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『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』黒沢ともよ&石上静香インタビュー

『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』アーミヤ役・黒沢ともよさん&チェン役・石上静香さんインタビュー|この作品は「こっちの言うことも合っている、この気持ちもわかるの繰り返し」

2023年10月より絶賛放送中のTVアニメ『アークナイツ【冬隠帰路PERISH IN FROST】』。本作は昨年(2022年)10月から12月にかけて放送された『アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】』の続編となっており、主人公であるドクター(CV:甲斐田ゆき)やアーミヤ(CV:黒沢ともよ)らが属するロドス・アイランド製薬をはじめとする様々な陣営の思惑や想いが交錯する物語が描かれています。

アニメイトタイムズでは、そんな『アークナイツ【冬隠帰路PERISH IN FROST】』の放送が折り返しとなったタイミングで、アーミヤ役・黒沢ともよさん&チェン役・石上静香さんへのインタビューを行いました。

これまでの物語の振り返りをはじめ、今後描かれるであろう物語への期待を語ってくれました。また、おふたりがシーズン2で気になっているキャラクターや、今回のキーパーソンとなるフロストノヴァに関する話題も必読。

ぜひ第12話以降を視聴する前にチェックしていただければ幸いです!

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アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】
鉱石病(オリパシー)――それは人々の体を徐々に結晶化させ、死に至らしめる不治の病。製薬会社ロドス・アイランドはその治療法を研究し、病が引き起こすあらゆる問題を解決するための取り組みを行っている。感染者救済を謳うテロ組織"レユニオン・ムーブメント"の暴動を食い止めるべく、ロドスは炎国の都市である龍門と契約を交わし、活動を続けていた。スカルシュレッダーとの戦いの後、アーミヤは、ミーシャを救えなかった事実を受け止めきれず、ひとり悲しみに暮れていた。一方、龍門郊外に廃都市を発見したロドスは偵察隊を向かわせる。そこで奇妙な現象が起きていることに気づくが――作品名アークナイツ【冬隠帰路/PERISHINFROST】放送形態TVアニメシリーズアークナイツスケジュール2023年10月6日(金)~2023年11月24日(金)テレビ東京ほか話数全8話キャストドクター:甲斐田ゆきアーミヤ:黒沢ともよケルシー:日笠陽子フロストリーフ:加隈亜衣ジェシカ:広橋涼メテオリーテ:種田梨沙ブレイズ:中原麻衣グレースロート:福圓美里レッド:小清水亜美チェン:石上静香スワイヤー:徳井青空ホシグマ:安野希世乃ウェイ:山寺宏一フミヅキ:日髙のり子リン:伊藤かな恵タルラ:坂本...

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あなたは誰を推す? 何派になる? と試されている感じの前半だった

――TVアニメシーズン2『アークナイツ【冬隠帰路PERISH IN FROST】』も折り返しとなりました。まずは今の心境をお願いします。

アーミヤ役・黒沢ともよさん(以下、黒沢):シーズンが始まる時に浮上した問題に関しては、コンプリートしつつある中で、この先どうなるんだろうというですね。

チェン役・石上静香さん(以下、石上):たしかに12話が終わった段階で、けっこう区切りは良いきがしますし、次の話数がどういった話なのか想像ができないですよね……

黒沢:ここから先、TVシリーズとしては斬新な展開になっていく気がするので12話は、それをスルリと飲み込ませてくれるための劇薬のような話数だったなと思っています。

石上:通常のアニメは12話編成ですが、本作は1期も2期もどちらも8話で、通常のアニメより4話少ないのにも関わらず、よくここまで話を綺麗にまとめられているなと毎クール感じています。

8話なのに、12話を見せられている重さと言いますか、物量というか、でもまったく速足にも感じないですし、すごく丁寧に描かれていますよね。

黒沢:無駄がない感じがします。

石上:そうですね。でも、無駄がないからといって、必要なことを詰め込んでいるわけでもなく、あるシーンをみて、考えさせられたりするので、レユニオン側の気持ちもすごく大切に描かれているなと1期より、2期はとくに感じました。

黒沢:12話までやってきて、正義と悪の概念がかわってきたり、立場みたいなのが揺らいだり、新たな一面が見えてきている人がたくさんいる中で、一往の作戦を終えた彼らが、ここからどう撤退するのか、どう前進していくのかが楽しみだと思っている段階です。

――シーズン1を経て物語が大きく動いたかと思います。台本をチェックした際にシーズン2からはどんな印象を受けましたか?

