クローバー王国に最大の危機──映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』が絶賛公開中! 大ヒットを祝してアスタ役の梶原岳人さんとヤミ役の諏訪部順一さんの「師弟」対談をお届け!
人気アニメ『ブラッククローバー』(田畠裕基さん原作)が約3年半のテレビシリーズを経て、映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』へ! 6月16日から全国公開中&Netflixにて世界独占配信中!
原作では描かれていなかった魔法帝の物語を、原作の田畠先生の総監修により映画化。かつての魔法帝がよみがえり、クローバー王国とアスタたちの前に立ちふさがります。この最大の危機にどう立ち向かっていくのでしょうか!?
映画のヒットを祝し、アニメイトタイムズでは主人公のアスタ役を演じる梶原岳人さんと、アスタが属する「黒の暴牛」の団長、ヤミ役を演じる諏訪部順一さんの「師弟」対談をお届けします。
映画化が決まった時の感想や完成した映画をご覧になった印象、またアスタとヤミ、そして梶原さんと諏訪部さん、お互いの印象、見どころなど語っていただきました。
アスタの理想を叶えるために戦いたい
──以前、梶原さんは自身が出演する作品を劇場で見るのが夢だったとおっしゃっていました。『ブラクロ』の映画化と収録が始まると知った際、諏訪部さんはどういった感想を抱かれましたか?
ヤミ役 諏訪部順一さん(以下、諏訪部):実は、テレビシリーズの収録が終わる時に、映画が制作されるという話を関係者の方から聞いていました。
アスタ役 梶原岳人さん(以下、梶原):確かに言われた気がします。
諏訪部:一般に向けて正式に発表されるまでちょっと時間がありましたので、話が流れず実現して本当に良かったなと。大変嬉しく思いました。
──実際に台本が届いてご覧になった時の感想をお聞かせください。
諏訪部:今作に登場する歴代魔法帝4名はオリジナルキャラクター。原作マンガの中には登場していません。どういったビジュアルなのか、どういった背景を持っているのか、設定資料をいただているわけではないので、台本だけではよくわかりません。ただ、みんなめちゃくちゃ強敵(笑)。早く完成品が観たい! なという気持ちになりました。
梶原:今回の主軸はアスタと歴代の魔法帝の1人、コンラートの戦いがあって、最初から最後まで大きく描かれていたので、セリフの1つひとつをしっかり読んでいきたいなと思いました。
そして台本を読んだ段階でもただのバトルではなく、コンラートにもアスタにも信念があって、自分の正義があるので、ただ戦って勝てばいいわけではなくて。
相手の気持ちを納得させて倒さないと本当の意味での解決にはならないだろうし、自分の主張をぶつけ合うのではなく、お互いがしっかりわかり合える世界を作りたいというアスタの理想を叶えるために戦いたいなと思いました。
──いつもは行動を共にする黒の暴牛メンバーが分散させられて、それぞれ歴代の魔法帝と戦うことになって。なかでもアスタは1人で戦うことが多いですよね。
梶原:確かに孤独ではありましたけど、ユノをはじめ、仲間たちとのつながりを感じつつ、ヤミ団長ほか黒の暴牛のメンバーと一緒に戦っているイメージで演じていました。
また「みんなで限界を超える」というセリフもあったので、決して一人きりの戦いではなかったですし、場所は違えど、みんな同じ方向を向きながら戦えたと思います。
『ブラクロ』で長く共演して感じたお互いの印象
──ヤミは黒の暴牛の団長としてアスタをずっと見守ってきましたが、諏訪部さんはアスタと、演じる梶原さんの成長や変化についてどのように感じていますか?
諏訪部:アスタは当初、「オレは魔法帝になる!」と勢いだけ突っ走っていましたが、多くの人との交流や戦いを経て、人間的に大きくなり、視野も広くなりました。見た目もかなり変わりましたね。背が伸びましたし、かなりマッチョにも(笑)。ヤミもその成長ぶりは認めるところですから。
『ブラクロ』のアニメが始まった当時、梶原くんはデビューしたばかりの新人でした。アフレコ現場の空気にもまだ慣れておらず、毎回苦労も多かったと思います。何しろ任されているのは主役ですしね。
アスタはやたらと叫ぶ、ノドの負担が大きいキャラクター。アフレコ中、しんどそうな姿を何度も見ましたが、その経験は大きな糧となったはずです。『ブラクロ』を通じて、声優として何段階も成長することができたのではないかと思います。
──逆に梶原さんは、アスタにとってヤミの存在、梶原さんにとって諏訪部さんの存在をどのように感じていますか?
梶原:『ブラクロ』の収録が始まった頃からずっとヤミとアスタ、諏訪部さんと僕の関係性が似ているなと思っていました。アスタにとってのヤミさんは「お前、おもしろいな」と黒の暴牛に入れてくれて、いわば最初に拾い上げてくれた存在で。
メンバーには変わった人たちがいるからアスタもみんなの中になじんでいけて、仲間としてそこにいさせてくれた人です。
諏訪部さんと僕のリアルな関係性としては、諏訪部さんは同じ事務所の大先輩ということもあって、アニメの現場でのいかたを学んだり、人との接し方が苦手な僕にいつも話しかけてくださって。
一緒に同じ場所にいる時もいやすい空間を作ってくださったので、役柄としても、僕個人としてもすくい上げていただいて、とても感謝しています。
──映画では歴代の魔法帝コンラート、エドワード、プリンシア、ジェスターが登場しますが、それぞれの印象をお聞かせください。
諏訪部:全員が「魔法帝」を担うにふさわしい強大な力を持っていると思うのですが、ジェスターだけは「本当に魔法帝だったの?」と、ちょっと疑問に思いました。人間性の部分で(笑)。
梶原:確かに(笑)。
諏訪部:魔法帝は人格者というイメージがありますが、彼だけちょっと雰囲気が違う気がして。見た目も悪役感が強いですしね(笑)。しかし逆に、そういうところが魅力でもありますよね。
梶原:アスタが一番戦っていることもあって、コンラートの印象が強いんですけど、仲間がそれぞれ戦っている魔法帝もやっぱり強くて。
しかも何の理由もなく、戦いを仕掛けてきたわけでもなく、それぞれの理想、作りたい世界があって、それを実現するために戦っているので納得できる点もあって。
アスタ側から見れば「何で? おかしいだろう?」と思えるけど、コンラートたちの視点で考えれば筋が通っている部分もあるので、お互いに信じるものや正義があるから強いし、力をぶつけ合えるんだろうなと思いました。