『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』アーミヤ役・黒沢ともよさん&チェン役・石上静香さんインタビュー|この作品は「こっちの言うことも合っている、この気持ちもわかるの繰り返し」
今後のフロストノヴァに関するシーンでは「飴のもっとも崇高な描かれ方の演出」に期待
――シーズン1を振り返ってみておふたりが印象に残っているエピソードとキャラクターもお願いします。
石上:どうしても後半のミーシャとスカルシュレッダーの方にフューチャーされますかね。
黒沢:そうですね。
石上:1期はヒロイン、ミーシャをめぐってのストーリーという構成だったりするのと、アーミヤが初めて人を殺めてしまうシーンがあったりと、印象的なシーンはいくつかありました。
チェンももう少し言い方が上手く伝われば、この作戦ももっと上手くいったのではないかと思ったりもして、後悔が残るのですが、その後時間があいて、2期ではその後悔を糧に成長して欲しいなとは思っています。が、時間的にはそこまで経っていないので、どうなのかなと。。。
黒沢:2期になると勢力争いというのか、覇権争いというのか、自分を守るための戦いが増えてくるのですが、1期はそもそもオリパシーという病気の痛々しさが印象的に描かれていた気がするので、体から出てきた鉱石が当たった時の“カシンャン”という音であったりが、すごく記憶に残っています。診療所の光景なども、そうですね。あのシーンがあったからこそ、その痛みを皆根底において演じていた気がします。
これから2期は感染者とか非感染者というのが、組織の争いに上乗せしてまた1枚“あなたはそっち側”“私はこっち側”というベールが乗ってくるところでもあり、大きくつながっているところではあるので、病気の描写は印象的に残っています。
――また、シーズン2でおふたりが注目or気に入っているキャラクターとその理由は?
黒沢:私は13話のメフィストとファウストの話の回です。ちょこちょこは登場していて、圧倒的悪だったメフィストが、その過去が掘り下げられているのが印象的で、キャラクターとしては魅力的だなと思いましたので、注目ではあります。
石上:私はナインです。元近衛局の隊長で、チェンの上司にあたるのですがゲームには登場していたのですが、アニメでは初めて声がついたキャラクターです。
庄司さんとは一緒に収録させて頂いたので、掛け合いができたのですがその際に、原作側からのナインの役作り部分で、紆余曲折あったのを知っていたのですが、出来上がった声を聞いた時に、チェンと同じ匂いを感じました。隊長というのは、こういった人がなるよねと思いました。
ただし、ナインの方がチェンより1枚上手ですし、先輩だけあって頭もよくて、先に龍門に対しての思いだったり、考えの着地点を自分なりに見つけていました。チェンはまだ見つけられていないので、対比になりつつも、やっぱり似ているなというのをすごく感じました。視聴者の方にも、チェンとナインが会話しているところを聞いて欲しいです。
――シーズン2のキーパーソンとなりそうなフロストノヴァについてはどのような印象を受けましたか?
黒沢:強くて、綺麗で可愛くて、ズルいですよね(笑)綺麗も可愛いも両方もっていますし。
石上:しかも、レユニオン側なのに、すごく常識人でありますし。アーミヤと同じウサギ属性というのもあって、ウサギは皆性格良いのかなと思いました(笑)
黒沢:一応自分の立場はあれど、それとは別で自分の中の倫理観みたいなものがすごくある役なので、非常に深い会話を最後までしているのが印象的で、流し見じゃなく対峙して見て欲しいシーンを多くもっているキャラクターだと思いました。含みのあるセリフも多いので、“あ~そういうことか”と思うことがあると思います。
また、これからのシーンで、飴をなめるシーンがあるのですが、とても良いシーンなんですよ。
石上:そうですね。言えないんですけど、、この先ドクターとフロストノヴァが会話するシーンがあるのですが、あそこが本当に良いです!!
