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『天官賜福』芳心国師の正体&郎千秋の情報まとめ|鎏金宴や安楽王を解説

『天官賜福』芳心国師の正体&泰華殿下・郎千秋の情報をまとめてご紹介! 「鎏金宴(りゅうきんえん)」でいったい何が起きたのか──事件の真相や安楽王についても解説

墨香銅臭先生が綴る人気小説を原作とした中華ファンタジーアニメ 『天官賜福』。その第2期となる『天官賜福 貮』日本語吹替版が2024年1⽉7⽇よりTOKYO MX・BS11ほかにて放送中。日本語翻訳版小説は第2巻まで刊行され、第3巻が2024年4月15日頃発売予定です。

「天界」「人間界」「鬼界」の三つの領域から成る架空の古代中国を舞台とし、主人公・謝憐(シエ・リェン)をめぐる八百年にわたる壮大な物語が描かれる本作。神秘的な世界観、美しいアニメーションや心情描写が秀逸で、アニメ第2期ではさらなる反響を呼んでいます。

本稿ではこれまで謎に包まれていた芳心国師の正体や、泰華殿下・郎千秋(ラン・チエンチウ)の情報をまとめてご紹介! アニメ第2期で注目を集める「鎏金宴」ではいったい何が起きたのか? 長らく続いてきた仙楽人と永安人の確執や、事件の真相と安楽王についても解説します。

※本稿にはアニメ『天官賜福』『天官賜福 貳』、日本語版小説第2巻までのネタバレが含まれます。ご了承ください。

 

 

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泰華殿下・郎千秋(ラン・チエンチウ)

 

泰華(タイホワ)殿下こと郎千秋は東方を守護する武神。飛昇前は永安国の太子であったため、太子殿下と呼ばれることも。王族の気品を漂わせつつ、真っすぐで凛々しい上がり眉に大きく輝く目をしていて、きりりとした美しい顔にどこかあどけなさを残しています。

 

二人の太子殿下

 
謝憐が三度目の飛昇をしてから初めて郎千秋と対面したとき、郎千秋は謝憐の顔を知らない様子でした。けれど、まわりの神官たちからすると、謝憐が南陽将軍、玄真将軍と対面するのと同じように謝憐と郎千秋の対面はたいそう興味深いもののようです。

そんな謝憐と郎千秋は、時代は違えど仙楽国と永安国のそれぞれの太子殿下。過去の大乱を経て仙楽人と永安人は昔から反目し合っており、当然二人が会うと気まずいのではないかと思われるのかもしれません。

謝憐はというと、人界を流浪していた頃に東方へも行ったことがあり、この永安国の太子が飛昇したことは知っていました。ですので、遅かれ早かれ上天庭で郎千秋と出くわす日も来るだろうと予測していたようです。

 

郎千秋の性格をよく知る謝憐

 
天界で郎千秋と対面後、謝憐は東方が管轄である彼と協力し、行方不明となっている神官の捜査のために風師・師青玄(シー・チンシュエン)と共に鬼市へと潜入しています。

郎千秋は歪んだことを見過ごすことができない正義感溢れる性格で、花城(ホワチョン)が仕切る鬼市の賭場で派手に乱入してしまうなど衝動的な一面も。慎重に控えめに行動するのが得策な場面で、これには謝憐も師青玄も頭を抱えることに。

実は謝憐と郎千秋のあいだには知られざる深く込み入った事情もあり、謝憐は郎千秋の性格をよく知っている様子で、彼の行動に対して妙に納得していることが窺えます。

 

仙楽国と永安国

かつて永安は仙楽国にある町の一つだった

その昔、永安はもともと仙楽国にある大きな町の一つでした。仙楽国の太子であった謝憐が一度目の飛昇をしてから数年後、ひどい干ばつに見舞われた永安から助けを求めて多くの永安人が仙楽皇城へと押し寄せ、仙楽国は混乱に陥ります。やがて大乱が巻き起こるなかで謝憐は祖国のために天界の禁忌を破って介入するも、仙楽国は滅亡。

