この記事をかいた人
- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
突然ですが、私は「強い女キャラ」が大好きです。小学生のころからオタクであり続けること早●十年、数多くの漫画やアニメを嗜んできましたが、長年各作品に登場する強い女たちに惹かれてきました。
他に推しの男性キャラクターがいたとしても、彼女たちは推しとはまた違う部分で心を掴んでくるのです。最近の作品はそんな強い女性キャラクターが昔よりも多く登場しており、その良さが感じられる機会が増えている気がします。
そこで今回は「強い女キャラ」について考えてみることにしました。よろしければ、しばしお付き合いください。
強いといっても、その強さの種類はさまざま。戦闘能力が高かったり、腕っぷしが強かったりという物理的な強さを示すこともあれば、精神的な強さ、気の強さをいうこともあります。
ですが、私が知る限り高い戦闘能力を誇る女性の多くは精神的な強さや気の強さも兼ね備えているもの。おそらくそれは強くなるためにメンタル面も鍛錬されるような厳しい修行や環境を乗り越えているからでしょう。
また、気の強い女性は腕っぷしが強くなくても、自信を持てるような技術や能力を持っていることが多く、そんな女性キャラクターは物語の中で必ずと言っていいほど活躍するものです。
つまり、戦闘における強さと精神的な強さはほとんどイコールと言えると私は考えています。
男性らしさ・女性らしさを語るのは時代にそぐわない昨今ですが、それでも「強さ」が男性を思わせるワードであることは否定できません。それはシンプルな腕っぷしの強さでは身体的に男性の方に分があり、戦いに駆り出されるのが男性だからでしょう。
だからこそ強さで男性キャラクターに引けを取らないどころか、凌駕してしまうほどの女性キャラクターはより凛々しく格好良く感じられるのだと思います。
男性を凌駕するキャラクターで私が思い浮かべるのは、『鋼の錬金術師』のオリヴィエ・ミラ・アームストロングです。彼女は敵国との国境を守る北軍のトップ。実力主義で普段は厳しく苛烈な性格でありながらも、部下への思いやりも持っているため上官として絶大な信頼を集めています。
屈強な男兵士たちを従え、得意の剣術で強敵をなぎ倒す姿があまりに格好良すぎる女性です。
強い女性キャラクターは芯が強い人物が多いと感じます。芯が強いということは理想の自分像や目標が明確であるということ。これは女性に限ったことではありませんが、自分の中にはっきりとした軸を持っているからこそ、言動に迷いがなく強くいられるのだと思います。
例として挙げられるのは『呪術廻戦』の禪院真希や釘崎野薔薇。真希は呪術の名家に生まれたものの落ちこぼれとして扱われており「このままでは自分を嫌いになる」と、強くなって戻ると宣言して自ら家を出ています。
とてつもない強さと女性としての魅力を併せ持っているところが強い女性キャラクターの醍醐味。それをまさに体現しているのが『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』で活躍した甘露寺蜜璃です。
鬼殺隊の精鋭・柱の1人である彼女は常人の8倍の筋力を持ち、彼女にしか扱えない鞭のようにしなる刀で鬼を打ち倒します。一方、普段の彼女は恋する乙女。鬼殺隊に入ったのも「添い遂げる殿方を見つけるため」と言っており、さらに自分より強い男性と出会いたい一心で研鑚を積み、柱になったのだと言います。
明るく天真爛漫で、時折恥じらう姿も見せる甘露寺は女の子としての可愛さが詰まったような存在です。そんな彼女が敵を前に刀を抜くと凛とした表情に変わる様に魅了されたファンも多いことでしょう。
甘露寺蜜璃にも当てはまることですが、強い女性キャラクターはギャップの大きさで読者・視聴者にインパクトを与えることも多いです。アニメ映画が公開中の『SPY×FAMILY』ヨル・フォージャーもその1人。
普段はおっとりとした性格で、ちょっと世間とずれた天然っぽいところがあるヨル。しかし、凄腕の暗殺者という裏の顔を持つ彼女は、ひとりで何人もの敵を片付けてしまうほどの強さの持ち主です。殺しの依頼が入るとその瞳からぬくもりが消え、それまでの柔らかな雰囲気がガラリと一変するシーンは何度見てもゾクッとしてしまいます。
