夏アニメ『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』鈴木崚汰さん(三森灯河役)×宮下早紀さん(セラス役)インタビュー|“むごさ”も感じられるような灯河のスキルと、彼をサポートするセラスの感情の揺れ動きに注目!
対人戦闘ならではのハラハラ感や駆け引きもある、灯河のバトルシーン
――灯河が駆使するのは「状態異常スキル」ということで、他の異世界もののバトルとは違う感じがします。
宮下:敵を攻撃するのではなく、敵に状態異常を付与するだけで。
鈴木:武器や魔法ではなく、状態異常スキルを使うからこそ、戦略や分析が重要なんですよね。敵を射程圏内におびき寄せたり。戦闘IQが高い灯河だからうまく使いこなせているだけで。
――ゲームでも状態異常スキルをメインにプレイすることはほとんどないような。
鈴木:でもすごく強いんですよ。
宮下:スキルの重ねがけもできますからね。
鈴木:一気に倒すというよりもじわじわと。
宮下:敵が苦しむ姿がどう映像で表現されるのかも楽しんでいただきたいです。
鈴木:でも敵が単純なモンスターではなく、対人だからこそ、相手も考えるし、ちょっとしたことで計算が違ってしまって、ハラハラすることもあります。他の異世界ものの主人公とはまったく違うタイプだと思います。
――バトルシーンの収録はいかがでしたか?
鈴木:HPやMPという概念がある以上、それが減ってくれば、灯河自身もスキルを発動するのが難しくなるんですよね。いつもは余裕でスキルを発動できるけど、切羽詰まりながら発動するシーンもたくさんあったので、他の異世界もののバトル同様に、自分の身を削りながら戦うことも多かったです。
――バトルシーンを演じ終わった後、抜け殻みたいになってしまう方もいるそうですが……。
鈴木:すべてを出し切って。でも灯河が抜け殻になっていないので。
宮下:灯河が消耗などを隠していた部分もあると思いますけど、確かにボロボロになるまで出し切った灯河は見たことがないですね。
―― 一方のセラスは聖騎士という肩書であり、剣術の腕もあって凛々しかったです。
宮下:強いし、戦う姿や所作なども美しくて。それをどう表現したらいいのか、考えながら演じていました。
鈴木:一太刀ごとに発する息遣いや間も大切だし。
宮下:そういう息遣いなども映像を見ながら変えてみたりしました。
――宮下さんにとってセラス役は挑戦が多かったようですね。
宮下:今までに演じたことがないタイプのキャラで、常に学んでいた感じでした。実は、他の役者さんの台本を後ろからこっそり見ていました。鈴木さんのも。
鈴木:え~っ!? 台本を見られるのが一番やだ。
宮下:でもチャンスだと思って。「こういう書き方をしているのか」とか。
鈴木:僕のはあまり参考にならないかも。
宮下:独特でした。皆さん、ペンを使う方が多いけど、鈴木さんはボールペンで、ぴゃ~っと書かれていて、「これでわかるのかな? きっと頭が良いんだろうな」って。
鈴木:元々、結構書き込むほうだったんですが、書き込んだことにとらわれて、窮屈な芝居になるくらいなら、その時々で流れる生の空気を感じながらやったほうがいいんだろうなと思うようになって。ボールド(※キャラクターが喋るタイミングを示したもの)の印とか読みにくいところはあまり書かなくなりました。
宮下:また良いことを聞きました……!
“むごさ”も感じられるような灯河の状態異常スキルと、彼をサポートするセラスの感情の揺れ動きに注目!
――アニメの見どころや注目ポイントのご紹介をお願いします。
鈴木:3本ある話の軸がアニメの中でうまく絡み合っているので、ストーリー展開はこの作品の醍醐味だと思います。また、きれいな絵に加えてCGも使われているので、モンスターのおどろおどろしさや気味悪さもうまく出ていると思います。(取材時点では)まだバトルやスキルを使うシーンの完成映像は見ていませんが、アニメでどう表現されるのか楽しみです。
灯河的には、復讐心を胸に秘めながら戦っていくので、シリーズを通して「暗さ」や「重さ」が流れていますが、セラスという一筋の光があることで、魅力や希望も見えてきます。灯河は敵には容赦がなくて、自分は悪いヤツだと言っているけど、仲間や信じられる人には優しくて。育ててくれた叔父叔母夫婦から与えられたもので、本人が意識しなくても、自分と境遇が似ていたり、困った人を見ると手を差し伸べてしまう慈悲深さもあって。あと、辛い幼少期や過去を過ごしながらも悲壮感はなくて、そこで芽生えた復讐心をむしろ利用している部分もあります。
セラスやピギ丸と出会い、チームになっていくことでにぎやかになったし、守るべきものも増えて。悪意だけではない、彼の正義感や漢気も徐々に垣間見えてきます。
宮下:ピギ丸を使って、戦略的にも幅が広がりましたよね。それだけでなく、情も出てきて。
セラスは灯河と出会う前は追われている状態で、灯河を完全に信用していたわけではなかったけど、行動を共にしていくうちに、考え方や灯河への感情も変化していきます。セラスのかわいいところも見えてきたりして。
鈴木:セラスはウブだよね。すぐに顔が赤くなったりして。
宮下:ウブ過ぎて、むしろおもしろく見えたり、ポンコツなところもあります(笑)。
――最後に、皆さんへメッセージをお願いします。
宮下:アニメでこの作品に初めて触れる方には、まずタイトルにもある「ハズレ枠」で「状態異常スキル」を持った主人公がどう「蹂躙」するのかを見ていただきたいです。主人公の灯河は復讐に燃える主人公ですが、そんな彼と共闘し、サポートするセラスの強さや凛々しさだけでなく、母性や癒しも感じてもらえたらと思います。セラスの感情の揺れ動きやいろいろ見せる表情、魅力にも注目してください。登場するまで待っていてくださいね。
鈴木:原作を読んでいる方はきっと、灯河のスキル「パラライズ」や「ポイズン」「スリープ」がアニメでどう表現されるのか気になっていると思います。僕もそうです(笑)。灯河のスキルのすごさやむごさが存分に描かれていると思うのでご期待ください。
ここまで、やたら「暗い」と言ってきましたが(笑)、初めて見ていただく方にも、作品の持つ「重厚感」や「爽快感」が伝わるフィルムになっているはずです。第1話から濃くて、個性的なキャラが多くて、しかも回を増すごとに増えていきます。そんなキャラたちを素晴らしい役者さんたちが見事に表現されています。
辛い過去を過ごしてきて、異世界でもどん底に突き落とされた灯河が、女神ヴィシスへの復讐を果たすために突き進んでいく姿を見届けてください。まずは大切な第1話をぜひ見てください。
作品概要
あらすじ
女神ヴィシスによってクラスメイトたちが次々にS級、A級と能力を見出される中、灯河は最低ランクであるE級と宣言され『廃棄』対象となってしまう。
生存率ゼロの遺跡に廃棄された灯河はハズレ枠と貶された【状態異常スキル】を駆使して遺跡脱出を試みる。
その日から、女神ヴィシスへの復讐の炎を宿した青年は人畜無害な人間をやめ、心の奥底に隠していた本性を明かしていく……
「はじめようか、生存競争を」
キャスト
(C)篠崎芳・オーバーラップ/ハズレ枠の状態異常スキル製作委員会