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夏アニメ『FAIRY TAIL 100年クエスト』柿原徹也がナツと“再会”した時の想いを語る【インタビュー】

《100年クエスト》は、これまでの冒険、仲間たちとの関係性があるからできる物語――『FAIRY TAIL 100年クエスト』ナツ・ドラグニル役・柿原徹也さんインタビュー

座⻑として心がけているのは、ゲスト声優への“ありがとう”の気持ち

ーー同じチームの6名(ルーシィ、ハッピー、グレイ、エルザ、ウェンディ、シャルル)の魅⼒を教えてください。また、それぞれを演じるキャスト達と久々にアフレコをした時の感想や、現場でどんなお話をされたかなども教えてください。

柿原:ごめんなさい、一人ずつの魅力を語るのは無理です。思い入れがありすぎるし、みんな大切な仲間なので、簡単には説明できないんです。それに、これはアニメが始まった頃から一貫して僕がお伝えしていることですが、『FAIRY TAIL』って7人全員が主人公だと思っているんですね。物語はナツ・ドラグニルが中心人物として描かれているので僕も主人公役としてこうしてインタビューの場にいさせてもらっていますが、仮にエルザが主人公でもまったくおかしくない。実際に7人全員が主役だという思いを持って、これまでも収録を重ねてきましたし。それぞれのキャラクターに個性があり、仲間としても、物語の中でも、自分の役割を担っている。誰一人欠けても成立しない作品なんです。

そもそもキャストの名前を見ても、錚々たるメンバーじゃないですか。アニメスタート当時で、すでに6人は主役を張れる実力者たちばかりでしたし、誰にも負けない個性を持っていましたから。だって、グレイをゆうきゃん(中村悠一)が演じてなかったら、僕はイケボを封印してなかったかもしれませんからね(笑)。

ーー同じチームにイケボは2人もいらないと。

柿原:そうそう(笑)。というよりも、ナツはそこにいるだけで最高の男だし、何を言ってもかっこいいから、イケボじゃなくてもいいんです。むしろ、かっこよくセリフを決めようとすると、逆に浮いちゃうキャラクターなので。そのことに20代で気づけた自分を今は褒めてあげたいですね(笑)。

ーー座⻑(主⼈公役)として現場に入る際に心がけていることをお聞かせください。

柿原:“ありがとう”という感謝の気持ちを常に持つこと。特にゲスト声優の皆さんに対してはその想いが強いです。ゲストというのはそのエピソードの中で核になると同時に、やはり主人公やレギュラーのキャラクターたちを引き立たせる役割があるんです。つまり、物語を盛り上げるための大切な架け橋になってくださっている。だからこそ、感謝の気持ちを持たなくてはいけないと思っているんです。

また、僕は主人公を任されている立場として、アフレコスタジオでは必ずすべてのキャストに毎回声をかけるようにしています。主人公が主人公として作品の中でいられるのは皆さんの支えがあるからですし、『FAIRY TAIL』を素晴らしいアニメにするために全力で臨んでくださる皆さんには本当に感謝しかないので、直接的なお礼の言葉を述べなくても、ちょっとした会話の中に気持ちを込めるようにしていますね。

あとは、みんなにのびのびと仕事をしてほしいので、適度な緊張は必要だと思いますが、アフレコを楽しんでもらうためにも、先輩後輩関係なく話しかけたりしています。一緒に絡むシーンがない共演者の方がいたら、休憩の時にスタジオの外でムダ話をしたりして。もちろん、集中されている方もいますし、そこはtoo muchになりすぎないように心がけていますけどね。

ーーこの『FAIRY TAIL』が世界中で愛されている要因は何だと思いますか?

柿原:仲間を大切にするという普遍的な要素や、心躍る冒険譚に魅力を感じるのは世界共通なんだろうなと思います。また、そうした作品は数多くありますが、先ほどもお話ししたように、この『FAIRY TAIL』には誰が主人公でもおかしくないぐらいのキャラクターが揃っている。そこも海外の幅広いアニメファンを惹きつけているんだと思います。

ーー『FAIRY TAIL』で海外のイベントに参加されたことは?