黒沢:シーズン1は個の話で、視聴者である現代社会に生きる何でもない私たちが、世界観に入っていくであろう段階のようなものを見せてくれて、没入させてくれるための8話だったのかなと。

1期はミーシャの背中を追って、みんながその世界観に入っていき、最後に痛みがわかる感じになるという流れだったのですが、2期は全てが整った状態で始まったように感じました。序盤から説明的なパートが少なく、最初から派手に話が進んでいっている感じがしました。

石上:そうですね、黒沢さんがおしゃっているのを聞いて、たしかになと思いました。1期はドクターに感情移入させつつ、途中からは視聴者もミーシャに気持ちが揺らいでいたと思うのですが、2期にはその気持ちが無いなと感じました。それは何故なんだろうと考えた時、勢力が増えたのと、ピンポイントに誰かの視点でのストーリーがないからなのかと思いました。

例えば、ゲームでは絶対に自分がドクター視点になるので、レユニオンという悪者を倒すというのが正義だったので何も考えていなかったのですが、11話を見るとドクター目線ではなく、いち視聴者目線で作品をみたときに、正義の感情がなくなって視聴者によって感情移入する人がすごく分かれる作品だろうなと思いました。だからこそ、見ていて難しいというか、考えさせられるとい言いますか、、、

黒沢:わかります。監督がはった罠にかかっていくという感覚がありまして、それは、1期の8話までを使って私たちを上手にその世界に誘い込んで、引き入れたところであなたは誰を推す? 何派になる? と試されている感じの前半でした。

石上:たしかに、それがシックリくる感じがします! 誰に感情移入すれば良いのかわからないんです。どれも正義だからこそ、みんなを応援していたいけど、、、でも、対立の構成もあるので、、、なので、12話まで見ていて、気持ちがもやもやしてしまう感覚があります。

黒沢:「こっちの言うことも合っている」、「この気持ちもわかる」の繰り返しです。

石上:最終的に、いま、現状私としてはアーミヤに一番感情移入しています。争わない世界を作ろうという理想を言っているけど、そんな簡単ではないというのはわかっているので、アーミヤと同じ気持ちになって苦しいという真っ只中にいると思います。

――アーミヤはシーズン1で描かれたミーシャとスカルシュレッダーとのエピソードを経てのシーズン2かと思います。今回で演じる際に意識したことや、シーズン1から通して意識していることもお教えください。

黒沢:1期を経て2期で変わったという点ですと、2期は反省や後悔から入りますので、1話~2話目あたりで、「守らなければいけない物がある」組織を意識して、感情的にならず、押し殺しつつ、たしなめる方向でずっとこらえていたので、「我慢の方向性」と言いますか、感情との向き合い方が、1期と2期ではちょっと変わったなと思います。

この感情の抑圧とか、理性的になるという行為がキーポイントで。とにかく組織のこととか、これからのことを考えて理性的に抑圧する状態にしていました。

――1期を経て、決意というか強さを持って進んでいくイメージがあるのですが、アーミヤの強さとかを意識しましたか?

黒沢:こらえているからこそ、強く聞こえる音や言葉使いになるだけで、強い意志を持って自信満々に進んで行っているわけではない気がします。バネは縮めると固くなると思いますが、それが強さに見えているだけな気がします。彼女の思考の中にいると、あまり強くなった感じはなく、自分を抑えるのに必要な力だけがどんどん増えていっているなと感じていたのと、鎧がどんどん増えていっているのを体感しました。

――シーズン1からおなじみのアーミヤとドクターとの掛け合いについてはいかがでしたか?

黒沢:今回序盤は少し絡みがあって、その後はしばらくドクターとのプライベートな会話というのが無くなっていくのですが、後半の方が対話するシーンがあるので、最初の話数と最後の話数のドクター自身の変革や、それに対してアーミヤがどう寄り添っていくのかというのを、監督のご指示のもと丁寧につくったので前半と後半の変化を楽しんでもらえた嬉しいです。

――また、ドクターを演じられる甲斐田ゆきさんとはシーズン2にあたって何かやり取りをされましたか?

黒沢:甲斐田さんは、ドクターの言葉が単語的だったのが、徐々に文章的になっていたので、感情の乗せ方を工夫されていました。

「今のってドクターだった??」とおっしゃられた時に、一緒にとっていたメンバーと「あっ、今のはそうだったんじゃない?!」といったような話をしながら、わりとフランクな感じで進んでいたという印象です。

――チェンは今回のシーズン2、特に序盤は近衛局が中心になるところがあったかと思います。ホシグマやスワイヤーとの掛け合いはどのようなことを意識していますか?

石上:特段意識したことはないのですが、台本のしゃべり口調からして、対ロドスであったり、対ウェイ長官としゃべる口調ではなく、どこかリラックスした言葉になっていたので、その部分はくみとって、いつもよりは強張った声ではなくリラックスした感じにしました。ただし、全部をリラックスしているわけではないので、気持ちちょっとだけ心を許しているしゃべり方にはしようかなと意識しました。

とくにスワイヤーとの電話のシーンでは、かなりプライべートな部分ので、イライラしつつも、どこか安らげる時間に感じているような演技を意識しました。


 

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