黒沢:飴が良いんです! 飴が良いと書いておいてください。飴をなめさせるのも良いし、なめさせられるのも良いんです。飴ってこんなにも効果的に使えるのだと。飴のもっとも崇高な描かれ方の演出です。
石上:これから友達を作る際には飴ちゃんあげたいなと思いました。
黒沢:飴持ち歩こうと思いました。
石上:友達になれそうですよね。自分のお気に入りの飴を持ち歩こうと思います。
――アーミヤとチェンにとってフロストノヴァは敵対するキャラクターかと存じますが、掛け合った印象やフロストノヴァを演じる高垣彩陽さんのお芝居の印象もお答えください。
黒沢:高垣さんは、もともととても丁寧で愛情深い方なので、その感じがフロストノヴァの素敵な諦めの悪さみたいな部分とシンクロしていた気がします。もっと冷酷になれたら、この人はきっと伸び伸びと生きていけるのになと思いました。敵だけど愛してしまう、温もり感がありますよね。冷たいキャラクターなのに、不思議なのですが、とっても温もりのあるキャラクターだなとアフレコの日にお会いして感じました。
実年齢も少し上なので、普段でもお姉ちゃんのように良くしてもらっているのがあったので、アフレコしてお話ししていても、アーミヤに突き放すようなことを言っているようなセリフでも、心配して言われている? となるぐらい、ご本人の情の深さがとても出ていて、高垣さんとフロストノヴァの親和性がとても高いなと思いながらご一緒させて頂きました。
石上:ゲームをやっている身からしたら、フロストノヴァというキャラクターはとても人気が高いキャラクターなので、なんでこの子に声が実装されていないのだと言われていたのですが、アニメーションで初めて声を聞いたとき、本当にドンピシャの声の方を選ばれているなと思いました。初めて聞いたとは思えないぐらいぴったりでした。
また、ゲームのテーマソングとして流れていたBGMに歌詞をつけられて、歌って攻撃しているシーンなどは1ファンとして、ここまで作ってくれてありがとう! という気持ちで、終始感謝していました(笑)
後半またアーミヤとフロストノヴァが対峙するシーンがあるのですが、あそこの部分も昔ゲームをやっていた時の映像がよみがえるぐらいにクオリティが高かったです。よくアニメーションとゲームで違和感なく寄せて描けたなと、演出のすごさなどを感じ、改めて渡邉監督の力量が素晴らしいなと感じました。
――今後ファンのみなさんに注目してほしいポイントや放送を楽しみにしているファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
黒沢:1期に引き続き、映像美が素晴らしいうえ、ゲームでも皆さんに読んで頂いているシナリオを、渡邉監督をはじめ日本のアニメチームが、ただ映像化したわけではなく、しっかりと監督とチームが実感をもって再構築した作品ですし、アークナイツの一番の強みである、思いがしっかりクリエイティブに乗っている血の通った作品だと思っていますので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
石上:隅から隅まで、こだわりにこだわった作品です。土を踏む音であったり、空の色であったり、1個1個こだわって描かれたり、音を奏でていますので、その細かいところまで見て欲しいです。1回目は全体的に見ると思いますが、2周、3周と見て頂くときには、違和感のある映像がたまに含まれていますので、そういった部分も全話見返すときに気にして見て欲しいです。何回見ても新たな発見があると思います。
その他、1期と同様オープニングとエンディングにも色んな仕掛けが入っているのでそこもチェックしてください。最初に見た時は綺麗なオープニング映像だなと思うと思いますが、最終回を見た後に見ると、実はこういう演出だったんだという発見がたくさんあると思いますのでぜひアークナイツを何度も何度も見返して頂きたいなと思います。
『アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】』作品情報
あらすじ
それは人々の体を徐々に結晶化させ、死に至らしめる不治の病。
製薬会社ロドス・アイランドはその治療法を研究し、病が引き起こすあらゆる問題を解決するための取り組みを行っている。
感染者救済を謳うテロ組織"レユニオン・ムーブメント"の暴動を食い止めるべく、ロドスは炎国の都市である龍門と契約を交わし、活動を続けていた。
スカルシュレッダーとの戦いの後、アーミヤは、ミーシャを救えなかった事実を受け止めきれず、ひとり悲しみに暮れていた。
一方、龍門郊外に廃都市を発見したロドスは偵察隊を向かわせる。
そこで奇妙な現象が起きていることに気づくが――
キャスト
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