『この素晴らしい世界に祝福を!3』福島潤さん、雨宮天さん、高尾奏音さんインタビュー |『このすば』は、事切れる直前まで演じていたい “実家”のような作品
アフレコ中に笑いを堪えきれず、雨宮さんが収録不能な状態に
――『このすば』といえばやはりギャグシーンは大きな魅力だと思いますが、シリーズを通してとくに面白かったなというシーンや思い出はありますか?
福島:一番がいっぱいあるので、選ぶのは難しいんですけど……第3期で言うとシルビアさんのシーンですかね。5年ぶりの「あててんのよ」は、ちょっと映画の時と言い方も変わっている気がして、「昔そんな風に言ってた?」と現場では大ウケでした。
あとは、どのシーンかまでは話せないんですけど、天ちゃんが笑いすぎて収録を続けられなくなったことが1回ありましたね。
雨宮:もう面白すぎて、その方の次に私が喋るターンだったんですけど、笑っちゃって言えなくて、完全に下を向いてしまったんです。今までは、笑いそうになっても何とか持ち直してちゃんとやれていたんですけど、もうその時だけは「ダメだ! 負けた!」と思いました(笑)。
高尾:なんだか、すごい戦いみたいなのが(笑)。
福島:もう戦いなんだよね。絶対、向こうも狙ってやってるから(笑)。
雨宮:テスト収録と違うことをしてくるし、それでまた笑うじゃないですか。そこからやり直す時って、直前までの台詞は録ってあるから、その部分を再生してから再開するんです。けど、また笑っちゃうと思ったので、「もう返さないで(再生しないで)ください」とお願いして、無音の状態でアクアの台詞からやり直させていただきました(笑)。
福島:でもシリーズ通して初めてだよね。天ちゃんがそういう風になったのって。
雨宮:そうだと思います。本番だけは何とかやってきてたんですけど。
福島:けど、実は天ちゃんだけじゃなくて、今回はバニル役の西田くんも同じように笑って喋れなくなったことがあって。その時は、バニルの台詞の裏でカズマのアドリブがあるシーンだったんですけど、西田くんがそれを聞くと笑って喋れなくなるから、結局僕は黙っていることになって。一応(アドリブがバニルの台詞に被らないように)別室にいたのに、個別での抜き録りに変更されるっていう屈辱を味わったんです(笑)。
雨宮:(西田さんも)何回か挑戦はしていたんですけど、どうしても気にしちゃうみたいで(笑)。
福島:でもそれも含めて初めてというか。笑わせ合いと言ったらちょっと失礼かもしれないんですけど、 現場も今までにないくらい本気で、ギャグ、コメディをやっている実感はありますね。
――高尾さんは面白いと思ったシーンはありましたか?
高尾:難しいんですけど、第3期の第3話でアイリスに「お兄ちゃんみたい」と呼ばれた後の「俺はこの城に残ることにした」っていう、カズマさんの一言がめちゃくちゃ面白くて。あの言い方が大好きですね。
福島:お得意の爽やかに言うやつね。
高尾:そうです! その一言が本当に頭から離れなくて。
福島:「もう一度、できればもっと砕けた感じで」って言ったあとのやつね。
――第1期から数えると、約8年ほどの年月が経ったことになりますが、『このすば』という作品は、御三方にとってどんな存在になっているのでしょうか?
雨宮:私、事切れる直前までやってたいですね。『このすば』に関しては。
福島:本当に一緒なんですよ。僕も死ぬ直前っていうか、一生かけても全部録りたいというか。それくらい覚悟をしている作品ではあるんですけど、できれば僕の喉が持つ間にね(笑)。
高尾:そこに私もできるだけ長く参加したいです。それこそ事切れるまで(笑)。
――長寿番組のようにずっと続いていてほしい作品というか。
福島:実家みたい、というのがしっくりくるかもしれないですね。僕は実家大好きなので、『このすば』でしか得られない安心感とか、無くなるともう生きていけないかもくらいの気持ちはあります。
雨宮:本当に仲いいんですよね、私たち。『このすば』のアニメが全然やっていない時も、4人で飲んだり遊びに行ったりしているくらい。本当に、ここまでの仲になる作品はなかなかないです。
――最後に、第3期の見どころや、ファンの方々へのメッセージをお願いします。
高尾:いろんな要素をギュッと詰め込みました、っていう言葉がピッタリな第3期になっているんじゃないかなと思います。本当にみなさんのお芝居からBGMのタイミング、顔の動き方まで全部が面白いシーンもあれば、ちょっとシリアスで「こういう仲間が欲しいな」と思えるようなシーンもあったり。
アイリスとしてはディレクションで何度も「もっとかわいく」と言っていただいたところがたくさんあるので、それはどこだろうと探しながら楽しんでいただけたら嬉しいです。
既に見ていただいているみなさんには、なんて1話1話の情報量が多いんだ!とびっくりされているんじゃないかと思いますが、中盤に差し掛かってくるタイミングでも、まったく失速しないどころか、今までにないシリアスなドラマも待ち受けているので、今回は、『このすば』に情緒をかき乱される覚悟をしておいていただければなと思います。
雨宮:まだ言えないことばっかりなんですけど、今回は結構グッとくるセリフがすごく多いんです。流し見でも楽しい作品なんですけど、しっかりと見ていただけると、意外にグッとくる台詞もあるので、そういう見どころ的なシーンも楽しみにしていただけたら嬉しいです。
福島:エンディングテーマの通り、第3期は「変わらない僕らが帰ってきた」というところから始まるんですが、絵にしろ音楽にしろ我々の芝居にしろ、成長している表現というのが見どころの一つなのかなと。初めて同時収録ができたというのも聞きどころです。
あとカズマ役として言えるのは、過去一カズマさんが活躍するんじゃないかと思うので、カズマさんファンは期待していてほしいです。
雨宮:(カズマのファンって)……いるんですかね?
一同:(爆笑)
福島:てめぇ、この野郎!(笑) この発言、絶対載せてくださいね!
雨宮:なんか、これは言っとかなきゃと思っちゃって(笑)。
福島:確かに、今まではいなかったかもしれないけど、今回こそはできるかもしれないというところでね(笑)。
でもカズマだけではなく、新キャラの暴れっぷりやヒロインの魅力もさらにアップしている第3期になっていると思いますので、引き続き笑って泣いて楽しんでもらえればと思います。
――ありがとうございました。
[取材・文/米澤崇史 写真/鳥谷部宏平]
『この素晴らしい世界に祝福を!3』作品情報
あらすじ
「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。
そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。
その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の冒険譚を聞きたいというもの。護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや―――
「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」
王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!? カズマが目を開けると、そこはなんと王都!
アイリスに乞われて滞在するうちに、王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。
しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?
キャスト
(C)2024暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば3製作委員会