この記事をかいた人
- 塚越淳一
- アニメイトタイムズでいっぱい書いています。
ーーアニメのシナリオに関し、どのような感想を持たれましたか? シナリオ会議に参加された際の感想や印象などもあればお願いします。
成田:すごく原作を大事にしてくださっているのが伝わってきて、本当にありがたく感じております……!! 特に各話の引きがちょうど良い形に収まるようにしていただいて、原作の読み味にアニメならではの見せ場を強調していく感じになっているので、本当に素晴らしいです!
ーー小野学監督の印象を教えてください。
成田:各キャラクターから物語そのものに至るまでの“動き”の演出をとても大事にしてくださる方で、特に第1話のシャグルアVS屍神殿のシーンは、原作で数頁の部分が10分にも渡るボリュームに膨らんでいたことにとても驚き、興奮しました! 物凄くページ数の多い第1話の絵コンテが届いたとき、3話分ぐらいのかな?と勘違いしたほどです(笑)。他にもコミカルなシーンとシリアスなシーンのメリハリを大事にしてくださっている方で、最初の数話の白箱を見て今後も安心してお任せできると思いました……! 本当に感謝しております!
ーー『DMDP』は異世界からこちらの世界への転生してくるというのが発想のスタートだと思いますが、物語を広げていく中で、大きかったアイデアなどはありますか?
成田:まず、異世界からピカレスクやバイオレンスといった地球の物騒な物語にキャラクターを送り込むにあたって、人死にがたくさん出るであろう物語の中で“死霊術士”がいた場合、話を上手くひっかき回すことができるのではないかというアイディアがありました。
その意味ではもちろん主人公の屍神殿自身も重要なのですが、事件そのものの切っ掛けとなる“街の表と裏を仲介する者達”という意味合いの“仲介屋”という立ち位置のクラリッサ(倉木リサ/CV.種﨑敦美)を設定したことが大きかったと思います。異世界モノで言えば冒険者ギルド的な役割で、物語をもたらす側の存在としていつでも機能できるように設定した感じです。現状では、まだポルカの物語がメインですが、今後ミサキなどにクローズアップした場合にいろいろと歯車が回り始める……といいなと思っています(笑)。
ーー成田さんの作品はキャラクターが個性的で魅力的ですが、本作の主要キャラクターである四乃山ポルカ、ミサキ、匠の魅力を教えてください。
成田:ポルカが異世界からこちらに来て右も左も分からないまま平穏を目指して努力するキャラクターだとすれば、ミサキと匠は新宿における裏側の存在です。ただ、ミサキは同じ闇側でも混沌寄りで、匠は裏側に身を置きながらも常識を重んじるキャラクターとして設定しています。それがミサキの狂言回しとして魅力となったり、匠のツッコミ役としての魅力といった形で屍神殿というキャラクターを上手く彩ってくれることを期待しつつ物語を動かしています。
さらに、表側の存在として“本来の四乃山ポルカ”がいるのですが、こちらはアニメを御覧の方には、3話以降で徐々に明らかになるキャラクター性をお楽しみにということで……!
声につきましては、本当に皆さん想像通りで、三者三様の声質でありながらそれぞれの方が“これが正解だ!”という声を出してくださるので、メインの榊原さん、水瀬さん、内田さんには本当に感謝しております……! もちろん、他のキャストの皆さんも最高ですのでどうぞ今後も御期待ください……!
ーー第1話で、思わず声が出たシーンを教えてください。
成田:まずは、シャグルアが私の知らない亜竜(この世界における“竜”はまた特別な存在なので、屍神殿が召喚してシャグルアと闘ったのは亜竜となります)を私の知らない光の剣で倒したところです(笑)! 本当に迫力のある戦闘シーンにしていただき、今後のキャラクターの深みに繋がる形にしていただきました……!
そして、転生した屍神殿がポルカの脳髄から言語情報を引き出すときの、警察官2人の台詞、いったいどうやっているのかというぐらい自然に変化していく言葉の波に、思わず「ええっ!? 本当に!?」と声を出してしまいました……! そして、オープニング映像がラストに流れたときはもう「うおー! うおぉぉ!!」と語彙をなくしてはしゃぎ回らせていただきました……! こればかりは解説をするよりも見ていただいたほうが早いと思いますので、OP映像を何度も御覧いただければと……!