柿原:ありますよ。確かフランスと台湾だったと思います。印象的だったのはコスプレしている人が多かったこと。それに、海外のアニメファンって距離が近いのも面白くて。日本のファンは少し離れたところから崇めるように僕たち声優を見て楽しんでくれているんですが、海外はすっごくフレンドリー。ぐいぐい近寄ってきて、「ナツだろ? お前、すげえな!」って声をかけてくる。“え、友達!?”みたいな感じになるんですけど(笑)、それがすごく楽しいです。そういえば、ドイツに住んでいた時もまわりのドイツ人はこんな感じだったなと思い出しました。……こうやって話してたら、また『FAIRY TAIL』で海外のイベントに行きたくなりましたね。この新シリーズで連れて行ってくれないかなぁ(笑)。

ーー柿原さんにとっての「100年クエスト」(簡単にクリアすることはできない、一生をかけて挑み続けたいもの)を教えてください。

柿原:質問の趣旨から少し外れてしまうかもしれませんが、他人に迷惑をかけないように生きていく。これだけは絶対に守りたいと決めていることです。また、柿原徹也として生まれてきた以上、自分らしさは崩さず、だからといって現状維持ではなく、常にステップアップして、これから起こり得るであろうクエストを乗り越えられるようにしていきたいです。

これは僕がいろんなところで話していることですが、神様はクリアできない試練を与えることはしないし、準備をしている人間にだけ己を向上させる試練を用意してくれると思うんです。ときどき、取材などで“次の目標は何ですか?”と訊かれることがありますが、それは自分で見つけるものではなく、神様が与えてくれると思っているんです。だからこそ、次にいつ、どんな目標が目の前に現れてもいいように、時間を見つけてはいろんなことを経験し、しっかりと準備をしておく。それが僕の一生かけてやらなければいけないクエストだと思っています。

ーーアニメ第1話の放送を楽しみにしているファンの⽅へのメッセージをお願いします。

柿原:長い間『FAIRY TAIL』を応援してくださっていた皆様、本当にお待たせしました! 僕も待たされすぎました(笑)。《100年クエスト》のアニメ化の噂が先行したまま、“やるやる詐欺”にならなくて本当に良かったです(笑)。前作を終えてから5年が経ちますが、その間、スタッフ、キャストとも別の現場でいろんな冒険を重ねてきましたし、十分にエネルギーをチャージしてこの《100年クエスト》に挑みます。原作のマンガに負けないぐらいのお芝居を披露できるように頑張ってまいりますので、『FAIRY TAIL 100年クエスト』にご期待ください!

『FAIRY TAIL 100年クエスト』作品情報

FAIRY TAIL 100年クエスト

あらすじ

フィオーレ王国随一で、お騒がせ魔導士ギルドとしても有名な「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」。

そこに所属するナツ・ルーシィ・ハッピー・グレイ・エルザ・ウェンディ・シャルルの最強パーティーは、旅立ちの時を迎えようとしていた。

目指す先は遥か北の大地・ギルティナにあるという世界最古の魔導士ギルド「魔陣の竜(マギア・ドラゴン)」。

黒魔導士ゼレフや黒竜アクノロギアとの死闘を乗り越えたナツたちに、<S級クエスト>の更に上級である<100 年クエスト>に挑む許可が特別に下りたのだ。

<100年クエスト>は、「魔陣の竜」が創設されてから百余年、誰一人として達成できていない伝説級の難関依頼。

初めての大陸の“不可思議な街”、初めて出会う“不可解な神”、そして動き出す“不気味な敵”…。

心躍るナツたち「妖精の尻尾」の新たな大冒険が、幕を開ける!

キャスト

ナツ・ドラグニル:柿原徹也
ルーシィ・ハートフィリア:平野綾
ハッピー:釘宮理恵
グレイ・フルバスター:中村悠一
エルザ・スカーレット:大原さやか
ウェンディ・マーベル:佐藤聡美
シャルル:堀江由衣
トウカ:鈴代紗弓
エレフセリア:麦人
メルクフォビア:梅原裕一郎
カラミール:日笠陽子
キリア:内山夕実
マッドモール:山本格
スカリオン:浜田賢二
イグニア:岡本信彦
トウカ:久保ユリカ

(C)真島ヒロ・上田敦夫・講談社/FT100YQ 製作委員会・テレビ東京
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