ReoNa アルバム『HUMAN』に至るまで、音楽の旅路を振り返る|5周年&クラウドファンディング開催記念インタビュー第2回
アーティストデビュー5周年というひとつの節目を迎えたReoNaさん。クラウドファンディングサービス「ソレオス」にて、ReoNaさんが5年間にリリースしたCDの衣装姿をデフォルメ化したラバーフィギュアの製作プロジェクトが2024年4月1日18時00分より開始となる。それを記念して、アニメイトタイムズでは全3回に渡るインタビューを実施中だ。第2回目となるインタビューでは、ソロデビュー前から歌ってきた初のオリジナル楽曲「怪物の詩」が収録された『Null』以降、現在に至るまでのReoNa作品を振り返っていく。
前回のインタビューはこちら
絶望系アニソンシンガーの原点
――では『Null』、『ANIMA』についてそれぞれおうかがいできればと思います。このブロックは、カッコよさが際立っているアートワークの印象です。
ReoNa:『Null』は、カメラマンの岡田貴之 さんと初めてご一緒した作品で、HELLCATPUNKSさんもここからスタイリストとして入っていただいてます。絶望系アニソンシンガーの中で言うと「ReoNaの原点」に立ち返った作品となりました。
――『Null』はReoNaの人生のスタート地点を表現した ReoNa ZERO"と呼べるプロジェクトのひとつでしたね。ReoNaがシンガーとして"ステージに立つ道を選んだ原点が、楽曲にもアートワークにも描かれました。撮り下ろしブックレットの写真はモノトーンで統一されています。
ReoNa:『Null』の撮影のことはすごく覚えているんです。スタジオの他、街中でも写真を撮りました。カッコいい写真が多かった印象です。全身まっくろのワンピースに、ハードめな黒のライダースを身にまとって、衣装ではあるんですけども、「全身真っ黒って落ち着くなぁ」と思っていて。「unknown」(1stアルバム)、「HUMAN」(2ndアルバム)や「Alive」(7thシングル)など、以降、白い衣装を着ることも増えてきましたが、当時のReoNaのお歌を受け取ってくれていた方は、黒のイメージが強いかもしれません。
見逃してしまいそうな景色をキャッチ
―― 一方、『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』2ndクールのオープニング・テーマ「ANIMA」は「魂の色は何色ですか」と問いかける曲。カメラマンは、昨今おなじみの平野タカシさん。どことなくスチームパンクっぽい雰囲気が漂っています。
ReoNa:「ANIMA」では、初めて工場地帯で撮影をしました。コンテナっぽい場所、無機質な倉庫っぽい建物などに行って。平野さんはシチュエーションの切り取り方が独特で。私の感覚であれば見逃してしまいそうな場所でも、アート性や面白さを見出してくれるんです。「ちょっと、そこ座ってもらっても良い?」って言われた場所が、平野さんのフィルターを通すと、肉眼で見たものとはまったく違うものとなる。
――しかも一切合成されていないんですよね。だからこその生々しさが息づいているというか……。
ReoNa:ブックレットを見ると、カッコいい写真が多いなと思います。「ANIMA」の時はシルエットにこだわって、丈を微調整してもらっていたことを覚えています。ワンピースもレザーで、ライダースにはダメージっぽい加工が入っていて。曲のロックさに負けないように、ビジュアルもロックテイストでした。
――MVは初のバンドセットでしたね。
ReoNa:曲が激しいだけに、MV撮影もとても気合いが入っていました。「ANIMA」のデフォルメラバーフィギュアがどのような雰囲気になるのか、個人的にはとても楽しみです。
――曲としても、アートワークとしても挑戦的だった曲。この曲でReoNaを知ったというファンが多いと思います。ReoNaにとって、エポックメイキングな曲ですね。
ReoNa:いろいろな方が出会ってくださった曲だと思っています。
――平野さんが写真を手掛けるようになってから、シルエットの写真も増えたように思います。それこそ『unknown』でもシルエットが印象的です。
ReoNa:屋上にいたときに「そこに座ってみて」って。それこそ見逃してしまいそうな景色の中で、ぱっと横を向いた瞬間を切り取ったものです。
――その一方、1stアルバム『unknown』はReoNaさんの目力も印象的。
ReoNa:この日の撮影のことはものすごく覚えているんです。爆炎天下で……。
――爆炎天下(笑)。
ReoNa:ものすごい陽の光を浴びながら撮っていたんですけど、カメラを向けられると自然と汗が引いて……ということを覚えています。
――ReoNaらしさが詰まったアートワークからまた一転、『ないない』は『シャドーハウス』にがっつりと寄り添ったコンセプチュアルなアー写とジャケ写です。
ReoNa:この時にはじめてカメラマンの桑島智輝さんとご一緒したんです。それこそ、『シャドーハウス』とのご縁もここから生まれました。
ビジュアル面も曲調もこれまでとは違ったものになるタイミングということもあって、どのように受け取ってもらえるのか直前までドキドキしていました。ただ、原作を読んだ方には、歌詞に関しても、アートワークに関しても「この構図って、もしかして」と思ってもらえたんじゃないかなと思っています。生き人形、おかげさま……それこそ、このジャケット写真もそうですけども。
『ないない』が2021年5月……もう3年近く経つと思うと、あっという間ですね。