モクミスが叶えてくれた子供の頃の夢。地道に頑張ってきた日々が、かけがえのない“今”に繋がっている――『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』モクミス役・川村文乃さん(アンジュルム)インタビュー
モクミスに託した高知愛と自分らしさ
ーー3月にモクミス役での出演が発表された際には、大きな反響がありました。
川村:まさか私が20周年を迎えた『デカレンジャー』の記念作品に出演するなんて、誰も予想していなかったと思います。戦隊とハロプロ、両方を推しているファンの方は特に喜んでくれました。「『デカレンジャー』の世界にかわむー(川村さんの愛称)がいるなんて、好きと好き同士で最高すぎる!」って。
ーーそして、本予告が公開された際には“変身”することも明らかになり……。
川村:みなさん驚いたんじゃないでしょうか……(笑)。アイドルを応援する中で、推しが宇宙人に変身するなんて、滅多にない体験ですよね。撮影の段階では、あんなに目が光るとは思っていなかったんです。現場では「変身するタイミングで目を開いてください」と言われていたんですけど、ビームみたいにすごい光を放っていたので、予告を見てびっくりしちゃいました。
アンジュルムのメンバーも、どういう役なのかは予告を見るまでは知らなくて。普段の私からは想像できない姿になっていて面白いし、『デカレンジャー』の世界にいる私を見て、「不思議だけど違和感がない」と言ってくれて、嬉しかったです。
ーー川村さん演じるモクミスは、牧野植物園に勤めるベテラン学芸員という設定です。劇中では、植物を解説したり、分析でデカレンジャーをサポートしたりと大活躍でしたね。
川村:私自身は詳しくない分野なので、「お!この植物は!」という専門家らしいリアクションを沢山練習しました。
ーー川村さんらしさがありつつ、新しい一面も垣間見えるキャラクターだなと。
川村:渡辺監督に「明るく元気に、川村さんらしく演じて欲しい」と言っていただいたので、100年以上生きているという設定に引っ張られすぎず、自然体で演じようと思いました。ただ、普段はあんなに怒ることがないので……(笑)。
ーー(笑)。
川村:でも、演じているうちに私自身も植物に詳しくなったような気がして、楽しかったです。研究室のようなセットが温室の中に組まれていて、「いつもここで研究しているんだな」とモクミスをより身近に感じられたというか。
ーー土佐弁と標準語が混ざった喋り方も印象的でした。
川村:台本上のセリフは標準語で書いてあったんですけど、現場で「土佐弁に直して良いよ」と言っていただいたんです。普段の私も土佐弁を使うし、ずっと高知に住んでいるモクミスだから、そっちのほうが良いかなと。いくつかのセリフは土佐弁に変換して演じていました。
ーーモクミスが働く牧野植物園は、川村さんの思い出の場所でもあるとか。
川村:高知県民は小学校の遠足でよく行くんですけど、いつ行っても癒されます。広い敷地内に、お花や植物が年中綺麗に咲いているんです。季節によって雰囲気も変わりますし、本当に居心地が良い場所なんですよ。
ーーふと思ったのですが、川村さんとモクミスの一番の共通点は、高知が大好きなところですね。
川村:そうですね。モクミスが高知名物の「ぼうしパン」を食べながら、指示を出すシーンは特にお気に入りです。私自身も「ぼうしパン」が大好きだし、高知の人も見つけると嬉しくなるポイントだと思います。
あと、作中に出てくる高知土産が本当に高知を分かっている人のセレクトで、「流石だ……!」と思いました。撮影の合間に伊藤さん、吉田さんとお土産の話題で盛り上がっていたんです。
ーーおとどちゃん(桂浜水族館の公式マスコットキャラクター)のグッズを持ってくる辺り、完全に分かっている人のチョイスでした(笑)。
川村:モクミスも「わ!おとどちゃんや〜!」って(笑)。桂浜水族館には何度も行っていて、おとどちゃんにも何回か会ったことがあります。
ーー余談ですが、プロデューサーの塚田さんに次に作りたい作品を伺ったところ、『デカマスターVSおとどちゃん』という回答をいただきました。
川村:えっ、まさかのおとどちゃん……!? でも、かなり動けるし、何でも挑戦する子なので、大丈夫だと思います!