成長した未来が“自分のハンドルの握り方”を伝える物語――『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』ブンレッド/範道大也役・井内悠陽さん×ブンピンク/志布戸未来役・鈴木美羽さんインタビュー
ニコーラとのやり取りに込めた未来らしさ
ーーここからは映画のお話を伺いたいと思います。台本を読ませていただいたのですが、全体的に第1話(バクアゲ1「届け屋のハンドル」)とのリンクを感じるストーリーだなと。
井内:僕も同じことを感じました。第1話で大也が未来に言った「自分のハンドルは自分で握る」という台詞は、『ブンブンジャー』の物語が始まるきっかけのセリフだったと思います。それを今度は未来が二コーラに伝えようとしていて。映画の台本を読むなかで、第1話の撮影で感じた気持ちを思い出しました。
ーー今回の未来は、ニコーラにブンブンジャーに入る前の自分を重ねているように見えます。
鈴木:おっしゃる通り、過去の自分と重なる部分もありつつ、あまり押しつけがましくならないように演じたかったんです。「あなたに変わってほしい」というスタンスではなく、「私はこうだったんだよね」という伝え方が未来らしいというか。単純にニコーラを見て過去を思い出したから、自分の話がしたくなったんだと思います。教えるというよりも、自分の話をしているくらいの感覚です。
井内:なるほど。
ーー未来の魅力を再確認しつつ、成長も感じられる内容でした。
鈴木:そうですね。自分の中では真剣でも、人に対して意見を言うことって簡単じゃないと思うんです。未来が「自分のハンドルを握っている」と実感できているからこそ、迷っているニコーラに言葉を掛けられる。台本を読んだとき、未来を演じている身として、とても嬉しい気持ちになりました。
ーー映画ならではのゲストキャストとして、動画クリエイターのHIKAKINさんも登場しています。率直な感想として、出演を知った際にどう思われましたか?
井内:「びっっっくり」です!
鈴木:今3つくらい「っ」がついてたよね(笑)。
井内:台本のキャスト欄で知ったのですが、しっかり2度見しました。1回目はさらっと飛ばしてしまったんですけど、見直したら「えっ、HIKAKINさん!?」って(笑)。
鈴木:(笑)。そこで知ったんだ。
井内:本当に衝撃的でした。さらに、キャラクターを演じるわけではなく、本人役という。嬉しい気持ちもありつつ、撮影当日までドキドキしていました。
鈴木:実際にお会いした時、「本当にいる!」と思ったよね。
井内:そう! ちゃんともう一回びっくりした。
鈴木:「本物だ、本物のHIKAKIN!」という未来のセリフがあるんですけど、私だけじゃなく、キャスト全員が同じ気持ちだったはずです。
ーー作中では玄蕃(振騎玄蕃/ブンオレンジ)が調達したことになっていましたが……。
鈴木:玄蕃もさすがだよね。
井内:玄蕃はなんでもできる!
井内さんが撮影中に“爆上がる”瞬間とは?
ーー『ブンブンジャー』としては初の映画撮影だったと思いますが、TVシリーズと違いを感じた点はありますか?
井内:映画館のスクリーンが大きいので、ひとつの画面に映っている情報量も多いんですよね。今まで戦った苦魔獣(くるまじゅう)が復活するシーンからは、映画ならではのスケールの大きさを感じました。アクションシーンも長回しで見せたりとか。
鈴木:あれはすごかった! 大集合だったよね。
井内:実際に撮影現場で見て爆上がりました。
鈴木:あとは……ロケ地の気合い?(笑)
井内:(笑)。
鈴木:撮影では富士スピードウェイを使わせていただいたんですけど、クルマのスーパー戦隊なので、やはりテンションが上がりましたね。それから、森の中での撮影も新鮮でした。今までは街なかで人を助ける話が多かったので、完成した映像を観るのが楽しみです。森林を駆け抜けるシーンは迫力があると思います。
井内:確かに、今までとは全然違う雰囲気でした。
鈴木:だから、ロケ地の……。
井内:気合い!
一同:(笑)
ーーサーキット自体が苦魔獣になり、ブンブンカーが操られるという展開も映画ならではなのかなと。
井内:それも早く映像で観たいですね。サーキットグルマー自体は撮影で見たのですが、サーキットがイグニッションされる場面はどうなっているのか。
鈴木:サーキットグルマーは、回収したサーキットを身体中に巻き付けているんですけど、「ここに辿り着くまでの過程が知りたい!」って(笑)。スタッフさんの手が加わったときにどんな映像に仕上がっているのか、ワクワクしています。
ーー演じるキャラクターの注目ポイントを挙げるなら、どんなところでしょうか?
鈴木:私はやはり未来の成長に注目していただきたいです。加えて、普段は私と調(ハシヤスメ)さんが女性のレギュラーキャストで出演しているんですけど、今回のニコーラは未来と同年代の女の子なんです。同年代の女の子といるからこそ、未来の少し楽しそうな感じが垣間見えるかもしれません。私自身もニコーラ役の姫奈ちゃん(伊礼姫奈さん)と仲良しなので、楽しく撮影させていただきました。それが未来のお芝居にも少しだけ現れている気がします。
ーーそういう関係値は画面にも滲み出そうですね。
鈴木:本当に楽しかったんですよ。「映画だけでなく、本編の最後の最後までいてほしい!」って真剣にお願いしたくらい。
井内:撮影の最終日は寂しそうだったよね。
鈴木:そう、「お願いだから残って!」って(笑)。
井内:言ってた(笑)。個人的には、大也がひとりでブンブンチェンジするシーンにも注目してほしいです。少しだけアクションを僕がやらせていただきました。
鈴木:悠陽くんはアクションシーンの撮影で、すごく活き活きするんですよ。
井内:アクションが大好きなんです。撮影現場で「アクションやる?」と言われたときは、テンションが上がります!
鈴木:アガり方が尋常じゃない(笑)。
井内:抑えているつもりだったんですけど、顔に出ていたみたいですね(笑)。
鈴木:私は逆なんですよ。上手くできるか不安で、直前に「顔がこわばってるよ!」と言われるくらい(笑)。だから、悠陽くんを見ていて「いつもすごいな」と思っています。あと、大也(ブンレッド)とデイモンサンダーの一騎打ちも格好良いよね。
井内:一対一で戦っている間に、未来とニコーラのやり取りが挟まる構成になっているんです。そこはアフレコでも真剣になりすぎないように、大也がワクワクしている感じを出したいなと。同じ『ブンブンジャー』でありながら、“映画”を感じてもらえる要素が詰まっている作品なので、楽しんでいただけると思います。
[インタビュー・撮影/小川いなり]
『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』作品情報
あらすじ
範道大也が購入したサーキット場にてコラボ撮影をおこなうブンブンジャーとHIKAKIN。
そこへ突如“惑星トリクル“の王女が逃げ込んできた!
宇宙のならず者集団“ハシリヤン“の侵略から逃げてきたという彼女を保護したブンブンジャー。
だがハシリヤンは、王女を渡さなければ地球に「惑星大破壊大ミサイル」を撃ち込むと脅迫…!
さらにハシリヤン捕物隊長“デイモンサンダー“を地球に送り込んだ!
デイモンサンダーの持つ力によって大也のサーキット場は苦魔獣=“サーキットグルマー“に、
そしてなんと…いつもは頼もしいブンブンジャーのスーパーマシン“ブンブンカー”も
サーキットグルマーに飲み込まれ、敵の支配下に…!?
予測不能の事態にさすがのブンブンジャーも、大ピンチ!
キャスト
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