WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』明楽役&EDテーマ担当 坂本真綾さんインタビュー|「未来に生きる子どもたちへ希望を与えられるような音楽を届けたい」【連載6回】
WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』が2023年1月14日(土)から放送・配信スタートします。日向理恵子氏による“火”をテーマにした長編ファンタジー小説をアニメ化した本作。人類最終戦争後の世界を舞台に、多くの困難に直面しながらも懸命に生きる子どもたちの姿を描いた物語です。
独創性あふれるファンタジーと深いテーマ性に多くの読者が心打たれた作品のアニメ化に期待が高まる中、アニメイトタイムズでは『火狩りの王』スタッフ・キャストのインタビュー連載をお届けします。
第6回となる今回は、苦労の末に火を狩ることを生業とする「火狩り」となった明楽を演じる坂本真綾さんが登場。本作で坂本さんはEDテーマも担当しています。
原作やキャラクターの印象と共に、EDテーマ「まだ遠くにいる」の制作話についてもお聞きしました。
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途中で止められないほど面白い作品
ーー「小説を読み始めるとすぐに引き込まれ、一気に最後まで読み終えました」とキャストコメントに書かれていました。原作『火狩りの王』の印象、魅力を坂本さんはどのように感じていますか?
坂本真綾(以下、坂本):読み始めると止められないほど面白い作品でした。特に面白さを感じた点が大きく2つありまして、1つは全く別の場所で生まれ育って違う人生を送っている灯子と煌四という2人の主人公の視点が交互に描かれていくところ。「この2人はいつ、どう知り合うのだろう」と思いながら読み進めていきました。またもう1つは、未来の世界が描かれていながら、日本の古い時代に通ずる描写をされているところ。ファンタジーの世界観の中にどこか昔話のような懐かしさを感じて、私たち日本人にしてみたら思い描きやすい情景です。
また、灯子の人柄や素朴な喋り方を見ていると、無事に生きて、灯子自身が1番幸せな形で終わることだけを願いながら見守るような作品だと感じましたね。
ーーここまで世界観がつくり込まれた本格的なファンタジー作品というのは、面白さがある一方で難しさもあるかと思います。そこについてはいかがでしたか?
坂本:クライマックスに近づくにつれて同時多発的にいろんな場所でいろんなことが起きるため、状況を把握して読むのはたしかに大変でした。なので、4巻を読み終えるのにとても時間がかかったのですが、それでも途中で止められないほど「どうなるんだろう」と興味の方が先にあって。どんな結末が描かれるのか、誰が“火狩りの王”になるのか、最後までみんなが無事に生きて帰路につけるのか……そして、救いのない世界だけれど、どこに救いを残してくれるのだろうか。そんなことを考えながら読んでいましたね。
ーー一方、アニメ版はいかがでした? アフレコで抱いた印象がありましたら教えてください。
坂本:かなりスピード感があるなと思いました。アニメのシリーズに4冊の分厚い小説を全て描くためテンポが早くないと終わらないとは思うのですが、私としては「え、もうこんなところまで進んだの!?」と感じるくらいの早さを感じました。それは文章で何行かに渡り説明することを映像では一瞬で描けるからなんだろうなと。そういう意味でも、自然と小説を読んでいた時とはまた少し違う印象を受けました。特にアクションシーンは映像ならではの迫力で描かれていると思います。