ーー最後に、今後、どんなところを視聴者に楽しみにしていてほしいですか?
成田:『バッカーノ!』や『デュラララ!!』を御存知の方には言うまでもないと思いますが、基本的に私はキャラクターを大勢繰り出し、それぞれの行動を多数同時に交差させることで物語を回していくスタイルの作劇を行っています。メインキャラのポルカ、ミサキ、匠のみならず、今後大勢の……本当にその、自分でも出し過ぎたかもしれないと思うほどのキャラクターが新宿に現れますので、そのキャラクター達が蠢いて生まれるデッドマウント・デスプレイ世界における『新宿』そのものを主人公とした物語をお楽しみいただければ幸いです……!!
[構成・塚越淳一]
アニメBlu-rayブックレットの執筆(「五等分の花嫁∬」「まちカドまぞく」「まちカドまぞく2丁目」「「ちはやふる」「リコリス・リコイル」etc.)、内田真礼、三森すずこなどのライブパンフレット、22/7写真集、久保田未夢UP_DATE執筆ほか、いろいろ
作品名 | デッドマウント・デスプレイ |
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放送形態 | TVアニメ |
スケジュール | 第1クール:2023年4月10日(月)~2023年6月26日(月) 第2クール:2023年10月9日(月)〜2023年12月25日(月) TOKYO MXほか |
話数 | 全24話 |
キャスト | 四乃山ポルカ:榊原優希 崎宮ミサキ:水瀬いのり 繰屋 匠:内田雄馬 岩野目ツバキ:江口拓也 荒瀬耿三郎:岡本信彦 倉木リサ:種﨑敦美 雷小幽:福圓美里 四乃山呂算:山路和弘 四乃山小夜:大地葉 阿字城イズナ:大久保瑠美 一ノ瀬古瑠斗:長谷川育美 合川咲姫:白石晴香 シャグルア:草尾毅 レクリア:柚木涼香 ソリティア:高橋広樹 胡蝶・エイトポート:佐倉綾音 デスクロー佐谷:ニケライファラナーゼ 裏井:興津和幸 山田文代:小林沙苗 レミングス:蒼井翔太 四乃山 尊:小西克幸 四乃山華月:芹澤優 四乃山紫月:市川蒼 西明寺水琴:田丸篤志 イーズリーズ・ソルドフレイル:豊口めぐみ 四乃山希吏:花澤香菜 四乃山涼火:原紗友里 四乃山五郎:岩崎征実 暴:相川奈都姫 雑貨殿:島﨑信長 細呂木:七海ひろき 皇帝:田村睦心 鷹巣次郎太郎:稲田徹 幅木秀秋:上田燿司 幌島リンネ:高田憂希 幌島ヒイロ:岩中睦樹 八津蘭丸:吉野裕行 戸沢弾正:宇垣秀成 ロメルカ・リメルカ:高森奈津美 カルラ・ウォン:大西沙織 阿牙倉マジリ:赤﨑千夏 阿牙倉百矢:八代拓 氷黒久遠:細谷佳正 アリウス・サバラモンド:村瀬歩 太貝:江頭宏哉 蓬:弘松芹香 |
スタッフ | 原作:成田良悟・藤本新太(掲載「ヤングガンガン」スクウェア・エニックス刊) 監督・シリーズ構成:小野学 副監督:大隈孝晴 助監督:北井嘉樹 キャラクターデザイン:阿部恒 脚本:小野学・菅原雪絵・冨田頼子 音響監督:山口貴之 録音スタジオ:HALF H・P STUDIO 音楽:F.M.F(奈良悠樹・eba・うたたね歌菜) アニメーション制作:GEEKTOYS |
主題歌 | OP1:「ネロ」Sou OP2:「スクラップアート」水瀬いのり ED1:「アイオライト」水瀬いのり ED2:「Hope」内田雄馬 |
公開開始年&季節 | 2023春アニメ、2023秋アニメ |
電子書籍 | 『デッドマウント・デスプレイ』電子書籍(コミック) |