ヨルが初登場したのは原作第1話の扉絵ですが、物語に登場したのは第2話から。扉絵の第一印象と第2話のストーリーで受ける印象の差で一気に彼女を好きになったというファンも少なくありません。
個人的には、家族と過ごす穏やかな日常のシーンでも、ボールを恐ろしいスピードで投げて見せたり、車を追い越す速さで走ったりと彼女の常人離れした強さの片鱗が時折顔を出すところがとても好きです。
強い女性キャラクターは、読者(視聴者)の固定概念を壊すことで強烈なインパクトを与えられ、私たちを一気に物語に引き込んでくれる存在でもあります。私がこれまで触れてきた作品の中で最も強い衝撃を与えられたのは、『黒執事』のエリザベス・ミッドフォードです。
彼女は、主人公シエル・ファントムハイヴの許婚であり、彼のことが大好きな少女。天真爛漫で可愛いものに目がなく、着飾ることも大好き。貴族の家の生まれで幼いながらも言動に品がある、まさにお嬢様です。
お姫様のように可憐なエリザベスですが、実は天才的な剣技の持ち主。しかし、幼いころシエルが「(彼女の母のような)強いお嫁さんは怖い」という発言を聞いたことをきっかけに、シエルに守られる可愛い女の子であることを決意し、本当の自分を隠してきました。
ところが、ファントムハイヴ家が何者かに襲撃され、シエルが一時誘拐されたことで、彼を守れるようになりたい、と剣の修行を再開。それでも彼の前で剣を振るうことはありませんでしたが、シエルとともに敵の襲撃を受けて窮地に陥ったため、自ら剣を取り、大勢の敵を1人で斬り倒し見事シエルを守り切るのでした。
エリザベスの真の姿を知って呆気にとられるシエルに、泣きながら「強いお嫁さんでも嫌いにならないで」と言うエリザベス。好きな人に可愛いと思われたい乙女心と、大好きな彼を守りたいという気持ちの間で葛藤する少女の健気さに胸を掴まれました。
昔の作品に比べて、最近の作品に強い女性キャラクターが多く登場している背景には、日本社会全体の女性像が変わりつつあるからだと感じています。もちろん昔の女性が強くなかったわけではありませんが、昔の女性像は守られる対象であり、強さはあまり求められていなかったのではないでしょうか。
そのことが感じられる作品として、2023年春に公開された映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が挙げられます。本作は日本とアメリカの合作で、言わずもがな任天堂のゲーム『マリオブラザーズ』シリーズを原作としたアニメ映画です。
注目したいのは本作のヒロインであるピーチ姫。原作ゲーム(特に初期)においては、クッパにさらわれ、マリオに助け出される姫というポジションであった彼女が、本作では国の長として防衛のために他国に同盟交渉を持ちかけたり、ドレスではなくスーツを着て武器を手にした姿を見せたりと強い女性として描かれています。
守られるだけ・助けられるだけの女性はもはや過去のもの。強い女性キャラクターが作品をより魅力あるものにしてくれているのです。
⋱本日23:59締切🍄⋰#映画スーパーマリオ
— 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公式 (@mariomoviejp) May 31, 2023
感想投稿キャンペーン実施中‼️
【#映画マリオみた】をつけて
映画の感想呟くと…
抽選で35名様に映画グッズをプレゼント🌈
皆様のご応募お待ちしております🙌
詳細https://t.co/PsIqrSEssz
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
大ヒット上映中⭐️ pic.twitter.com/VaAcy4Rssz
今や強い女性キャラクターは作品になくてはならない存在。本稿で具体例として挙げたキャラクターはほんのひと握りであり、まだまだ魅力的な強い女キャラはたくさんいます。そして、これからも増えていくことでしょう。
あなたの好きな強い女性キャラは誰ですか?
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。