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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
2024年4月より放送開始のテレビアニメ『忘却バッテリー』(原作・みかわ絵子先生)。記憶喪失の主人公という今までの野球漫画にないユニークな設定が特徴で、癖のある個性豊かなキャラクターたちやギャグとシリアスの絶妙なバランスなどが魅力の作品です。
要圭(かなめけい)は、天才投手・清峰葉流火のバッテリーでシニア時代には智将と評された捕手。しかし現在は記憶喪失によりその面影をすっかり失っています。
本稿では、要圭の情報を一挙にご紹介。“智将”と記憶喪失後の“アホ”それぞれの性格や野球の強さ、清峰との関係に加え、今後の注目シーンなどをまとめて解説します。
※本記事にはネタバレが含まれます。
清峰の幼馴染で、シニア時代はバッテリーを組んでいた。冷静沈着なリードで“智将”と呼ばれるほどの名捕手だったが、現在は記憶喪失で野球のこともすっかり忘れてしまい、素人同然に。性格も緩く明るい性格に変わり、ウケないギャグを発する要にかつての“智将”の面影はない。
学校学年:小手指高校1年生
ポジション:捕手(キャッチャー)
投打:右投左打
身長:172cm
誕生日:4月15日
血液型:AB型
兄弟:一人っ子
出身:宝谷シニア
シニア時代は中学生怪物バッテリーの智将捕手として名を馳せていました。140㎞を超える球を持つ天才投手・清峰葉流火のどんな球でも捕り、冷静沈着でキレのあるリードで勝利をもぎ取る、まさに扇の“要”です。
捕手としてだけでなく打撃でも確かな実力を持つ要は、所属していた名門宝谷シニアで3番バッターを任されていました。
実力だけでなくチームを統率するリーダーシップや指導力も備えており、彼が口を開けば周囲が自然と話に聞き入ってしまうようなカリスマ性さえ有しています。唯我独尊でマイペースな清峰のことを従順な忠犬のように手懐けられるのも彼だけです。
冷静沈着で自信にあふれた性格であり、「葉流火を一流のプロ野球選手にすること」を自分の使命としており、そのために自分にも清峰にもチームにもストイック。その厳しさは非情にさえ感じられるほどで、周囲との軋轢を生むこともあったようです。
智将時代とはうってかわって、記憶喪失となった現在の要は明るく素直なお調子者。ペラペラとよく喋り、表情も感情のままにコロコロ変わるさまは軽率そのものであり、チームメイトからは“アホ”と評されています。
野球のこともすっかり忘れてしまっているため、知識も技術も素人同然の状態。しかし、何もかもがゼロになったわけではありません。要のバッティングフォームは綺麗なままであり、キャッチャーの基本姿勢に関しては自然と完璧な体勢が取れているのです。そのことが彼がかつて智将だったことを証明しています。
さらに、全面的にアホではあるものの、キャッチャー特有の観察力は優れたままで、人の感情の機微を敏感に感じ取り、自覚なく相手の図星を突くところも智将時代の名残と言えるでしょう。根が非常に優しい性格であるため、他人との不和を嫌い、他人の気持ちを考えない言動をとる清峰を諫めることもしばしば。
初めこそ野球に強い拒否反応を示していましたが、清峰や同じクラスの山田の粘り強い勧誘で野球を一から始め、少しずつその楽しさに目覚めていきます。智将だったころにはなかった明るさとユーモアでチームのムード作りに貢献しています。
元々清峰とは家が近所の幼馴染であり、清峰が初めてキャッチボールをした相手は要でした。清峰はこのキャッチボールで野球の楽しさに目覚め、野球の道に進むことに。一方、要は、幼いながら清峰の才能に気づきます。ふたりは最強のバッテリーとして甲子園に行く約束をし、共に硬式野球チームに加入。その後、宝谷シニアへと進みました。
リトルチームに入った2人でしたが、才能ある清峰には多くの大人が注目し、無責任で的外れな助言をするようになります。その助言のせいで投球フォームが崩れる清峰を目の当たりにした要は、清峰に大人ではなく自分を信じさせ、導いていくことを決意。
天才投手と肩を並べる最強の捕手になるべく、生活のすべてを野球に捧げて必死に勉強と練習を重ねます。そのため、清峰は要に全幅の信頼を置いており、要以外とバッテリーを組むことを嫌がる今の関係ができあがったのでした。
元々アホでだらしない性格をしていた要は、天才・清峰の隣に立ち続けるために自分を律し、必死に努力を重ねるうちに、冷静沈着でクールな智将の性格に変化。野球、そして清峰のために性格すら変えてしまったのです。
血のにじむような努力の甲斐あって、中学生天才捕手と評されるようになった要は、清峰とともに数多くの球児の心をへし折る快勝を重ねます。その一方で、野球を楽しいと思えなくなってしまい、さらに、負けた選手たちの負の感情やチームメイトとの軋轢によって、気付かないうちに莫大なストレスを溜め込んでしまいます。
中学3年の時に要の心はとうとう限界を迎え、智将の人格はスリープ状態に。代わりに元のアホな人格が現われ、その様子が周囲からは記憶喪失という形で認識されたのでした。
ある日突然、智将時代の人格が戻った要。前日までのアホが嘘のように、クールな性格となった要は、戸惑うチームメイトをよそに智将のスキルを遺憾なく発揮していきます。
記憶が戻ったばかりだというのに、即座にチーム全体の力量を把握して練習メニューを決め、チームメイトたちが手を焼いていたマイペースすぎる清峰を手足のようにコントロール。
経験の浅い2年生たちが萎縮しないような声掛けもお手の物で、先輩であるはずの2年生の心をがっちり掴みます。智将要圭の手腕によって、小手指野球部の練習の空気は張りと活気のあるものに一変したのでした。
しかし、一番の見どころはやはりキャッチングです。グラウンドに響いたミットの音はただの捕球とは思えないほどの爆音。それは天才バッテリー復活の祝砲のようにも感じられます。
春季大会で準決勝まで勝ち上がる実力を持つ強豪・私立氷河高校と練習試合をすることになった小手指高校。氷河高校の1点リードで迎えた9回表。小手指高校の攻撃、2アウト、1・2塁に走者のいる場面で打席は要(アホ人格)に回ってきます。ここで打てなければ小手指の負けが確定するという大一番です。
パワーのある直球が武器の巻田の速球と極度の緊張で焦ってしまう要でしたが、清峰の「普段誰の球捕ってるんだ」という一言で冷静さを取り戻し、先ほどまでかすりもしなかった球にバットが当たるようになります。
そしてついにバットはボールの芯を捉え、右中間へ落ちるヒットで走者2人がホームに生還し、勝ち越しに成功。さらに、その後清峰のホームランで2点の追加点を上げた小手指は、勢いそのままに9回裏を守り切り、めでたく勝利を収めます。
記憶喪失となってから初めて勝利打点を上げた要はチームみんなから称賛を浴び、改めて野球の楽しさに目覚め、さらに上手くなることを決意するのでした。
要圭を演じるのは宮野真守さん。1983年6月8日生まれ、埼玉県出身。『うたの☆プリンスさまっ♪』の一ノ瀬トキヤ役をはじめ、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のマリオ役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。
明るく素直で、怠け者だけどどこか憎めないユーモラスなアホの要圭は、文句を垂れながらも一生懸命野球に向き合っており、ついつい応援したくなるキャラクター。一方、冷静沈着でカリスマ性を持つ智将要圭は、うっとりしてしまうほどの格好良さです。ギャグパートでもシリアスパートでも活躍する彼の勇姿に期待が高まります!
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。