この記事をかいた人
- 阿部裕華
- アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター
――映画『翔んで埼玉』は漫画原作の作品ですが、おふたりは普段からアニメ・漫画などのカルチャーコンテンツに触れていますか?
GACKT:日常ですね。ボクにとってはそれが日常のすべてです。
杏:私も日常的に触れています。
――最近ハマっている作品がありましたら、ぜひ教えてください。
GACKT:ボクが最近一番感動したのは、アニメの『リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)』。仲間内で「どのアニメを見たらいいかな?」という話をしたら『リゼロ』と言われて。たしかに見ていなかったので見てみたんですよ。最初は「何が面白いのか全然分からない」と思ったけど、「とりあえず我慢してある程度まで進んだら分かる!」とのことで見続けていたら、途中で急に展開が激しく変わるじゃないですか。
特に、主人公のセリフの強さがいいですよ。中でも、メモを取るくらい感動したのは<いずれくるかもしれない別れの時間を恐がるより、必ずくる明日って日々を俺と一緒に生きよう>というセリフ。刺さって1人で泣いていました(笑)。
杏:ふふふ(笑)。
GACKT:なんて素晴らしい言葉なんだと。
日本のアニメや漫画の大きな特徴は、セリフの言葉の強さがたくさんあることも理由の一つです。それが英訳されて海外の人にも通じている。さらにアニメは、声優さんたちが言葉に魂を込めて届けてくれるから、ボクはずっとアニメが好きです。
杏:私が1番好きなのは漫画なのですが、今は『ゴールデンカムイ』を1から読み直していて、アニメも1から通してまとめて見ようと思っているところです。アイヌ語、ロシア語、薩摩弁……当時使われていた言葉がリアルに描かれた作品だと思うので、あれがアニメになるとどういう音で表現されるのかがすごく気になっています。
GACKT:(『ゴールデンカムイ』の)アニメは強烈だよ。アシㇼパが突然「チンポ先生!」って言うシーンは音声化されることで、より強烈になる(笑)。
杏:あれはそうですよね(笑)。私、基本的にアニメも漫画も子どもたちには何でも見せたり読ませたりしているんですよ。『翔んで埼玉』も一緒に読みましたし。だけど、『ゴールデンカムイ』はまだちょっと早いなと思い、本棚の手が届かない位置に置いています(笑)。
GACKT:(笑)。
――おふたりは好きな作品を布教することもありますか?
GACKT:しますよ。仲間と集まって、それぞれがリストアップした好きな漫画やアニメを語り合うとかやります。
杏:私は自分から布教することは抑えているのですが、「何かオススメを教えて!」と言われたら全力で布教します(笑)。
GACKT:アニメ、漫画好きな人って話し出すと熱量が高いよね。悪い人はいないんじゃないかなと思っています(笑)。
――それでは最後に、おふたりが「人生でこれは見てほしい/読んでほしい」と思う作品をぜひ教えてください!
杏:私は『風雲児たち』かな……。すごく長い作品ですし、絵柄もちょっと昔の感じなので、私も最初は馴染みがなかったんですね。しかし読み始めたらあまりに面白くて。『風雲児たち』を読んだ後はさらに「こんな人物いたんだ」と興味が湧いて、登場人物それぞれが登場する小説や資料を読むことも。点で描くものを線で全部繋げてくれるような作品で、いろんなことに活かせました。好奇心が満たされるのでオススメです。
GACKT:ボクも歴史ものが好きなので杏ちゃんに合わせて歴史ものを紹介すると、『(陸奥圓明流外伝)修羅の刻』かな。歴史上の人物をモデルにフィクションのキャラクターとしてつくられているのだけど、そんなキャラクターたちが生きるために全力で戦って儚く散っていく姿を見ていると「生きるとは何か」を考えさせられる。もともと読んでいてエネルギーがもらえる作品が大好きだから、『修羅の刻』を朝テンションが上がらない時や悩み事をしている時に読むと「いやいや、そうじゃないだろ!」と背中を押されます。ちなみに、ボクが一番好きなのは新撰組篇7です。
<GACKT>
ヘアメイク:タナベコウタ
スタイリスト:Rockey
<杏>
ヘアメイク:笹本恭平(ilumini)
スタイリスト:中井綾子(crêpe)
[インタビュー/阿部裕華]
2023年11月23日(木・祝)全国公開
出演:GACKT、二階堂ふみ、杏、片岡愛之助ほか
原作:『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』魔夜峰央(宝島社)
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
配給:東映
(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
公式サイト https://www.tondesaitama.com/
公式X(旧Twitter) https://twitter.com/m_tondesaitama
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@m_tondesaitama
アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター。Webメディアのディレクター・編集を経て、フリーライターとしてエンタメ・ビジネス領域で活動。共著「BL塾 ボーイズラブのこと、もっと知ってみませんか?」発売中。