ないじゃないですか。そんな当たり前がガラッと変わるというのは、本当にいろんなことが起こったのだと想像できます。日本の一番大きな変化の地点だと思っているので、本当に素晴らしい、けど絶対に行きたくない、そんなことを思っています(笑)。
佐藤:僕も個人的に歴史が好きなんですよね。特に、新選組関係の作品は何か一つ演じてみたいという思いがすごくありました。
というのも、以前 劇団「TEAM NACS」の『LOOSER〜失い続けてしまうアルバム~』という舞台を見たんです。幕末の新選組と長州藩を題材にした舞台で、すごく感動しまして。なので今回この作品でその願いを叶えていただけたのはすごく嬉しかったです。
ーーありがとうございます! それでは最後に、『ブッチギレ!』を楽しみにしている視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
佐藤:オリジナルの要素がふんだんに盛り込まれているのですが、その中には実際にあった出来事が隠されているので探してみてください。また、個性豊かなキャラクターたちそれぞれの魅力を発見してください。
本当に溢れんばかりの思いや願いが詰まった作品になっています。混沌とした時代に彼らは何を考え、どう行動し、生きていくのかを一緒に見て考えて感じてほしいです。最初から最後までお見逃しのないようにお願いいたします!
土岐:本当に元くんの言う通りかなと(笑)。歴史が大きく変わる激動の時代なので、しんどい描写ももちろんありますが、それ以上に熱く気持ちよく見られるシーンがいっぱいあります。キャストのみなさんも、キャラクターたちがそんな時代をイキイキと生きることに全力を注いで表現しています。
オリジナルの良さを存分に生かしたアニメです。どこまでもハチャメチャに楽しく、難しいことは何も考えずに盛り上がれます。オープニング・エンディングを含め、「熱くなってくれ!」と言わんばかりのパッケージになっていますので、これから暑くなる季節をより一層暑く(熱く)しつつ、冷たい飲み物を用意してスッキリ見ていただけたらと思います。
[インタビュー/阿部裕華]
[ヘアメイク/松本江里子(M's hair&make-up)、櫻井陽介(Yosuke Sakurai)]
[スタイリング/ヨシダミホ、村留利弘(Yolken)]
アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター。Webメディアのディレクター・編集を経て、フリーライターとしてエンタメ・ビジネス領域で活動。共著「BL塾 ボーイズラブのこと、もっと知ってみませんか?」発売中。
【TV放送】
(都合により放送時間が変更になる可能性がございます)
2022年7月8日より TOKYO MX にて毎週金曜 22:30 から放送開始予定
2022年7月8日より BS11 にて毎週金曜 23:30 から放送開始予定
〈その他放送局〉
2022年7月12日より静岡放送(SBS)にて毎週火曜 25:55 から放送開始予定
※初回のみ 26:00 から放送開始
2022年7月14日より AT-X にて毎週木曜 23:30 から放送開始予定
※リピート放送:毎週月曜 11:30~ / 毎週水曜 17:30~
2022年7月14日より岐阜放送(GBS)にて毎週木曜 24:30 から放送開始予定
2022年7月14日より南海放送(RNB)にて毎週木曜 25:59 から放送開始予定
2022年7月27日より長崎文化放送(NCC)にて毎週水曜 25:18 から放送開始予定
【配信サービス】
2022年7月8日より「Amazon Prime Video」「ひかりTV」 にて毎週金曜日 22:30 より配信予定
侍が日本を支配していた時代……
京都の治安を守るため活動していた新選組は、雑面ノ鬼の手により一人を残して全滅してしまう
――その替え玉として選ばれたのは7人の罪人
同じく雑面ノ鬼に親を殺された一番星は、局長・近藤勇の替え玉として、替え玉達の中心になりながら仇の後を追う
元罪人たちが立ち上がるハチャメチャ世直しエンターテインメントが開幕!
さぁ、今こそ一番光れ(ブッチギレ)!
監督・シリーズ構成:平川哲生
キャラクター原案:武井宏之
キャラクターデザイン:横田匡史
サブキャラクターデザイン:川村敏江、小園菜穂
美術:インスパイアード
美術監督:西口早智子
美術アドバイザー:増山修
色彩設計:のぼりはるこ
撮影監督:設楽希(T2studio)
3DCG ディレクター:秋元央(T2studio)
編集:須藤瞳(REAL-T)
音響監督:矢野さとし
音響効果:神保大介
音響制作:Ai Addiction
音楽:高梨康治
オープニング・テーマ:西川貴教「一番光れ!-ブッチギレ-」
エンディング・テーマ:自象存在 name-less「断罪デモクラシー」
企画:ツインエンジン
アニメーション制作:ジェノスタジオ
一番星:佐藤元
サクヤ:土岐隼一
藤堂平助:豊永利行
アキラ:上坂すみれ
ソウゲン:三木眞一郎
スズラン:上村祐翔
ギャタロウ:高木渉
ボウ:落合福嗣
羅生丸:八代拓
松平容保:白井悠介
秋月悌次郎:石井康嗣