永安国はまさに仙楽国に取って代わった国で、つまり永安国の建国の祖こそが、仙楽の皇城を攻め落とした反乱軍の頭目だったのです。

 

仙楽人と永安人の確執

仙楽国が滅び永安が建国されて統治が始まってからも、仙楽人としての誇りを持ち続ける遺民の一部やその子孫たちは仙楽人を名乗り続け、新王朝の民と衝突を繰り返していました。

初めの何代かの永安国の皇族は、頑なに抵抗する仙楽国の遺民を多く惨殺し、これに対して仙楽人も永安国の王侯貴族の暗殺を企て、実際に何度も完遂したせいで確執はさらに深まっていきます。

 

仙楽皇族の末裔を「安楽王」に

「安楽(アンロー)王」とは、郎千秋と同世代の仙楽皇室の末裔であり、郎千秋の友人でもあります。

長らく仙楽人と永安人のあいだには確執が残っていましたが、郎千秋の代になると両者の関係は温和なものに。郎千秋の父皇と母后は、新王朝の国民と前王朝の遺民の融和を願い、反対を押しきって仙楽国の皇族の末裔を「安楽王」として王侯貴族の一員としたのです。

誠意を示すためその安楽王を郎千秋の遊び相手にし、郎千秋も仙楽人に対してずっと好感を抱いていました。安楽王は鎏金宴大殺戮のあとに病死したと言われていますが、死因に関して違和感も残しています。

 

 

芳心国師(ファンシンこくし)

 

郎千秋の代、当時の永安国師は「芳心国師」だったのですが、この人物がいったい何者でどのような来歴を持っているのか誰一人として知る者はいません。伝説の芳心国師は常に孤高の存在で謎に包まれており、いつも白銀の仮面を被っていて郎千秋も素顔を見たことがなかったようです。

芳心国師は郎千秋の命の恩人で、また文武を指南した恩師でもあり、郎千秋は国師に深い畏敬の念を抱いていました。郎千秋をはじめ皇宮の誰もが芳心国師を少し恐れていたのですが、それは彼が意図的に近寄り難さと威圧感を作り上げていたからです。

芳心国師が操る細長い黒剣には、剣身の大部分を貫くように白銀の非常に細い線が通っており、潔白な心を表しているようなその剣はまさに「芳心」(=美しい心)という名を持ちます。芳心国師の死後、彼の剣は永安太子によって保管されていました。

そんな芳心国師は、鎏金宴で永安国の皇族を殺戮した事件で知られています。永安国に災いをもたらした妖道とされており、半月国の半月国師とともに「妖道双師」に並べられている人物です。

※国師というのは、道教あるいは仏教に造詣が深い人に王が与える尊称。王の師である場合もあり、政治面での助言もします。

 

芳心国師の正体は仙楽太子・謝憐

 
鎏金宴大殺戮の犯人とされる芳心国師の正体は、アニメ第2期で明かされています。郎千秋が鬼市で花城と戦うことになった際、謝憐が両者の間に割り込み、郎千秋の重剣を打ち返し、花城の湾刀厄命を止めたのですが、その瞬間に郎千秋は謝憐が芳心国師であると気づいたのです。

 

 

郎千秋は12歳の時、賊の一味に捕らわれたことがありました。その時、道端にいた大道芸人が突然棒を一本突き出してきて、今回の鬼市と同じように二手で両方の剣を弾いて郎千秋を助けています。

大道芸人は郎千秋を連れて逃げて皇宮まで送り届け、郎千秋の両親は恩義を感じて彼を引き留め、非常に有能だったその人物を国師にまで取り立てました。郎千秋が芳心国師の正体が謝憐だと見抜いたのは、五年間彼から剣術を教わり、芳心国師の剣筋をこれ以上ないくらいに知っているからです。

一方、謝憐は自身が芳心国師であることだけでなく、鎏金宴で殺戮を行ったこともあっさりと認めています。かつて永安の国師と太子として親交を深めていた謝憐と郎千秋でしたが、鎏金宴大殺戮をきっかけに二人の関係は一変してしまいました。

 

 

<次ページ:鎏金宴大殺戮の真相を解説>
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