『ATRI -My Dear Moments-』連載第8回:日笠陽子さん(キャサリン役)|夏生の感情の揺らぎを見ていく内にキャサリンも変わっていった
アニプレックス社のノベルゲームブランド「ANIPLEX.EXE」の第1弾タイトル『ATRI-My Dear Moments-』のTVアニメが、2024年7月より放送中!
アニメイトタイムズではその放送に際し、メインキャストのみなさんへインタビューを実施。第8回目は前回に引き続きキャサリン役の日笠陽子さんです!
今回は物語も折り返し地点ということで、これまでの描写を踏まえた見どころやキャサリンの変化を中心にお話いただきました。いよいよ終盤へ向かう本作への期待を高める意味でもぜひご一読ください。
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日笠さんが自分の引き出しを増やそうと考え始めたきっかけとは
――7話まで放送が終了しました。振り返ってみて印象に残っているシーンを教えてください。
日笠:アトリの中に感情があるのかないのか、ようやくそこが明るみになってきたかと思います。キャサリンはストーリーの主軸というよりも、アトリとの関係でグラグラ悩む夏生に寄り添うというか、面白がっているポジションでした。また、説明役やサポート役に徹していた記憶もありますね。
――メインキャラクターたちから一歩引いた、大人な立ち位置のキャラクターを演じる際はどのようなことを考えられるのでしょうか?
日笠:この作品にとどまらない話でもありますが、芝居感を自分の自由な方向に持っていくより、このキャスト陣ならこういうお芝居の方向性だろうなと予測して、自分が違和感にならないよう寄せるようにしています。やはり主演の人たちのために地を固める存在だと思っています。
もちろんあえて異質にする時もありますが、根っこの部分は寄せる。この作品でいえば小野さんはナチュラルなスタイルの役者で、髙橋さん演じる水菜萌や細谷さん演じる野島竜司も自然なお芝居なので、ナチュラル目な人間同士の会話に寄せるよう意識しています。
――作品や揃っている役者陣によってジャンル分けは変わってくるのでしょうか?
日笠:例えばギャグ系の作品なら絵を気にせず突拍子のないお芝居をしたり、そういうメンバーが集まっているな、と考えることが多いです。後はこのお仕事をしていると、たまに世代や時代で求められるお芝居の方向性もあると感じることもありますね。
ちゃんと言葉を立てたり、アクセントを付けてくる喋りの人たちが多い時はそちらにあわせ、『ATRI』の場合は、あまりワードを立てずに少し流す方向に寄せようと考えます。もちろん完璧にできている時できていない時はありますが、自分の意識としてはそのように分けています。
――声優さんたちも世代によってお芝居に特徴があったりするのでしょうか。
日笠:日常系の作品と、異世界でバキバキに戦う作品とでは、テンション感がそもそも違いますよね。一時的にリアルなお芝居が求められる劇場作品が多くなった時期も過去あって、それを見て育った人たちはそういう作品をインプットしてきている。だからアウトプットもそういう作品が増えているときもあると思います。
変な分析で恐縮ではあるのですが、きっと時代はまた回ると思います。最近でも90年代のロボットアニメの雰囲気を纏った作品もあって面白かったですし、逆に新しく感じましたしね(笑)。